・・万華鏡・・
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#301 [果樹]
顎に手を当てて考える私に総がフッと笑み浮かべる。
「此木財閥。俺はそこの長男」
「え?!」
そうだ!
全国に名を轟かせる此木財閥。
社長は随分と厳しい方だって聞いたことがある。
でも、総があの此木財閥の息子でしかも長男だなんて!
:08/06/16 02:50
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:☆☆☆
#302 [果樹]
「だって名前・・・。名前は?!時田って!」
そうだよ!
初対面の時、確かに“時田総一郎”って言ってた!
「時田は母親の旧姓。此木じゃいろいろと不便なんだよ」
総は軽く伸びをして、月を見上げる。
確かに・・・。
此木の姓を使っていたらいろいろと面倒かもしれない。
:08/06/16 02:54
:P902iS
:☆☆☆
#303 [果樹]
:08/06/16 02:55
:P902iS
:☆☆☆
#304 [果樹]
「それより・・・ごめんな」
「え?」
総は私の方を見ながら顔を歪める。
「あの時助けてやれなくて・・・」
「あ・・・」
総の言葉で萩野に連れ戻された時の事が頭をよぎる。
総は私から顔を背けてテラスの下の噴水を見る。
:08/06/19 01:15
:P902iS
:☆☆☆
#305 [果樹]
「俺はさ此木の家が嫌いで、高校入学と同時に家を出たんだ」
初めて聞く総の過去。
「だからつかさの気持はよくわかった。逃げ出したいって気持ちも・・・でも」
“でも”を総が強調する。
「つかさには家に戻った方が幸せだと思った。俺は家を出てから大分苦労したから・・・」
:08/06/19 01:16
:P902iS
:☆☆☆
#306 [果樹]
寂しそうな総の横顔に心が痛む。
「今はさ、親父も納得してくれて支援してくれてんだけど。つかさには俺みたいな思いしてほしくなかったから」
総の気持ち。
私を思う、私の事を考えてくれる総の気持ちに心が高鳴る。
「いいんです」
「良くないだろ。好きな女を泣かせるなんて男として最低だよ」
:08/06/19 01:16
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:☆☆☆
#307 [果樹]
え・・・?
振り向いて言った総の言葉に思考が停止する。
「あ・・・」
総は気まずそうな顔をして、口元を手で抑える。
顔が赤いのは私の気のせい・・・?
総は咳払いをしてから私の方に向き直って真面目な顔をする。
それにつられて私も背筋が伸びる。
:08/06/19 01:17
:P902iS
:☆☆☆
#308 [果樹]
「つかさが好きだ。苦労してもいいなら俺と来るか?」
伸ばされた手を私は迷うことなく取る。
「はいっ」
いつのまにか流れていた涙が頬を伝って流れ落ちる。
恋愛なんて経験したことない私だけど、この気持ちは恋だと思った。
:08/06/19 01:17
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:☆☆☆
#309 [果樹]
「つかさ。こんなところで何をしているんだ」
「お父・・・様」
低く響く声がして見ると、テラスの入り口にお父様の姿があった。
「ん?貴様は・・・っ」
お父様が私の横にいる総に気付く。
総を見ると総は口元に笑みを浮かべて堂々とした様子だ。
:08/06/19 01:18
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#310 [果樹]
:08/06/19 01:19
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