・・万華鏡・・
最新 最初 全 
#870 [○○&◆.x/9qDRof2]
「チロル……もしかしてそな人に惚れたとか?」
「あーないない。それ以前に向こうが私をお断りだよ。」
いかにも気のない素振りだが、少しもう一度会えないかと思う自分に少し呆れた。アンタそんな身分の奴じゃないだろうっちゅーのに。
:22/10/18 17:58
:Android
:h3l12Mig
#871 [○○&◆.x/9qDRof2]
「さ、イーゼル用意しよ!」
ガラガライーゼルを用意しながら、私達はいつもの他愛ない話をした。
――――――――……
「じゃバイバーイ!」
「バイバーイ。」
あ゛ー今日も終わったぁー。家帰って早く漫画読みたーい。私は少女漫画が大好きだ。あの胸を切り裂かれるような痛み……そして感動的な告白。甘い2人の時間。全てが憧れ。私もあんな恋がしたいなぁと読んだ後は悶えに悶えてそして落ち込む。
:22/10/18 17:58
:Android
:h3l12Mig
#872 [○○&◆.x/9qDRof2]
あぁ……私には無理だっけと……。現実なんてつまらない。漫画みたいな奇跡、偶然、運命はそうそうそこらに転がっているものじゃない。ホームの向かいでイチャつくカップル。思わず履いてる靴を脱いで力一杯叩いてやりたい衝動にかられた。
:22/10/18 17:58
:Android
:h3l12Mig
#873 [○○&◆.x/9qDRof2]
あぁ……つくづく思う。人生は辛いと。電車に乗り、窓の外の暗くなった街並みを見ながらため息を吐いた。耳から流れてくる音楽はこんなにも素敵なのに……どうして私は素敵じゃないかねぇ。窓に映る自分。にらめっこは決着つくけとなく、私とのにらめっこは引き分けで終わった。
:22/10/18 17:58
:Android
:h3l12Mig
#874 [○○&◆.x/9qDRof2]
味わってみたいな……。冬に一緒に手を温めてくれるような相手。甘いキスをくれて、ギュッと抱き絞めてくれる相手。私にとって全て幻想。いいんだ。行きてるだけで幸せなんだと思うし……。そうだよ。私は幸せなんだよ。そう思って、私は良しとした。
――――――――……
:22/10/18 17:59
:Android
:h3l12Mig
#875 [○○&◆.x/9qDRof2]
あぁ……今日もホームに人が溢れかえってる……。何故……。
プシュー……
電車到着と共にドアが開き、人が入れ替わる。なんとかして車内に乗り込む。今日も昨日と変わらずギュウギュウだ。あぁ嫌だ……。すると、前にいた人が揺れのせいで私にもろにぶつかってきた。私は顔がその人の胸元に埋まった。
:22/10/18 17:59
:Android
:h3l12Mig
#876 [○○&◆.x/9qDRof2]
「んぐっ……!」
思わず少し声を漏らす。全く……満員電車はやっぱり好かない。まぁ好きな人はいないだろうけどさ。ってか昨日から微妙についてないな私……。
「オイッたら!」
ん?もしかして私に言ってる?聞いてる音楽の間間に人の声が混ざって聞こえた。多分頭上からだろうと顔を少し上に上げた。
:22/10/18 17:59
:Android
:h3l12Mig
#877 [○○&◆.x/9qDRof2]
「あっ。」
「やっと気付いた……。」
話かけた相手は昨日痴漢から私を助けてくれたあのお兄さんだった。……そうすると何かい?さっきまでこのお兄さんの胸に顔を埋めてたっていう……。顔が暑くなって、少しだけ汗ばんでしまった。
:22/10/18 17:59
:Android
:h3l12Mig
#878 [○○&◆.x/9qDRof2]
「あ、その節はどうも…。」
「別に。あーゆーの嫌いなだけだから。」
おぉ。正義の見方ですか。凄いなお兄さん。最近の若者にしては珍しい。私はそう思いながら会話は終了したと思い、またうつ向いて音楽に集中し始めた。するとまたもや揺れ。
:22/10/18 17:59
:Android
:h3l12Mig
#879 [○○&◆.x/9qDRof2]
人が垂れているイヤホンのコードを引っ張ってしまったせいで、それでなくても私の耳の穴にしては少し大きいイヤホンなのに簡単に外れてしまった。次の駅まで片耳状態は嫌いなので、なんとかして手を出そうとした。
「ねぇ、何聞いてんの?」
突然お兄さんが話出したので、出そうとしていた手がまた引っ込んでしまった。
:22/10/18 18:00
:Android
:h3l12Mig
#880 [○○&◆.x/9qDRof2]
「何……って……。色々ですけど……。」
「何を一番聞いてるの?」
「え、EXIL●とか……。Y●Iとか……。」
ってか何でんな事聞く?自分でも顔を少し歪めているのが分かった。何故こんな私にそこまで構うかな。
:22/10/18 18:00
:Android
:h3l12Mig
#881 [○○&◆.x/9qDRof2]
「何かいつも真剣に聞いてるからそんなに好きなのかなと思って。」
「はぁ、そうですか……。……ん?いつも?」
「ウン。俺いつもアンタ見かけてたから知ってるんだよね。アンタは全然ぽいけど。」
だって周りになんて然程(さほど)興味ないんだもん。逆に興味持ってキョロキョロしてる方が怪しいだろうし……。また会話が途切れた時、すぐに駅についた。
:22/10/18 18:00
:Android
:h3l12Mig
#882 [○○&◆.x/9qDRof2]
「じゃあな。」
「あ、ハイ。どうも。」
私はお兄さんを見ながらイヤホンをつけた。なるほど。昨日お兄さんがいなくなったのはこの駅で降りるからだ。着いた駅は昨日降りた駅と同じ。それにしても変わったお兄さんだ。私が近くにいても嫌な顔ひとつしないなんて。大抵は私の様なデブスは遠ざける筈なのに。……まぁ満員電車で動けって方が無理か。
:22/10/18 18:00
:Android
:h3l12Mig
#883 [○○&◆.x/9qDRof2]
お兄さん私なんかが近くでスイマセンでした……。私は心の中でそっとお兄さんに手を合わした。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
学校までは坂道だ。
涼しくなったとは言え坂道を登れば多少は汗をかいてしまう。この体が1つは原因だろうがね。タオル片手に私はひーこらひーこら上がり、やっと学校に着いた。教室に行って、即効でさらさらシートと脇シューをする。体が少し清潔になった気がする。
:22/10/18 18:01
:Android
:h3l12Mig
#884 [○○&◆.x/9qDRof2]
念のため帰りの電車乗る前にもしておこう。汗臭い奴が乗ってきたら迷惑だよね。ただでさえデブって邪魔なのに。
「おはよーチロル!」
「あぁ暁子ちゃん。」
暁子ちゃんは私の隣に座ると、何だか意味あり気に私を見つめてきた。私は暁子ちゃんを見つめ返しながら瞬きを何回かする事で「何?」と言う意味を示した。暁子ちゃんはにまぁと笑った。
:22/10/18 18:01
:Android
:h3l12Mig
#885 [○○&◆.x/9qDRof2]
「いやね、昨日の王子様とは会えたのかなってっ。」
私は思わず大笑いしてしまった。
「アハハハハハ!!お、お、王子さ…っまって!んな素敵な言葉ウチの人生にはないねっ。」
「えーっ!そんなことないよ。で、やっぱり昨日っきり?」
:22/10/18 18:01
:Android
:h3l12Mig
#886 [○○&◆.x/9qDRof2]
「今朝会ったけど?」
それを聞くと暁子ちゃんは目を輝かせた。可愛いらしいのう……と私は暁子ちゃんのキラキラした目の光を浴びながら思った。
「名前は?!」
「さぁ。」
「歳は?!」
「さぁ。」
「どこの人?!」
「さぁ。」
「えぇー!」
:22/10/18 18:01
:Android
:h3l12Mig
#887 [○○&◆.x/9qDRof2]
「えー。」
私の答えに暁子ちゃんは心底がっかりした。だって何故に名前やら歳やらを聞かねばならないのだろうか。別に私がその人にズキュン!ときた訳じゃないのに。いやズキュン!ときたとしても、私はそんなに積極的タイプではないし。
:22/10/18 18:02
:Android
:h3l12Mig
#888 [○○&◆.x/9qDRof2]
「暁子ちゃん。知ってるでしょ?私が男の人恐いって。」
「でも彼氏は欲しいでしょ?なんならその人好きになったらいいじゃない!」
どちらかと言えば相手に選ぶ権利があると思うんだが……。第一私なんかに好きになられたら相手は困るだろうに。私は遠い目をしながらそう思った。
:22/10/18 18:02
:Android
:h3l12Mig
#889 [○○&◆.x/9qDRof2]
「あ、そういえば、どっかの大学から生徒が美術学科の作品見に来るらしいよ。」
え、何その迷惑な話。
「何の為に……。」
「知らない。でも来るって。今日。」
「今日―――――っ?!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
授業の油絵で私は頭を悶々とさせながらキャンバスに向かっていた。飾られているのならまだしも、今からここに来てじろじろ見られるだなんて辛抱ならなかった。
:22/10/18 18:02
:Android
:h3l12Mig
#890 [○○&◆.x/9qDRof2]
あぁ……どこかへ消えてしまいたい……。唯一それを止めてくれるのが聞いてる音楽だった。何かに集中したい時はこうするのが一番なのだ。
「こんにちわー。」
!!!!
来た……。
先生達の挨拶を微かに聞きながら私はキャンバスに集中しようとしていた。しかしチロリと視線を来た人達に向けると私は絶句した。なんと女の子だけじゃなく男の子もいたのだ。あぁー最悪……。一切私はそちらに気にならない様に音楽の音量をさっきより上げた。これでいいだろう。筆をまた動かせた。
:22/10/18 18:02
:Android
:h3l12Mig
#891 [○○&◆.x/9qDRof2]
:22/10/18 18:02
:Android
:h3l12Mig
#892 [○○&◆.x/9qDRof2]
「おはようチロル!」
わたしは五十嵐千広(いがらしちひろ)。あだ名は何故か中学の頃からチロルなのだ。そんな可愛いあだ名の顔じゃないんだけどねぇ。
「おはよう、暁子(きょうこ)ちゃん。」
:22/10/18 18:10
:Android
:h3l12Mig
#893 [○○&◆.x/9qDRof2]
暁子ちゃんは私と同じ美術学科で、とてもいい子だ。こんな私と仲良くしてくれてすごく嬉しい。
「聞いてよ暁子ちゃん。あたくし今朝痴漢に会っちまいましたよ。」
「え?!大丈夫?!」
「なんか素敵なお兄さんが助けてくれたよ〜。いやぁ好青年でねー。」
:22/10/18 18:10
:Android
:h3l12Mig
#894 [○○&◆.x/9qDRof2]
私はまるで年とったおばはんみたいな喋り方をした。私が可愛いかったり積極的だったらお兄さんの名前とか聞いて恋に発展するんだろうなぁとしみじみ思う。はぁ……私はあと何年こんな思いをしなくてはならないのだろうかねぇ……。
:22/10/18 18:10
:Android
:h3l12Mig
#895 [○○&◆.x/9qDRof2]
「チロル……もしかしてそな人に惚れたとか?」
「あーないない。それ以前に向こうが私をお断りだよ。」
いかにも気のない素振りだが、少しもう一度会えないかと思う自分に少し呆れた。アンタそんな身分の奴じゃないだろうっちゅーのに。
:22/10/18 18:10
:Android
:h3l12Mig
#896 [○○&◆.x/9qDRof2]
「さ、イーゼル用意しよ!」
ガラガライーゼルを用意しながら、私達はいつもの他愛ない話をした。
――――――――……
「じゃバイバーイ!」
「バイバーイ。」
あ゛ー今日も終わったぁー。家帰って早く漫画読みたーい。私は少女漫画が大好きだ。あの胸を切り裂かれるような痛み……そして感動的な告白。甘い2人の時間。全てが憧れ。私もあんな恋がしたいなぁと読んだ後は悶えに悶えてそして落ち込む。あぁ……私には無理だっけと……。
:22/10/18 18:11
:Android
:h3l12Mig
#897 [○○&◆.x/9qDRof2]
現実なんてつまらない。漫画みたいな奇跡、偶然、運命はそうそうそこらに転がっているものじゃない。ホームの向かいでイチャつくカップル。思わず履いてる靴を脱いで力一杯叩いてやりたい衝動にかられた。あぁ……つくづく思う。人生は辛いと。電車に乗り、窓の外の暗くなった街並みを見ながらため息を吐いた。
:22/10/18 18:11
:Android
:h3l12Mig
#898 [○○&◆.x/9qDRof2]
耳から流れてくる音楽はこんなにも素敵なのに……どうして私は素敵じゃないかねぇ。窓に映る自分。にらめっこは決着つくけとなく、私とのにらめっこは引き分けで終わった。味わってみたいな……。冬に一緒に手を温めてくれるような相手。甘いキスをくれて、ギュッと抱き絞めてくれる相手。私にとって全て幻想。
:22/10/18 18:11
:Android
:h3l12Mig
#899 [○○&◆.x/9qDRof2]
いいんだ。行きてるだけで幸せなんだと思うし……。そうだよ。私は幸せなんだよ。そう思って、私は良しとした。
――――――――……
あぁ……今日もホームに人が溢れかえってる……。何故……。
プシュー……
電車到着と共にドアが開き、人が入れ替わる。なんとかして車内に乗り込む。今日も昨日と変わらずギュウギュウだ。あぁ嫌だ……。
:22/10/18 18:11
:Android
:h3l12Mig
#900 [○○&◆.x/9qDRof2]
すると、前にいた人が揺れのせいで私にもろにぶつかってきた。私は顔がその人の胸元に埋まった。
「んぐっ……!」
思わず少し声を漏らす。全く……満員電車はやっぱり好かない。まぁ好きな人はいないだろうけどさ。ってか昨日から微妙についてないな私……。
:22/10/18 18:11
:Android
:h3l12Mig
★コメント★
←次 | 前→
トピック
C-BoX E194.194