・・万華鏡・・
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#770 [果樹]
「先輩・・鍋って普通冬にやるものですよね・・?」

「うん」

「今夏ですよね?」

「うん」

「暑くないですか?」

「夏だからね」

私の問掛けに普通に返す先輩。

⏰:08/12/03 11:16 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#771 [果樹]
鍋が食べたいと言うのは別にいい。
人それぞれ好きなものもあるし、それは好みだと思う。

でも夏に鍋。
しかも1ルームの小さな部屋で、二人だけで鍋。

暑いときに熱いものの組み合わせ。

普通は素麺とかサラダうどんとかが定番のはずじゃ・・。

⏰:08/12/03 11:17 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#772 [果樹]
いや、でも先輩くらいになるとまた違うのか・・・?


私が一人考えを巡らせていると、向かいに座っている先輩が吹き出す。

「ぷっ・・何百面相してんの」

「し、してないですよ!」

恥ずかしくなった私は、誤魔化すように鍋に手を伸ばす。

⏰:08/12/03 11:17 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#773 [果樹]
「そう?」

「そうです」

「ふーん」

納得したのかしてないのか、先輩はそれ以上何も聞いてこなかった。

――――・・・

時計の針が9時を回った頃、私は鞄を手に玄関へと向かう。

⏰:08/12/04 06:28 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#774 [果樹]
私はローファーをはいて、くるりと先輩の方を向く。

「それじゃあ帰ります」

「本当に送っていかなくていいのか?」

眉根を下げて心配そうにしている先輩。

帰る数分前、送っていくという先輩の申し出を、私は断固として断った。

⏰:08/12/04 06:28 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#775 [果樹]
理由は、私なりの心遣い。

先輩は大学が終わったあと、深夜遅くまでアルバイトをしている。

だからアルバイトが無い日くらい、ゆっくり休ませてあげたかったのだ。

まぁ、先輩には理由は話さずに、堅くなに拒否し続けただけだったが、その結果、結局先輩が折れたのだ。

⏰:08/12/04 06:29 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#776 [果樹]
でも、心配されるのはやはり嬉しい。

「大丈夫ですよ!先輩明日もバイトがあるんですからゆっくり休んで下さい」

にこっと笑う私の頭を、ぽんぽんと先輩が優しく叩く。

「わかった。じゃあ家着いたらメールして」

⏰:08/12/04 06:30 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#777 [果樹]
そう言いながら先輩の顔が近付いてきた。

大好きな先輩の顔が近付いてくるのに、戸惑いながらも、目を閉じるとちゅっと首筋にキスをされた。

「へ・・?」

てっきり口にキスをされると思っていた私は呆気にとられる。

目を開けると目の前に先輩の顔があって、悪魔のような笑顔で笑っていた。

⏰:08/12/04 06:30 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#778 [果樹]
「期待した?」

心を見透かしたような先輩の言葉にカァッと顔が赤くなる。

「してませんっ」

「そう?」

恥ずかしくて強めに言うと、先輩は口に手を当ててククッと笑う。

もうっと先輩を軽く叩いくと頭をぽんぽんと軽く叩かれた。

⏰:08/12/04 06:31 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#779 [果樹]
「家着いたらメールして」

優しい笑顔で言う先輩にはいと返事をして、私は先輩の家を後にした。

――――・・・

無事家に着いた私は、すぐに携帯を開き、メールの新規作成画面を開く。

⏰:08/12/04 20:14 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


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