・・万華鏡・・
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#791 [果樹]
「えー2個下とかガキじゃん!あたしと付き合おうよぉ」
「んー・・まぁお前ならー・・」
先輩の言葉を聞いた瞬間、大きな音を立てて食材が手から落ちた。
今、何テ言ッタノ・・・?
私ハモウイラナイ?
:08/12/19 07:14
:P902iS
:☆☆☆
#792 [果樹]
必要ナクナッタ?
先輩ニトッテ私ハ、ナニ?
「幸香・・」
名前を呼ばれて、現実に戻ってきた私の目に写ったのは、先輩の姿と先輩の腕に手を絡ませている見知らぬ女。
音に驚いて、台所の様子を伺おうとドアを開けたのだろう。
:08/12/19 07:15
:P902iS
:☆☆☆
#793 [果樹]
先輩は気まずそうな目で私と見知らぬ女を交互に見る。
「ごっごめんなさい!すぐ帰ります」
そんな状況に耐えられなくなった私は、転がった食材をそのままに、鞄を持ち部屋を飛び出した。
「幸香!」
後ろからは、私を呼ぶ先輩の声が聞こえたが、私は聞こえない振りをして走った。
:08/12/19 07:16
:P902iS
:☆☆☆
#794 [果樹]
――――・・・
「幸香っ・・・待てって!」
パシッと手を掴まれて、体力の限界にきていた私の足はゆっくりと止まる。
どのくらい走ったのか、息は絶え絶えで、視界は涙で霞んでいた。
「俺の話・・聞いて?」
手を掴まれたまま、くるりと先輩の方を向かされた。
:08/12/19 07:17
:P902iS
:☆☆☆
#795 [果樹]
私は下を向いたまま、嫌々をするように横に首を振る。
そんな私に構わず、先輩は話し出す。
「あれは別に、幸香と別れたいっていってるんじゃなくて・・・」
何も聞きたくない。
先輩の声が届かない。
私は出来る限りの声を振り絞るように出す。
:08/12/19 07:18
:P902iS
:☆☆☆
#796 [果樹]
「先輩は本当に私のこと好きですか・・・?」
涙で霞んだ視界でも、先輩が一瞬戸惑った表情をしたのがわかった。
私は、視線を右手の薬指で光っているものに移す。
それは、付き合った当初、先輩に道端で買ってもらった指輪。
ダイヤが埋め込んであるわけでも、ブランド品なわけでもなかったけど、私には何より大切なものだった。
私はそれをそっと外す。
:08/12/19 07:18
:P902iS
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#797 [果樹]
「これ返します・・。さようなら・・」
押し付けるように、先輩の手に指輪を握らせて私は、また背を向けて走り出した。
終わったんだ・・・。
先輩とはもう終わったんだ。
私は、溢れ出る涙をゴシゴシと手の甲で拭きながら走った。
:08/12/19 07:19
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#798 [果樹]
――――・・・
先輩に別れを告げてから3日が経った。
私は、何もする気が起きず、朝から晩まで学校にも行かずにぼーっとしている。
携帯を開くと先輩から電話やメールが来るから電源はずっと切ってある。
先輩からのメールを見たらきっと返してしまうから。
:08/12/19 10:43
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#799 [果樹]
白いテーブルに片腕を伸ばして、頭をその片腕に乗せて、定まらない視線を部屋の中に巡らせる。
ふと箪笥の上に飾ってある写真立てに目が行く。
それは先輩と二人で写っている写真。
付き合う前、先輩の卒業式の日に、一緒に撮ってもらったものだった。
目から溢れた暖かいものが、頬を濡らす。
:08/12/19 10:44
:P902iS
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#800 [果樹]
私は声を出すわけでもなく、涙はゆっくりと頬を流れた。
コンコン
一人、部屋で思い出に浸っていると部屋のドアを叩く音が聞こえた。
私は流れた涙をゴシゴシと手の甲で拭き取る。
カチャッとドアノブが回り、ドアの隙間から結女が顔を覗かせた。
:08/12/19 10:45
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