・・万華鏡・・
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#30 [果樹]
「咲良・・・ねぇ」
俺が名前を口にすると、猛はにんまりと怪しい笑みを浮かべる。
「なんだなんだぁ?恋の予感か?」
「さーあ。どうだろうな?」
恋か・・・。
そんなんじゃないだろ。
俺はこの時は、そう思っていた。
:08/05/29 18:12
:P902iS
:☆☆☆
#31 [果樹]
すいません(。_、

)
上の名前で“もも”ってなってますがこちらも果樹です!!
ほんとややこしくてすみません

:08/05/29 18:13
:P902iS
:☆☆☆
#32 [果樹]
次の日の昼休み
また桜の木のところにいくと例の少女は、また木に寄りかかるようにして本を読んでいた。
俺は何も言わずに側へ行き、また例の如く寝転ぶ。
「あんたの名前、咲良っていうんだろ?」
俺が唐突に聞くと少女は本から俺に視点をずらし驚いたようにこっちを見ていた。
「そうだけど。何で知ってるの?」
:08/05/30 15:06
:P902iS
:☆☆☆
#33 [果樹]
あ、やべぇ。
いきなり名前知ってたら変だよな。
でも口にしてしまったものは仕方がない。
俺は正直に答える。
「だちに聞いた」
すると少女、いや咲良はあの時と同じように気を悪くした様子もなくにこっと笑った。
「ふふッ・・・随分情報通のお友達なのね」
「ただのおせっかい野郎だ」
:08/05/30 15:07
:P902iS
:☆☆☆
#34 [果樹]
俺が悪態をつくと咲良はクスクス笑ってまた本に目を戻した。
何分くらいたった時だろう。
咲良が突然口を開いた。
「あなたは?」
「え?」
俺は桜を見ながらぼーっとしていたのでその言葉を聞き流してしまった。
:08/05/30 15:09
:P902iS
:☆☆☆
#35 [果樹]
ばっと上体を起こし咲良の方を見るとふわっと柔らかい笑顔で笑っていた。
「あなたの名前はなんていうの?」
「中村・・・千晃」
何故か俺の顔に身体中の熱が集まってくる気がした。
「ふふッもう何度も会ってるのに自己紹介するのが今日だなんてね」
咲良はそういいながらまたクスクスと笑っていた。
:08/05/30 15:10
:P902iS
:☆☆☆
#36 [果樹]
それから俺は昼休みになると必ず桜の木の下へ行った。
咲良は俺が行くより先に必ずいて、いつのまにか咲良に会うのは俺の日課になっていた。
――――――――・・・・・
「ちっあっきくーん♪」
猛がなんだか楽しそうに俺の元へスキップでやってきた。
:08/05/30 15:12
:P902iS
:☆☆☆
#37 [果樹]
「あ?ていうか猛きしょい!」
おれは眉間に皺を寄せ、猛を見るがそんな俺はお構い無しに猛はにまにま笑っている。
気味が悪い。
「そんなこと言っていーのかなー?俺ばっちりこの目で見ちゃったもんねー♪」
「何を?」
にまにま笑いを止めない猛に呆れた顔で聞き返す。
:08/05/30 15:13
:P902iS
:☆☆☆
#38 [果樹]
「桜の木の下での噂の美少女との密会♪」
「なっ・・・!」
猛のいきなりの言葉に俺はつい椅子から立ち上がって猛を見るが、猛は相変わらずだ。
「まぁまぁ落ち着けって」
とりあえず俺は椅子に座り直して頬杖をつくと猛と目を合わせないようにした。
:08/05/30 15:14
:P902iS
:☆☆☆
#39 [果樹]
「なるほどなー。美少女に会うために千晃は昼食うと必ず消えてたんだなー」
「うるせーな。別にいーだろ」
猛の言葉につい俺は、喧嘩腰っぽい口調になってしまった。
「やだなー千晃。俺は応援してんの♪千晃モテんのに今まで女作んなかっただろ?だから美少女が千晃の彼女になればいーなぁって♪」
:08/05/30 15:17
:P902iS
:☆☆☆
#40 [果樹]
あー確かに今まで複数なら女はいたけど一人の女と付き合うってのはなかったなー。
猛の言葉につい納得してしまう。
いや待てよ。
「つか咲良は別にそんなんじゃねぇし」
「咲良とか呼んじゃってるくせに何言ってんだか・・・。まっ頑張れよ♪」
猛は俺の肩をぽんぽんと叩いて席に戻って行った。
:08/05/30 15:18
:P902iS
:☆☆☆
#41 [果樹]
昼休み
弁当を食い終わってガタンと席をたった俺に、猛は顔を上げた。
「あれ?千晃どこに・・・ああ!愛しの咲良チャンのとこ?」
分かっているくせに聞いてくるところがわざとらしい・・・。
「うるせー」
「いってらっしゃーい♪」
:08/05/30 23:28
:P902iS
:☆☆☆
#42 [果樹]
ぶんぶんと手を振って見送る猛を無視して俺は桜の木へと向かった。
――――――――・・・・・
「あれ・・・?」
桜の下まで来た俺は、いつもと違うことに気付いた。
咲良がいない。
珍しいな咲良が俺より早く来てないなんて。
:08/05/30 23:29
:P902iS
:☆☆☆
#43 [果樹]
いつもは必ず俺より早く来ているのに、と少し不安になったが、とりあえずいつも通り桜の木の下に寝転び咲良を待つことにした。
もう葉桜になってきたか・・・。
俺の上では桜の花が散り始め、段々と葉が茂ってきていた。
俺は、目を瞑って瞼の裏に咲良を思い浮かべる。
黒髪の綺麗な髪。
ぱっちりとした二重の目。
:08/05/30 23:30
:P902iS
:☆☆☆
#44 [果樹]
少し茶色みがかった瞳と薄いピンク色の唇。。
全てが綺麗で俺を惹き付ける存在。
「千晃!」
名前を呼ばれて俺は現実に引き戻された。
校舎の方から走ってくるのは猛だ。
「なんだよ猛こんなところまで・・・」
「ばか!んなこと言ってる場合かよっ!!」
「は?」
:08/05/30 23:31
:P902iS
:☆☆☆
#45 [果樹]
猛は息を切らせて俺のところまでくるといきなり怒鳴りつけてきた。
意味が分からない俺はただただ目を丸くする。
「咲良ちゃんが教室で倒れて保健室に担ぎ込まれたらしいんだ!」
「――――っ!」
猛の言葉を聞いた俺はすぐさま立ち上がって猛には目もくれず保健室へ走った。
:08/05/30 23:32
:P902iS
:☆☆☆
#46 [果樹]
咲良っ!
咲良――――!!
――――――――・・・・
「宮ちゃん!!」
勢い良く保健室のドアを開け、俺は保険医である宮ちゃんの名前を呼ぶ。
「なんだ中村ー。またサボリ?」
宮ちゃんは回転式の椅子に座って笑っていう。
:08/05/30 23:33
:P902iS
:☆☆☆
#47 [果樹]
「違くて!咲良が・・・運び込まれたって・・・」
気持ちが焦って言葉がうまく出てこない。
宮ちゃんは「ああ」と目線を動かし部屋の奥にある窓際のベッドを指差した。
「そこのベッドに寝てるよ。あたしちょっと職員室いってくるからくれぐれも変なことしないよーに!」
カタンと椅子から立った宮ちゃんは、部屋から出ていく際に俺の方を向いて忠告してきた。
:08/05/30 23:33
:P902iS
:☆☆☆
#48 [果樹]
「しねーよ!」
俺はカァっと顔が赤くなる。
宮ちゃんはケラケラと笑って部屋を出ていった。
窓際のベッドに行くと咲良が気持ち良さそうに寝息を立てて眠っていた。
俺はなんだかほっとして、近くに立掛けてあったパイプ椅子に座って、咲良の寝顔を見る。
:08/05/30 23:34
:P902iS
:☆☆☆
#49 [果樹]
「咲良・・・」
名前を呼ぶと咲良は身じろいでから目を開けた。
「ん・・・千晃・・・くん?」
まだ少し朧気な咲良は、上体を起こそうとするので、俺は椅子から立ち上がり、咲良の背中に手を回してそれを手伝う。
「お前大丈夫なのか?」
「あ、ごめんね?心配かけちゃった?軽い脳震盪みたいなものだから心配ないよ」
:08/05/30 23:35
:P902iS
:☆☆☆
#50 [果樹]
優しく笑う咲良はどこか儚げで今にも消えてしまいそうだった。
「本当に?」
「心配しすぎ。大丈夫だから」
不安を拭い切れない俺が聞き返すと、咲良は笑って返事をした。
「今日桜の木の下、行けなかった」
窓の外を見ながら言う咲良に一瞬俺は目を奪われた。
:08/05/30 23:37
:P902iS
:☆☆☆
#51 [果樹]
「また明日があるだろ?」
「・・・そうだね!」
咲良は一瞬哀しそうな目をして、にこっと屈託のない笑顔を見せた。
でも咲良。
お前はこの時にはもう分かってたんだな。
自分の体のこと・・・。
:08/05/30 23:40
:P902iS
:☆☆☆
#52 [果樹]
次の日の昼休み
いつものように桜の木に向かおうとしていた途中俺は、女に話しかけられた。
名前までは知らないが、顔に見覚えがあった。
たぶん同じ1年だろう。
彼女は、顔を真っ赤にして体をもじもじとさせ、さっきから俺をチラチラと見ている。
あーこの感じ。
なんか身に覚えがある。
たぶんこれは・・・
:08/05/30 23:42
:P902iS
:☆☆☆
#53 [果樹]
「中村くん!」
「へ・・・?」
あ、俺か。
いきなり名前を呼ばれた俺は一瞬思考が止まる。
「中村くんのことずっと好きだったの・・・!良かったらあたしと付き合ってくれませんかっ?」
顔を真っ赤にさせた彼女はぎゅっと目を瞑り、少し震えていた。
:08/05/30 23:43
:P902iS
:☆☆☆
#54 [果樹]
やっぱり・・・。
これは属に言う愛の告白。
「あー・・・悪いけど、俺あんたに興味ないんだわ」
俺が頭をかきながら言うと彼女は目にいっぱい涙を溜めて、走って行ってしまった。
俺はその後ろ姿を見ながらはーぁと盛大に溜め息をつく。
「見ーちゃった♪」
:08/05/30 23:44
:P902iS
:☆☆☆
#55 [果樹]
「なっ・・・咲良!!」
ひょこんと木の後ろから顔をだした咲良に俺は、驚いて少し後退る。
「見てたのかよ・・・」
「見えるところにいたのは千晃くんの方でしょー?」
咲良はぷくっと頬を膨らませた。
:08/05/30 23:48
:P902iS
:☆☆☆
#56 [果樹]
まあ確かに此処は桜の木から目と鼻の先で、咲良がいつも通りあの場所にいたなら見られて当然だった。
なんかいろんなことに後悔だ・・・はぁ。
「それより」
俺が片手で頭を抑えながらうなだれていると、ズイッと視界の真ん中に咲良が現れた。
なんだか顔が怒っている感じだ。
:08/05/30 23:49
:P902iS
:☆☆☆
#57 [果樹]
「駄目じゃん千晃くん!!女の子は繊細なんだからあんな言い方したら傷付いちゃうよ!」
ああ、断る時の台詞まで聞いてたのか。
俺は、はぁーとまた溜め息をつき、咲良の額にデコピンをくらわせた。
「バーカ。どーせ諦めるならこっぴどく振られた方が諦めるもつくだろ!?」
:08/05/30 23:50
:P902iS
:☆☆☆
#58 [果樹]
咲良は面食らった顔をしたが、すぐにいつもの笑顔になった。
「ふふッ」
「なんだよ・・・」
「千晃くんは優しいなーと思っただけ♪」
「ばーか」
そんなことを笑顔で言う咲良に俺はなんだか恥ずかしくなった。
:08/05/30 23:51
:P902iS
:☆☆☆
#59 [果樹]
「ふふッ・・・っ!」
「咲良!?」
笑っていた咲良の顔が歪み、いきなり足元から崩れるようによろけたので、俺は急いでその身体を受け止めた。
「ごめ・・・ちょっとよろめいちゃった」
弱々しく笑顔を見せる咲良が俺はなんだか愛しくて堪らなくなった。
:08/05/30 23:58
:P902iS
:☆☆☆
#60 [果樹]
「ばか無理すんな。保健室行くぞ」
「え・・・?」
俺は咲良の背中と膝の裏に手を回し、抱え上げた。
属に言うお姫様抱っこだ。
腕の中では咲良が目を丸くしていた。
「掴まってろな?」
「へ・・・?あ・・・うん」
:08/05/30 23:59
:P902iS
:☆☆☆
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