・・万華鏡・・
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#500 [果樹]
「あれ?」

「あ?あれ?君は・・・」

上から声が聞こえたと思い見れば、階段の踊場に少女が立っていた。

「大丈夫ですか?」

タンタンと軽やかに少女は階段を下りてくる。

「はい。落し物」

俺の側まで来た少女の手には、ゲーム機。

⏰:08/10/05 00:18 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#501 [果樹]
それもそのはず、俺はこのゲーム機に熱くなりすぎて階段から転げ落ちてしまったのだから。

「ごめんね。ありがと」

俺は苦笑いで少女からゲーム機を受け取る。

「ゲームしながら歩いていたら危ないですよ?」

受け取る瞬間にクスッと笑われて昼休みにあったことを思い出す。

⏰:08/10/05 00:19 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#502 [果樹]
「ははは・・・だね。気をつける」

乾いた笑いを浮かべる俺に、少女はなんだか面白そうに笑っている。

「昼休みのときにあった子だよね?」

俺の問いに少女は、コクリと首を縦に振る。

「小鶴めぐみ」

「え?」

⏰:08/10/05 00:20 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#503 [果樹]
「名前。小鶴めぐみ。お菓子ありがとう。美味しかったです」

にこりと笑いながらお礼を言われた俺は、心臓がドキドキした。

何だ・・・?この感覚は?

「あなたは?」

「え?あっ!俺は倉橋空。倉でいいよ」

一瞬キョトンとしたが、小鶴さんはすぐににこりと笑う。

⏰:08/10/05 00:20 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#504 [果樹]
「それじゃあ私はこれで・・・。ばいばい倉くん」

そういって小鶴さんは手を軽く振って廊下を歩いていってしまった。

俺はしばらく、小鶴さんが歩いていったほうをぼけーっと見ていた。

あ!思い出した。
小鶴さんて哲が騒いでいたあの小鶴さんだ。

哲にこのこと話したらまたうるっせーんだろうなぁ・・・。

⏰:08/10/05 00:21 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#505 [果樹]
はぁと軽いため息をついて俺は昇降口へと向かった。

――――――――――・・・・

「つーる子ー!!」

ドンッ!

「んぎゃ!」

ドサッ

私は突然背中に感じた重さに耐えられず、そのまま地面に倒れる。

⏰:08/10/05 12:27 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#506 [果樹]
「麻ぁぁーー衣ぃぃーー・・・」

「あ・・あはははははー・・・」

上体を起こし私は後ろにいる麻衣を睨みつける。
麻衣は乾いた笑いを浮かべ顔を引きつらせている。

「まったくもー」

私は立ち上がり、スカートについたほこりを手で振り払う。

⏰:08/10/05 12:28 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#507 [果樹]
そのついでに頬を少し膨らませながら麻衣を再度睨みつける。

「ごめんってばー」

麻衣は両手を顔の前に合わせ必死に謝ってくる。

「別にいいけどさー。何いきなり?」

「え?なんでもないよ?」

「は?」

⏰:08/10/05 12:28 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#508 [果樹]
麻衣の返答に思わず素っ頓狂な声を出してしまう。

「つる子の姿が見えたから飛びついただけー」

麻衣はまるで悪びれも無く笑顔で答える。

「ああ、そう・・・」

私は思わず肩の力が抜ける。

「つる子ー早く教室行こーよー」

「はいはい」

⏰:08/10/05 12:29 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#509 [果樹]
いつの間にか私の前の方に来ていた麻衣は、おいでおいでをするように私を呼ぶ。
私は仕方なく麻衣の後に続く。


「小鶴さんおはよー」

「え?あ、おはようございます」

突然呼ばれた名前に振り向けば、男の子がこちらに向かって手を振っていた。
反射的に私も挨拶をしてしまう。

⏰:08/10/05 12:29 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#510 [果樹]
「誰?あれ」

私の肩に顎を乗せながら麻衣が聞いてくる。

「知らない人」

「またぁ?つる子って本当よく知らない人に声かけられるよねー」

「ね。」

そうなのだ。
私は入学当初から知らない先輩や同級生によく声をかけられる。

⏰:08/10/10 13:51 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#511 [果樹]
最初はとても面倒くさいかったのだが次第にそれにも慣れてきた。

「倉ーはよー」

「はよー」

「おっ倉ー今日は早ぇじゃん」

「うるせー」

あ・・・。

⏰:08/10/10 13:52 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#512 [果樹]
賑やかな声が聞こえると思いそちらを向けば、昨日のオレンジ頭の倉橋空がたくさんの友達に囲まれていた。

「つる子倉橋くんと知り合いなの?」

「え?」

麻衣の言葉に驚いて私は麻衣を見る。

「倉橋くんって男子からも女子からもすんごい人気あんのよねー。まぁあの顔なら納得はいくけど」

⏰:08/10/10 13:52 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#513 [果樹]
うんうんと頷きながら言う麻衣の言葉を聞きながら私はまた倉橋くんに目を戻す。

「あ、小鶴さんおはよー」

「お・・・はよう」

突然の倉橋くんからの挨拶に私は一瞬硬直して言葉が上手く出てこなかった。

にひっと笑う倉橋くんになんだか心臓が高鳴る。

⏰:08/10/10 13:53 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#514 [果樹]
「え?え?」

麻衣は倉橋くんと私を交互に見て、戸惑いを隠せない様子だった。

そして何故か倉橋くんの周りにいる友達も口を開けて、呆然としていた。

そんな周りの状況を知らないのか倉橋くんは、笑顔で手を振っている。

人懐っこいんだなぁ。

⏰:08/10/10 13:54 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#515 [果樹]
そんな中、私は一人倉橋くんを見ながらぼんやりとそんなことを思った。

――――――――――・・・・

「くぅう〜らぁぁあ〜」

ドカッ

「でっ!」

ベシャッ

⏰:08/10/10 13:55 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#516 [果樹]
後ろからの恨めしそうな声と共に、いろんな音。
そして突然背中に感じた重さに、俺は頭から机に突っ込んだ。

「抜け駆けしやがってお前はぁ!いつのまに小鶴さんと仲良くなったんだよ!あんだけ興味なさそうにしてたくせにこのやろう!」

「ぐえっギブギブ〜・・・」

⏰:08/10/10 13:55 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#517 [果樹]
後ろから哲に首を絞められた俺は、蛙が踏み潰されたような声でうめきながら首に巻き付いている哲の腕を叩く。

「まいったか!」

そう言われてコクコクと何度も頷くと哲はやっと、首に巻き付いていた腕を解いてくれた。

俺は解放された瞬間に、足りなかった酸素をめいっぱい吸い込んだ。

「んで?実際どーなわけ?」

⏰:08/10/10 13:56 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#518 [果樹]
「何が?」

突然の哲の問掛けに俺の頭にはいくつものハテナが飛ぶ。

「だから小鶴さんとだよ!どうやって親しくなったんだ?怒らねぇから言ってみ?ん?」

そう言う哲のこめかみには青筋と怒りが浮かび上がっていた。

⏰:08/10/14 10:39 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#519 [果樹]
うそだ。

そう思いながらも話さないと更に怖いので俺はぽつりぽつりと話し始めた。

・・・・。

「・・・ってな感じで俺は全然小鶴さんだって気付かなかったの」

話し終えると哲は、はぁぁーと深い溜め息をついた。

「倉・・・お前ってやつはなんてばかなんだ」

⏰:08/10/14 10:40 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#520 [果樹]
「なっ・・・いきなりなんだよ!」

哲のばか発言はちょっと許せねぇ。

「俺がお前の立場だったら絶対小鶴さんの電話番号ゲットしてるぞ」

「はぁ?!」

なんだそんなことかよ。
あほくさ・・・。

俺はばかなことをいっている哲に軽く呆れる。

⏰:08/10/14 10:40 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#521 [果樹]
「なぁなぁ!今度小鶴さん紹介してくれよ!な?」

嬉しそうに言う哲に、俺は一言「無理!」ときっぱり言う。

「なんだよ倉のケチ〜」

哲がぶーぶーと口を尖らせて文句を言ってくる。

「俺だってそんなに親しいわけじゃねーの。だから無理」

それだけ言って俺は、机に突っ伏した。

⏰:08/10/14 10:41 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#522 [果樹]
横では哲がまだ何か言っていたが、俺はそれを遮断するように眠りについた。

――――・・

「どーゆうことなの?!隠し事はなしでしょ?!つる子ー!」

はぁうるさい・・・。

私は後ろからキャンキャン聞こえる声に心の中で深い溜め息をつく。

⏰:08/10/14 10:41 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#523 [果樹]
倉橋くんと別れてから麻衣はずっとこの調子で、
「何?どうゆうこと?!」
「教えて!」
と倉橋くんとのことを聞いてくる。

正直面倒臭いから嫌なのだ。

「つる子ってばー!」

「わかったわかった。後で話すから・・・」

嘘だけど。

⏰:08/10/16 10:24 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#524 [果樹]
「とか言ってつる子の後ではいつもないじゃない」

見抜かれてる・・・。

麻衣とは長い付き合いなので誤魔化しは通用しない。

私は観念して長い溜め息を吐く。

「倉橋くんとは・・・あのお菓子を貰った日に知り合ったの」

「えぇ?!あのお菓子くれたのって倉橋くんだったの?」

⏰:08/10/16 10:25 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#525 [果樹]
麻衣が身を乗り出すようにして聞いてくる。

私はこくりと小さく頷く。

「でもちゃんと話したのは昨日の放課後だよ」

「そうだったんだぁ・・・。なんか以外」

「何が?」

麻衣の発言に私の頭の上には無数のハテナマークが飛ぶ。

⏰:08/10/16 10:26 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#526 [果樹]
「つる子のタイプってあーゆーのなんだぁって思って。まぁ倉橋くんとつる子なら釣り合うからいーけどさぁ」

「・・・は?!」

麻衣の突拍子もない発言に私は、目玉が飛び出すくらい目を開いた。

「え?違うの?」

「違うも何もあたし倉橋くんのことよく知らないし。だいたい会った次の日に好きとかありえないでしょ」

⏰:08/10/16 10:26 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#527 [果樹]
私は呆れながらも麻衣を見ると麻衣はどこか納得していないようで
「そーかなー?」
なんて言っている。

・・・ありえないよ。

――――・・

「あーもう駄目だ。俺限界・・・」

ヘロヘロになった哲がドサッと地面に腰を下ろす。

「だらしねぇーなぁ。たかがマラソン程度で」

⏰:08/10/16 10:27 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#528 [果樹]
俺は哲の前に立ち、呆れながら哲を見下ろす。

「うるせー。サッカー馬鹿と比べんな!」

「馬鹿わ余計だ」

ドベシッと哲の頭を叩く。

今は、体育の授業中。
ちなみに学校の外周をマラソンしてきた直後だ。

サッカー部の俺と違い帰宅部の哲にはきつかったらしくとうとう哲は地面に寝転んでしまった。

⏰:08/10/16 10:28 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#529 [果樹]
「しょーがねぇーなぁ。飲み物買ってきてやるからちょっと待ってろ」

俺は自販機を探して校舎に向かった。


ピッ・・ガコン

校舎内の自販機からスポーツ飲料を取りだし、一口飲み込む。

「ぷはっ」

渇ききっていた喉が潤う。

⏰:08/10/16 10:29 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#530 [果樹]
「クスクス・・汗すごいよ?」

笑い声と共に聞こえた声を辿ると階段の方に小鶴さんが立っていた。

「マラソンしてきたから。小鶴さんこそ授業中じゃないの?」

俺は笑いながら答えて、首を傾げる。

「サボリ中」

⏰:08/10/16 10:29 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


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