・・万華鏡・・
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#362 [果樹]
:08/07/13 22:56
:P902iS
:☆☆☆
#363 [果樹]
「出ません」
「じゃあ恋愛すれば?」
いつものように言葉を返すといつもと違う言葉が返ってきた。
“恋愛”
それは今の私には重く痛い言葉だった。
「当分恋はしないって決めたんです」
そう、恋なんてしない。
:08/07/16 21:55
:P902iS
:☆☆☆
#364 [果樹]
恋なんて痛みしかない。
辛さしか知らない。
幸せになれないのなら恋なんてしたくない。
「あの男のために人生棒に振るのか?」
「柴浦先生」
私は体を起こして柴浦の方を見る。
「何かな?不良少女の笹原さん?」
柴浦は意地悪そうな顔を私に向ける。
:08/07/16 21:55
:P902iS
:☆☆☆
#365 [果樹]
「もう私につきまとわないでで下さい」
「いやだ」
きっぱりと言った私に柴浦は子供みたいな言葉を返す。
「なぁ笹原」
柴浦の言葉なんて聞きたくなくて私は柴浦に背中を向けて体育座りをして膝に顔を埋める。
:08/07/16 21:56
:P902iS
:☆☆☆
#366 [果樹]
「お前が一生恋愛をしなくてもきっと相手の男は恋愛をするぞ?それもたくさん」
煩いうるさいウルサイ!
そんなの言われなくてもわかってる。
他に女がいるって知ってた。
でも・・・それでもあいつのことが大好きで、好きって気持ちは止められなかった。
:08/07/16 21:56
:P902iS
:☆☆☆
#367 [果樹]
だから他の女の事も目を瞑ってきた。
でもやっぱり1番になりたかった。
あいつの中の1番になりたかった。
「先生には・・・関係ない。放っといて」
すくっと立ち上がって歯をくいしばりながら溢れそうになる涙を必死に堪えて私は中庭を離れようと歩き出す。
が、柴浦によってそれは阻まれた。
:08/07/16 21:57
:P902iS
:☆☆☆
#368 [果樹]
柴浦は私の手首をつかんで離さない。
「離して!」
「嫌だ」
「離してってばぁ!」
ぶんぶんと振ってもなかなか離してくれない柴浦に苛立ちが募り、思わず大きな声が出る。
「離さないし放っけねー。悪りぃけどそんな泣きそうな顔してる奴を放っておけるほど俺鬼蓄じゃねーんだわ」
:08/07/20 05:20
:P902iS
:☆☆☆
#369 [果樹]
「っ!!」
強く握られた手首から柴浦の熱を感じる。
「笹原」
柴浦の私を呼ぶ声が煩いくらい耳に響く。
「こっち向け笹原」
グイッと肩を掴まれ強制的に柴浦の方を向かされた。
「もう泣いてんじゃん」
:08/07/20 05:20
:P902iS
:☆☆☆
#370 [果樹]
「うるさい・・・」
ふっと笑う柴浦。
私は泣き顔を見られたのが恥ずかしくて柴浦から顔を背けた。
「そんなに歯ぁくいしばらなくても泣けばいいよ。思いきり泣けばいい」
そう言って柴浦は私の頭をぽんぽんと優しく叩いた。
それに応じるように私の涙は積を切ったように流れ出す。
:08/07/26 05:21
:P902iS
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#371 [果樹]
「うっ・・ひっく・・」
止まらない涙をまるで見ないようにでもするかのように、柴浦は私の頭を抱えるようにして抱き締めた。
「いっぱい泣け」
柴浦の優しい言葉に余計に涙がでそうになって私はそれを誤魔化すように悪態をつく。
「なに・・・それ。偉そうに」
:08/07/26 05:22
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