・・万華鏡・・
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#307 [果樹]
え・・・?

振り向いて言った総の言葉に思考が停止する。

「あ・・・」

総は気まずそうな顔をして、口元を手で抑える。

顔が赤いのは私の気のせい・・・?

総は咳払いをしてから私の方に向き直って真面目な顔をする。
それにつられて私も背筋が伸びる。

⏰:08/06/19 01:17 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#308 [果樹]
「つかさが好きだ。苦労してもいいなら俺と来るか?」

伸ばされた手を私は迷うことなく取る。

「はいっ」

いつのまにか流れていた涙が頬を伝って流れ落ちる。

恋愛なんて経験したことない私だけど、この気持ちは恋だと思った。

⏰:08/06/19 01:17 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#309 [果樹]
「つかさ。こんなところで何をしているんだ」

「お父・・・様」

低く響く声がして見ると、テラスの入り口にお父様の姿があった。

「ん?貴様は・・・っ」

お父様が私の横にいる総に気付く。
総を見ると総は口元に笑みを浮かべて堂々とした様子だ。

⏰:08/06/19 01:18 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#310 [果樹]
よろしければ感想ください!!
果樹の感想板.゚
bbs1.ryne.jp/r.php/novel/3647/

⏰:08/06/19 01:19 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#311 [果樹]
「お久しぶりです。本日はお招き頂きありがとうございます。此木家の嫡男として参りました」

「此木家?」

お父様の眉間に皺が寄る。

「僕の名前は此木総一郎。此木家の嫡男です」

「素性を隠しておったのか」

睨みをきかせるお父様に怯む様子もなく総は堂々としている。

⏰:08/06/24 05:43 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#312 [果樹]
「こっちの方が動きやすいものですから」

へらっと笑う総にお父様は更に厳しい顔をしてから私の方をちらりと見る。

お父様の目に見つめられると私は蛇に睨まれた蛙のように動けなくなってしまう。

「つかさこっちへ来なさい。将来お前の夫となる者の紹介をしよう」

お父様の言葉には逆らえない・・・。

⏰:08/06/24 05:43 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#313 [果樹]
私が一歩歩みだそうとするとそれを総が止める。

驚いて総を見ると総は笑っている。

「申し訳ありませんがそれは出来ません」

「貴様には関係のないことだ」

ピシャリと総の言葉を払い除けるように言うお父様。

「そうもいかないんです。つかささんは僕の物ですから」

「っ!!」

⏰:08/06/24 05:44 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#314 [果樹]
私の前にまるでかばうように立つ総に私は何故か涙が出そうになる。

「何をふざけたことを」

お父様がふっと笑う。

このままじゃいけない。
総の後ろにばかり隠れていたら何も進まない・・・!

私はおずおずと総の後ろから出て総の横に並ぶ。

今から言うことに冷汗なのか脂汗なのかわからない汗が額に滲む。
ぎゅっと握った拳は力が入りすぎてもう感覚がない

⏰:08/06/24 05:44 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#315 [果樹]
「お父様ごめんなさい。私は総と一緒に生きていきます」

強い意思表示の為かお父様への恐怖からか握った拳が震える。

真っ直ぐにお父様を見つめる私にお父様も真っ直ぐ私を見返すが迫力の違いに少し腰が引けるが、足に力を入れて崩れないように踏ん張る。


「クッ・・・ククッ」

「?!」

⏰:08/06/30 05:19 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#316 [果樹]
ふいに聞こえた笑い声に隣を見ると総が口許を抑えてはっきりとしない笑いを漏らしていた。

私が眉間に皺を寄せると総は笑ったまま私の頭をポンポンと叩き目線を動かしお父様を見据える。

「そういうわけでつかさは貰って行きます」

そういって身を翻して総はいきなりテラスから下に飛び下りた。

それはまるであの時・・・。
私を家から連れだした時のように。

⏰:08/06/30 05:19 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


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