ギンリョウソウ
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#214 [向日葵]
要は聖史の逆鱗にでも触れてしまったのだろうか?
それで……聖史に……?
そういえば、聖史も怪我していた。
「要さま……聖史さまと何かありましたか……?怪我をなさっているだなんて……」
要は何も言わず、ただ椿を無表情でじっと見ていた。
それがなんだか怖くて、椿は徐々に後退りしていた。
とりあえず、今は事情を訊くより、要の手当てだと思った椿は、黙ったまま部屋を出ようとする。
が、椿の腕を、要が掴んだ。
しかも、怪我している方で。
「……要さま……?」
「そんなに、アイツがいい……?」
:08/08/12 01:19
:SO906i
:☆☆☆
#215 [向日葵]
「え……?」
何の事だろうと思った椿は、急に強く押された。
倒れたのは、幸いベッドの上だった。
起き上がろうとした椿の上に、要が覆い被さる。
ただならぬ空気に、椿は固まった。
「僕よりアイツがいいの?本当はアイツが婚約者の方が良かったって?」
「か、要さま……っ!?」
「僕が奴から勝つのを許せないのかよっ!」
ドンッと、椿の顔の横に拳を降り下ろす。
椿は怖くて、ただ体を固まらせていた。
:08/08/12 01:23
:SO906i
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#216 [向日葵]
すると要は苦しそうな、悲しそうな顔をした。
「…………なのに……」
「要……さま……」
「君が……好きなのに……っ」
椿は目を見開く。
今……なんて……?
「それでも、それでもダメなのか……っ!」
苦しそうに目を瞑る要をどうすればいいか分からない椿は、ソッと彼に触れようとした。
すると目を開いた彼の目つきが鋭く変わり、椿の両手を顔の横で押しとらえた。
:08/08/12 01:27
:SO906i
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#217 [向日葵]
身動きがとれなくなった椿の頭は更にパニックを起こす。
どうしようと、敵う筈もないが、固定された手を動かそうとする。
すると、要の唇が、白い椿の首筋を辿る。
ビクリと体を震わす椿。
「か、要……さま……っ?や、やめて下さ……っ。要さま……っ!」
片手を解放されたかと思えば、ブラウスの裾から手を入れられる。
意外と冷たい要の手に、椿の体はまたビクリと跳ねる。
「や……いやぁ……っ!!おねが……要さまっ!やめて、下さいっ……!!」
:08/08/12 01:32
:SO906i
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#218 [向日葵]
何をされるか分からない椿は、涙を流して要に許しを請う。
すると、要の手は速度を緩め、ピタリと止まった。
服から手を抜くと、両腕を椿の背中に回し、抱き寄せる。
「どうして、君の事を、アイツから聞かなくちゃならない……」
やっぱり苦しそうに呟く要の顔は見えない。
私の事……?
「聞くなら……」
ようやく体を少し離してくれる。けれど、まだ腕の中にいる。
要の指先が、椿の唇をなぞる。
「君の口から聞きたかった……」
:08/08/12 01:38
:SO906i
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#219 [向日葵]
先程までの奇妙な空気を、要はもうまとってはいなかった。
変わって彼から感じとれるのは、椿をいとおしむような空気。
好きと言ったのは……本当……?
そう思っている内に、ぎこちなく、控えめに、要の唇が椿の唇に触れた。
何が起きたか一瞬分からなかった椿だが、状況を把握すると、恥ずかしさに目を開けていられなくなって、ギュッと目を瞑った。
要の唇が離れる。
そしてまた足りないとでも言うように口づける。
今度はさっきよりも、少し強引に感じる。
なかなか離れないので、僅かに動かせる手で、震えながら要の袖を握る。
:08/08/12 01:43
:SO906i
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#220 [向日葵]
それに気づいた要は、唇を離す。
上手く息が出来ない椿は、息を切らせながら、涙を流した。
その涙に我に返ったようにハッとした要は、優しく椿を包む。
「ゴメン……ゴメン椿……」
謝られれば、切なくなった椿は更に涙を静かに流した。
「何……してるの?」
体を起こして、ドアの方を見れば、美嘉が目を見開いて戸口に立っていた。
「アンタ……椿に何してるの……?何してるのよぉっ!!」
美嘉は駆け寄って要を力一杯突き飛ばした。
:08/08/12 01:48
:SO906i
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#221 [向日葵]
:08/08/12 01:56
:SO906i
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#222 [向日葵]
:08/08/12 01:58
:SO906i
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#223 [向日葵]
要がベッドから落ち、転んでいる隙に、美嘉は椿に駆け寄り抱き締める。
「虐めるのに飽きたら今度は体の要求!?アンタ最低だよっ!」
要はしりもちついたまま口を閉ざしている。
うつむいてるのと、ベッドと床の高さがあるのとで、その表情は分からない。
「み、美嘉ちゃ……違うんです……っ。要さまは何も……」
「椿、庇う必要なんてないのっ!さっき聞いたけど、聖史兄ちゃんも婚約者に立候補してるんでしょ!?なら、コイツなんか、候補から外せばいいんだっ!」
口が止まらない美嘉はよほど頭にきているらしい。
椿の言葉を遮り、要を責める。
:08/08/15 00:59
:SO906i
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