・・万華鏡・・
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#1 [果樹]
ここでは様々な恋のお話を書こうと思います((∀・!

ご意見ご感想はこちらまで
↓↓↓

果樹の感想板.゚
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⏰:08/05/28 20:39 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#2 [果樹]
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知ってる・・・?


万華鏡ってね一度見た模様はもう二度と見れないの。

不思議だよね。



恋愛もきっと同じ。

その時楽しかったことや悲しかったことはきっとその時一度きりのその時だけの感情。

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⏰:08/05/28 20:44 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#3 [果樹]
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例え何度楽しいことや悲しいことを繰り返したって、同じ高揚感や焦燥感にはならない。

だからきっと恋愛は一瞬の刻が大事で一分一秒だってもったいないんだね・・・。


ほら・・・
万華鏡覗いてみよう。

きっと何か素敵なものが見れるよ。

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⏰:08/05/28 20:50 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#4 [果樹]
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Story 1

【桜咲クミライ恋ユメ】



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⏰:08/05/28 20:56 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#5 [果樹]
「もう桜も散ったのか・・・」


彼女と出会ったのは、この桜が満開に咲いていた頃だったな・・・。



・・・・・・・・・・・・



桜が咲き出して、あー春だなぁなんて思う4月。

高校の入学式で、俺は彼女に出会った。

⏰:08/05/28 21:04 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#6 [果樹]
入学式。


正直かったるい。

聞きたくもねぇジジババの話を延々と一時間も聞かされるなんて、苦痛以外のなにものでもない。

きっと全校生徒がそう思ってるはずだ。


俺は、サボる場所を見つけるために歩いていたら、学校の隅に追いやられるように咲いていた桜を見つけた。

⏰:08/05/28 21:06 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#7 [果樹]
ちょーどいいや!

桜の下で一寝することに決めた俺は、そこに近付く。


しかし先客がいたようだ。

桜の木に寄りかかる様にして座る少女。

黒く長い髪が風が吹く度に揺れる少女は、制服の感じからいって新入生だろう。

まだ着慣れない感じと制服の新品具合いがそれを物語っていた。


ちぇ、ここは駄目か。

俺は別の場所を探そうと回れ右をしようとした時、桜の方から声が聞こえた。

⏰:08/05/28 21:10 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#8 [果樹]
「あなたもサボリ?」

一瞬桜が喋ったのかと思ったが、それは紛れもなく少女の声。

澄んだ綺麗な声は、まだ世の中の醜さも何も知らないようだった。


俺は回れ右をしようとした足を止めて、少女の方に向き直る。

「まぁな。昼寝の場所取られちまったけど」

⏰:08/05/28 21:12 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#9 [果樹]
俺はちょっと意地悪く言う。

しかし少女はそれに気を悪くした感じもなく笑っている。


「あ、ごめんなさい。よかったら隣どうぞ。別にお昼寝の邪魔するつもりはないから」


寝れるならなんでもいーやと思った俺は、少女の誘いを受ける事にした。

⏰:08/05/28 21:12 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#10 [果樹]
ごろんと桜の下の芝生に寝転ぶと空よりも鮮やかな色の桜が目に飛込んできた。

暖かい陽気にはうってつけのそよ風と桜の花の隙間からたまに溢れる日射しが気持ちよかった。


ふと少女に目線を移すと少女はさっきと変わらず木に寄りかかったまま本を読んでいた。

「なぁ、あんたさっきから何読んでんだ?」

俺の声に気付いたようで少女もこっちを見たが、その顔は何だか笑っている。

⏰:08/05/28 21:49 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#11 [果樹]
「寝ないの?」

「う、うるせぇな!聞いてんだから答えろよ!」

少女につっこまれた俺は、軽く動揺してしまった。

「詩よ」

「詩?なにそれ」

「うーん。分かりやすくいうと自分の思った事を文章にしたもの・・・かな?」

少女は説明してくれたが、詩を読んだことのない俺にはいまいちよく分からなかった。

⏰:08/05/28 21:49 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#12 [果樹]
「ふーん。面白いの?」

「読んでみる?」

「いい」

笑顔で勧める彼女に俺は寝返りをうち、背中を向けて答えた。

「そう?以外とハマるかもよ?」

後ろでクスクスと笑う彼女。

そんなのに俺がハマるわけがない。

俺が今度こそ眠りにつこうと目を閉じて数分。

⏰:08/05/28 21:50 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#13 [果樹]
体育館の方から生徒のざわつきが聞こえた。

「あ、始業式終わったみたい。それじゃあさようなら」

パタンと本を閉じた声に俺は反応し、上体を起こすと少女は校舎に歩いていってしまった。

「あっ・・・。」

はぁ。名前くらい聞いとけってんだ俺のバカ!

しょうがねぇ俺も教室に行くとするか。

俺は軽く伸びをして、自分の教室へと向かった。

⏰:08/05/28 21:51 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#14 [果樹]
教室に行くと、中は入学式独特のざわつき感があった。

まぁ廊下も大概煩かったけど・・・。

俺は黒板に貼ってあった座席表で自分の席を確認し、椅子に座ると机に突っ伏した。

女どもの甲高い笑い声や男たちのくだらない話声を聞かないように目を閉じて、さっきの桜の木の下で会った少女のことを思い出した。

⏰:08/05/29 05:14 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#15 [果樹]
綺麗な子だった。
純粋そうで儚げで、でもどこか影のある子。

やっぱり名前聞いときゃよかった。

また会えるかな・・・。



「千晃ー!お前入学式サボったろー!」

名前を呼ばれて顔を上げると目の前の席に馴染みの顔があった。

「あれ猛。お前いたの?」

⏰:08/05/29 05:16 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#16 [果樹]
目の前のこいつは、木田猛。

中学からつるんでる奴で、明るくていい奴なんだ。

高校が一緒なのは知ってたけどまさかクラスまで一緒だとは・・・。

「“いたの?”じゃねー!俺はなぁ聞きたくもねぇジジババの話を延々と1時間も聞かされたんだぞ?」

「あー悪かったって」

煩い猛を俺は適当にあしらう。

⏰:08/05/29 05:16 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#17 [果樹]
「つかさーお前始業式の間どこにいたんだ?」

切り替えの早さが猛のいいところだ。

「どーせどっかでサボってたんだろ?」

「あー・・・まぁな」

俺の頭の中に少女の顔が浮かぶ。


「なんだなんだ?なんか楽しいことでもあったのか?」

「あったところでお前には教えてやらねーよ」

⏰:08/05/29 05:18 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#18 [果樹]
「なんだよー。千晃のいけずぅ」

ベッと舌を出すと猛は気色悪い声をだした。

「やめろ。気持ち悪い」

俺は猛から遠退くように椅子の背持たれに身体を預ける。


「あ、つーか聞いて聞いて。耳より情報♪」

「耳より情報?」

「おぅ!聞きたい?」

⏰:08/05/29 05:19 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#19 [果樹]
猛は目を爛々と輝かせて聞いてきた。

「つーか話したいんだろ?」

にひひと笑う猛。
これは話したくてうずうずしている顔だ。


「それがさー今年の新入生にすんげー美少女がいるらしーんだ!」

「美少女?くだらねぇ」

女ってゆーのはどうも煩くて敵わない。

⏰:08/05/29 05:20 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#20 [果樹]
「まぁそう言うなって。俺もチラッとしか見てねぇんだけど確かにあれは美少女だった!」

「ふーん」

「黒髪サラサラの可愛い子だったぜ」

「黒髪ねぇ」


一瞬だけ桜の下で出会った少女が脳裏よぎった。

まさかな・・・。

⏰:08/05/29 05:21 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#21 [果樹]
「ん?どした」

「いや・・・なんでもねぇ。」

「ふーん。あ担任きた。そんじゃまた後でな!」


猛は自分の席に戻っていった。

⏰:08/05/29 05:22 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#22 [もも]
次の日

猛と昼飯を食った俺は、昼寝のために桜の木のところまでやってきた。


「あ」「あ」


昨日と同じ場所にこれまた昨日と同じ少女がいた。


「昨日はドーモ」

「こちらこそ」

俺は軽く挨拶をして、また昨日と同じところに寝転んだ。

⏰:08/05/29 13:03 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#23 [もも]
「随分この桜が気に入ってるみたいね」

少女が桜を見上げながら言う。

「あ?あーまぁな」

少女の問掛けに俺は曖昧な返事を返す。


ちらりと少女を見るとまた本を読んでいた。

「また詩読んでんのか?」

「うん!」

満面の笑みで答える少女。

⏰:08/05/29 13:04 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#24 [もも]
「本当に好きなんだな。その本」

「え?」

「昨日も同じの読んでただろ?」

俺の言葉に少女はにっこりと微笑んだ。

「覚えててくれたんだ」

「べ、別に・・・」

俺は何だか顔が赤くなっている気がして寝返りをうって少女に背中を向けた。

⏰:08/05/29 13:04 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#25 [もも]
「そんなに好きなのか?」

俺は背中を向けたまま聞く。

「うーん・・・どうだろ?共感出来るの。だからつい読んじゃって」

「ふーん」

少女の顔は見えなかったが声は何だか寂しそうだった。



キーンコーンカーンコーン

⏰:08/05/29 13:05 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#26 [もも]
授業開始5分前を告げるチャイムが鳴った。

「あ、授業始まっちゃう。それじゃあさようなら」

「あ・・・」

俺が振り返った時には、少女はもう校舎に向かって歩いてしまっていた。


また名前聞けなかった。
全く・・・俺は何してんだ。

⏰:08/05/29 13:06 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#27 [果樹]
自分の不甲斐無さに嫌気が差しながら俺は教室へと戻った。


――――――――・・・・・


「千晃ー。どこ行ってたんだよー」

「ヤボ用」

俺はガタンと椅子を引いて座ると、机に突っ伏した。

俺は授業なんか耳にも入らず、ずっと少女のことを考えて一時間過ごした。

⏰:08/05/29 18:10 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#28 [果樹]
「なぁ猛」

俺は休み時間に目の前で漫画を読んでいる猛に声をかけた。

猛は「んー?」と生返事を返す。

「この間お前が言ってた美少女って・・・」

“美少女”のフレーズを出すと猛は読んでいた漫画を閉じ、身を乗り出してきた。

「お?ついに興味持ったかぁ?」

⏰:08/05/29 18:11 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#29 [果樹]
「あー・・・まぁな」

適当に返した答えにも関わらず猛はうんうんと頷いている。

「それでこそ男だ!あ、そういやー美少女について新情報だぞ」

「ん?」

表面上は関心の無さそうに聞くが内心では、聞きたくて仕方がなかった。


「美少女の名前は水嶋咲良チャン♪かんわいー名前だろぉ」

⏰:08/05/29 18:11 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#30 [果樹]
「咲良・・・ねぇ」

俺が名前を口にすると、猛はにんまりと怪しい笑みを浮かべる。

「なんだなんだぁ?恋の予感か?」

「さーあ。どうだろうな?」

恋か・・・。
そんなんじゃないだろ。



俺はこの時は、そう思っていた。

⏰:08/05/29 18:12 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


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