・・万華鏡・・
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#122 [果樹]
「ここじゃアレやから。あっちで見ようや」

そういって私たちは赤い部屋を出て、さっきの部室に戻った。



「うっわぁ・・・」

部室に戻って掌に置かれた数枚の写真を見て、私は思わず声を上げる。

「でやっ?」

⏰:08/06/03 20:13 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#123 [果樹]
隣では上條先輩が私の顔を覗き込んでいるが、私の目は写真に釘付けにされている。

「綺麗ー・・・」

写真には、青空が夕暮れの赤い空に変わる時の写真やピンク、紫、紺の色が同じ空の中に写し出されたものがあった。

どれも幻想的で思わず見惚れる。

「ほんま?」

⏰:08/06/03 20:13 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#124 [果樹]
「うんうん!すごい!」

私はついはしゃいでしまう。

「何や嬉しいなぁ。きばって撮った甲斐があったわ」

「え?!これって先輩が?」

先輩の方を見ると、先輩は少し照れたように頭をかいた。

「せやでー。まぁ素人の遊びに毛ぇ生えたようなもんやけど」

⏰:08/06/03 20:14 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#125 [果樹]
「でもすごい・・・」

私はまた写真に目を戻す。

見ていると、まるで吸い込まれるような写真に惹き付けられるような不思議な感覚になる。

「先輩って写真が本当に好きなんですね♪」

そう笑いかけると上條先輩は顔を反対方向に向けて「ん・・・まぁな」と何だか歯切れ悪く言った。

⏰:08/06/03 20:15 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#126 [果樹]
先輩の様子が気になったが、とりあえずその日は写真を貰って私は帰った。


――――――――・・・・


「おっはー涼ちゃん♪」

「おはようございます上條先輩」

渡り廊下の向こうから歩いてくるのは上條先輩。

上條先輩とは出会ってから何故か毎日顔を会わせている。

⏰:08/06/03 20:17 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#127 [果樹]
でも最近私はこの時間が、とても楽しい。

「毎日毎日ご苦労やなぁ」

「日課ですから♪」

そう!今日もやっぱり私は冴木先輩のストーキング中。

「日課・・・なぁ」

「上條先輩?」

「ん?なん?」

⏰:08/06/03 20:17 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#128 [果樹]
上條先輩の顔が少し曇った気がしたので、名前を呼ぶとすぐにいつもの笑顔になっていた。

私はそれを見て安心して、ほっと胸を撫で下ろした。


「今日も写真部行ってもいいですか?」

「ええでー」

「ありがとうございます!じゃあまた後で!」

⏰:08/06/03 20:18 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#129 [果樹]
私は笑顔で上條先輩に手を振って渡り廊下を後にした。


「負けへん・・・」

一人残った渡り廊下で、上條先輩が呟いた言葉は、私の耳には届かず、青い空に溶けた。


――――――――・・・・


「失礼しまーす」

⏰:08/06/03 20:19 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#130 [果樹]
「はーい。あれ?」

写真部のドアを開けると、緑のリボンをした女の人が小首を傾げてこちらを見てきた。

「あ、すみません私・・・」

「あなた涼ちゃんね!」

へ・・・?

自分で名前を言う前に女の人に言われてしまった。

⏰:08/06/04 00:25 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#131 [果樹]
「はい。そうですけど・・・」

私が眉間に皺を寄せながら言うと女の人は可愛い顔で笑った。

「やっぱりー♪実物見れて嬉しーい!私はリカ。あっ座って座って」


緑のリボン・・・。
上條先輩と同じ三年生。

勧められるままに椅子に座る私に背中を向けて、リカ先輩は何か作業をしている。

⏰:08/06/04 00:28 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


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