・・万華鏡・・
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#892 [○○&◆.x/9qDRof2]
「おはようチロル!」
わたしは五十嵐千広(いがらしちひろ)。あだ名は何故か中学の頃からチロルなのだ。そんな可愛いあだ名の顔じゃないんだけどねぇ。
「おはよう、暁子(きょうこ)ちゃん。」
:22/10/18 18:10
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#893 [○○&◆.x/9qDRof2]
暁子ちゃんは私と同じ美術学科で、とてもいい子だ。こんな私と仲良くしてくれてすごく嬉しい。
「聞いてよ暁子ちゃん。あたくし今朝痴漢に会っちまいましたよ。」
「え?!大丈夫?!」
「なんか素敵なお兄さんが助けてくれたよ〜。いやぁ好青年でねー。」
:22/10/18 18:10
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#894 [○○&◆.x/9qDRof2]
私はまるで年とったおばはんみたいな喋り方をした。私が可愛いかったり積極的だったらお兄さんの名前とか聞いて恋に発展するんだろうなぁとしみじみ思う。はぁ……私はあと何年こんな思いをしなくてはならないのだろうかねぇ……。
:22/10/18 18:10
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#895 [○○&◆.x/9qDRof2]
「チロル……もしかしてそな人に惚れたとか?」
「あーないない。それ以前に向こうが私をお断りだよ。」
いかにも気のない素振りだが、少しもう一度会えないかと思う自分に少し呆れた。アンタそんな身分の奴じゃないだろうっちゅーのに。
:22/10/18 18:10
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#896 [○○&◆.x/9qDRof2]
「さ、イーゼル用意しよ!」
ガラガライーゼルを用意しながら、私達はいつもの他愛ない話をした。
――――――――……
「じゃバイバーイ!」
「バイバーイ。」
あ゛ー今日も終わったぁー。家帰って早く漫画読みたーい。私は少女漫画が大好きだ。あの胸を切り裂かれるような痛み……そして感動的な告白。甘い2人の時間。全てが憧れ。私もあんな恋がしたいなぁと読んだ後は悶えに悶えてそして落ち込む。あぁ……私には無理だっけと……。
:22/10/18 18:11
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#897 [○○&◆.x/9qDRof2]
現実なんてつまらない。漫画みたいな奇跡、偶然、運命はそうそうそこらに転がっているものじゃない。ホームの向かいでイチャつくカップル。思わず履いてる靴を脱いで力一杯叩いてやりたい衝動にかられた。あぁ……つくづく思う。人生は辛いと。電車に乗り、窓の外の暗くなった街並みを見ながらため息を吐いた。
:22/10/18 18:11
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#898 [○○&◆.x/9qDRof2]
耳から流れてくる音楽はこんなにも素敵なのに……どうして私は素敵じゃないかねぇ。窓に映る自分。にらめっこは決着つくけとなく、私とのにらめっこは引き分けで終わった。味わってみたいな……。冬に一緒に手を温めてくれるような相手。甘いキスをくれて、ギュッと抱き絞めてくれる相手。私にとって全て幻想。
:22/10/18 18:11
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#899 [○○&◆.x/9qDRof2]
いいんだ。行きてるだけで幸せなんだと思うし……。そうだよ。私は幸せなんだよ。そう思って、私は良しとした。
――――――――……
あぁ……今日もホームに人が溢れかえってる……。何故……。
プシュー……
電車到着と共にドアが開き、人が入れ替わる。なんとかして車内に乗り込む。今日も昨日と変わらずギュウギュウだ。あぁ嫌だ……。
:22/10/18 18:11
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#900 [○○&◆.x/9qDRof2]
すると、前にいた人が揺れのせいで私にもろにぶつかってきた。私は顔がその人の胸元に埋まった。
「んぐっ……!」
思わず少し声を漏らす。全く……満員電車はやっぱり好かない。まぁ好きな人はいないだろうけどさ。ってか昨日から微妙についてないな私……。
:22/10/18 18:11
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#901 [○○&◆.x/9qDRof2]
「オイッたら!」
ん?もしかして私に言ってる?聞いてる音楽の間間に人の声が混ざって聞こえた。多分頭上からだろうと顔を少し上に上げた。
「あっ。」
「やっと気付いた……。」
話かけた相手は昨日痴漢から私を助けてくれたあのお兄さんだった。……そうすると何かい?さっきまでこのお兄さんの胸に顔を埋めてたっていう……。顔が暑くなって、少しだけ汗ばんでしまった。
:22/10/18 18:12
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