・・万華鏡・・
最新 最初 🆕
#640 [果樹]
.
「私は倉橋くんが好きなの・・・ひっ・・・うー」


いつの間にか私は泣いていた。
堪えきれない涙が頬を伝って地面に染みをつくる。

「ご・・・ごめんっ」

「何・・で倉橋くんが謝るの?」

⏰:08/11/13 16:35 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#641 [果樹]
私は泣いているままの顔で倉橋くんを見る。

倉橋くんはどうしたらいいかわからずオロオロしている。
その姿に私は思わず笑みが溢れる。

「ふふ・・クスクスクス」

「えっ?あの・・・」

「ごめんなさい。告白の返事もらってもいいですか?」

⏰:08/11/13 16:37 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#642 [果樹]
私は涙を拭って精一杯の笑顔で笑う。

「そんなの決まってる」

そういって倉橋くんは私の手を引っ張る。

くんっと前のめりになった私はいつの間にか倉橋くんの腕の中にいて強く抱き締められていた。

⏰:08/11/13 16:38 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#643 [果樹]
耳元で囁かれた

「好きだ」

の言葉は今までのどんな告白より胸に響いた。

――――・・・

告白の成功率0パーセントの美少女

それは小鶴めぐみという一人の少女につけられた秘かなあだ名。

⏰:08/11/13 16:38 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#644 [果樹]
彼女は恋に全く興味がなかった。

しかし、その成功率0パーセントの美少女の成功率を上げた一人の男子がいた。

その男子には成功率0パーセントの美少女自ら告白したという逸話もある。

後にも先にも彼女が告白をしたのも受けたのもそれ一回きりであった。

【成功率0パーセント】

―End―

⏰:08/11/13 16:39 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#645 [果樹]
.

友達でいた時間が長すぎて、この気持ちが恋だって気付かなかったり、恋までなかなか発展しないことってあるよね。


story 6

【 友達以上恋人未定 】

⏰:08/11/13 22:48 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#646 [果樹]
「はぁ・・・」

思わず溜め息が漏れるのは私、緒方ユイカの性格が故だろう。

私は、昔から人よりちょっとタイミングが悪いらしく、今もまたそのタイミングのせいで・・・。


「ユイカー何してんの?」

⏰:08/11/13 22:49 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#647 [果樹]
ブンブン手を振りながらこっちに向かって走ってくるのは腐れ縁の湯沢京太。

「歩いてるの」

「そうじゃないデショ」

本当の事を言っただけなのに京太は頭を軽くチョップしてきた。

私は、はぁと溜め息をつき、立ち止まって、手に持っているダンボールをずいっと京太の前につき出す。

⏰:08/11/13 22:49 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#648 [果樹]
「柴くんのパシリ」と一言で告げ、また歩き出す。

「またぁ?ユイカいつもこういう役回ってくんな」

京太が隣を歩きながらからかい口調でケラケラと笑ってくる。

「好きでやってるんじゃない。先生たちが私に回してくるの」

⏰:08/11/13 22:50 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#649 [果樹]
全く人使いが荒いったらないんだあの人たちは!

すねたように頬を膨らませると京太に頭を撫でられた。

「でもそれを素直にやってあげるのはユイカのいいとこだな!」

そういって京太はにこっと笑いながら、私の手からダンボールを取り上げた。

⏰:08/11/13 22:50 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#650 [果樹]
まるで王子様やん!っていうツッコミをいれたくなるほどだ。

「・・・資料室」

「じゃあ資料室までランデブーと行きますか♪」

にひひっと笑って言う京太。
全く意味わかって言ってんのか疑ってしまう。

⏰:08/11/14 12:20 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#651 [果樹]
「ばか京太・・・」

私は顔が赤いのを気付かれないように京太の少し斜め後ろを歩いた。

――――・・・

「おっかえりー!!」

教室に入るなり、圭ちゃんが手を振りながら大声で迎えてくれた。

⏰:08/11/14 12:20 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#652 [果樹]
「ただいま」

私は席について次の授業の用意をする。

「何なに?きょんと2人でどこに行ってたのー?」

圭ちゃんはあたしの前の席に座り、なんだか嬉しそうだ。

「柴くんのパシリで資料室まで行ってただけだよ」

⏰:08/11/14 12:21 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#653 [果樹]
「ふーん」

本当の事を話したのに圭ちゃんは、ニマニマと怪しい笑顔を浮かべている。

「な・・・なに?」

「ユイカさ。告っちゃえば?」

ガタッガタンッ

盛大に椅子からずり落ちてしまった。

⏰:08/11/14 12:21 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#654 [果樹]
「圭ちゃん・・・何をいきなり」

椅子に座り直してからも、目の前で満面の笑みを浮かべる圭ちゃんに呆れてしまう。

「だってなんかじれったいんだもん!バシッと気持ち伝えて付き合えばいーのに」

真顔で言ってくる圭ちゃん。

⏰:08/11/14 23:48 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#655 [果樹]
「別にあたしはっ・・・そのー・・・ト、トイレ行ってくるっ!」

言葉がおぼつかない。
このままじゃあ墓穴を掘るのが落ちだ。
ここは・・・逃げるが勝ち!

あたしは教室を出てトイレへと向かった。

――――・・・

くくっユイカは面白いなー。

⏰:08/11/14 23:49 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#656 [果樹]
私はユイカが出ていったドアの方を見ながら笑うのを必死に堪えた。

私、柳田圭はユイカの友達で、きょん(京太)との仲を見守るキューピッド・・・なんだけど、なかなか進展しないのがあの二人。

まったくじれったいったらない!

やっぱりユイカって恋愛初心者なのかしら。

⏰:08/11/14 23:50 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#657 [果樹]
私が一人、思考を巡らせていると視界の隅に子犬が見えた。

「なぁ圭ー」

「なぁにきょん」

子犬はもちろんきょん。

私はきょんの方に視線を向けて話しを聞くことにした。

⏰:08/11/14 23:50 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#658 [果樹]
「ユイカってさー好きな奴いんのかな?」

きょんの問いに一瞬、ユイカの気持ちに気付いたかと思ったが、きょんは鈍感なのでありえないだろうと思い直した。

「なんで?」

「だってさー最近俺に対してよそよそしいんだよ。前以上にくっついてこなくなった気ぃするし」

⏰:08/11/14 23:52 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#659 [果樹]
「そりゃあアンタを意識してるからだよ!」
とつっこんでやりたいが、これはユイカが言うことだから私が言ってはいけない。

「さーねぇ?ユイカにもいろいろあるんじゃないの?あ、噂をすればユイカ発見」

「え?!どこっ?」

⏰:08/11/14 23:52 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#660 [果樹]
ユイカの事となるとすぐ食い付いてくる。
まさに犬。忠犬ハチだ。

「ほらあそこー。柴くんと話してるよ」

私が指差して教えるときょんは窓から身を乗り出してそこを見る。

きょんは楽しそうに話している柴くんとユイカを見てやきもちを妬いているのか、頬を膨らませて不機嫌を露にしている。

⏰:08/11/15 02:32 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#661 [果樹]
きょんて自分がユイカを好きな自覚ないのかな?

いつになったらこの二人は、お互いが好きあっていることに気が付くのか・・・。
と心配になってしまう圭なのであった。

――――・・・

「はー疲れた」

⏰:08/11/15 02:35 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#662 [果樹]
教室に戻った私は溜め息をついて席に座る。

「トイレにしては随分と長かったのね」

圭ちゃんは相変わらず楽しそうに聞いてくる。

「それがさー。トイレから出てきたところで柴くんに会っちゃってー・・・」

⏰:08/11/15 02:36 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#663 [果樹]
ユイカ回想―――

「はぁースッキリした!全く、圭ちゃんが変なこと言うから焦っちゃったじゃん。大体、京太が私のことどう思ってるのかもわからないし、告るにしたって心の準備つーもんが・・・云々」

と怪しくぶつぶつと呟いていたせいで目の前に迫っていたモノに私は全然気付かなかった。

⏰:08/11/15 02:37 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#664 [果樹]
「ぶふっ!」
「うおっ!」
バサーッ!!

二つの声と何かが大量に落ちる音が同時に聞こえた。


「あいたた・・・」

尻餅をついてその場に倒れてしまった私は、何が起こったのかさっぱり把握出来ない。

⏰:08/11/15 02:38 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#665 [果樹]
「悪いなー前見えなかった・・・ってなんだ緒方か」

「あ、柴くん。てか、なんだって何よー!」

目の前には同じように尻餅をついている柴くんがいた。

柴くんは私のクラスの担任で年が若くカッコイイので女子からの人気が高い。

⏰:08/11/15 02:38 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#666 [果樹]
「悪い悪い。ほら立てるか?」

笑いながら手を差しのべてくれたので、その手を借りることにした。

「ありがと」

立ってみて初めて、自分が何にぶつかったのかわかった。

足元には廊下を占領するかのように散乱した大量のノート。

⏰:08/11/15 02:39 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#667 [果樹]
これか・・・・。

「はー見事にぶちまけたな」


「よっこらせ」
と親父くさい掛け声でしゃがみ、柴くんが床に散らばったノートを拾い始めたので私も手伝う。

⏰:08/11/15 22:43 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#668 [果樹]
「はい。これで全部かな」

最後の一冊を柴くんに渡す。

「悪いねー緒方。助かったよ」

「あたしも悪かったし」
と言って、改めて柴くんを見ると柴くんの手には高く積み上げられたノート。

まるで漫画だ・・・。

⏰:08/11/15 22:44 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#669 [果樹]
「ねぇ柴くん。ノートに埋もれて顔見えてないよ・・・?」

「だなー」

だなーって・・・。
なんて脳天気な人なんだろう。

「貸して。半分持つ」

「ありがとな。でも大丈夫だぞ」

⏰:08/11/15 22:45 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#670 [果樹]
片手を差し出して、自ら手伝うと言っているのに、それを笑顔で断る柴くん。

「後は職員室まで持っていくだけだしなー」
とまたまたお気楽発言。


ここは3階で職員室は1階。

これからこのノートの山を持って階段を降りて、職員室まで誰にもぶつからずにたどり着けるなんてありえない。

⏰:08/11/15 22:45 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


★コメント★

←次 | 前→
↩ トピック
msgβ
💬
🔍 ↔ 📝
C-BoX E194.194