ギンリョウソウ
最新 最初 🆕
#216 [向日葵]
すると要は苦しそうな、悲しそうな顔をした。

「…………なのに……」

「要……さま……」

「君が……好きなのに……っ」

椿は目を見開く。

今……なんて……?

「それでも、それでもダメなのか……っ!」

苦しそうに目を瞑る要をどうすればいいか分からない椿は、ソッと彼に触れようとした。

すると目を開いた彼の目つきが鋭く変わり、椿の両手を顔の横で押しとらえた。

⏰:08/08/12 01:27 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#217 [向日葵]
身動きがとれなくなった椿の頭は更にパニックを起こす。
どうしようと、敵う筈もないが、固定された手を動かそうとする。

すると、要の唇が、白い椿の首筋を辿る。

ビクリと体を震わす椿。

「か、要……さま……っ?や、やめて下さ……っ。要さま……っ!」

片手を解放されたかと思えば、ブラウスの裾から手を入れられる。
意外と冷たい要の手に、椿の体はまたビクリと跳ねる。

「や……いやぁ……っ!!おねが……要さまっ!やめて、下さいっ……!!」

⏰:08/08/12 01:32 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#218 [向日葵]
何をされるか分からない椿は、涙を流して要に許しを請う。
すると、要の手は速度を緩め、ピタリと止まった。

服から手を抜くと、両腕を椿の背中に回し、抱き寄せる。

「どうして、君の事を、アイツから聞かなくちゃならない……」

やっぱり苦しそうに呟く要の顔は見えない。

私の事……?

「聞くなら……」

ようやく体を少し離してくれる。けれど、まだ腕の中にいる。
要の指先が、椿の唇をなぞる。

「君の口から聞きたかった……」

⏰:08/08/12 01:38 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#219 [向日葵]
先程までの奇妙な空気を、要はもうまとってはいなかった。
変わって彼から感じとれるのは、椿をいとおしむような空気。

好きと言ったのは……本当……?

そう思っている内に、ぎこちなく、控えめに、要の唇が椿の唇に触れた。

何が起きたか一瞬分からなかった椿だが、状況を把握すると、恥ずかしさに目を開けていられなくなって、ギュッと目を瞑った。

要の唇が離れる。
そしてまた足りないとでも言うように口づける。
今度はさっきよりも、少し強引に感じる。

なかなか離れないので、僅かに動かせる手で、震えながら要の袖を握る。

⏰:08/08/12 01:43 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#220 [向日葵]
それに気づいた要は、唇を離す。

上手く息が出来ない椿は、息を切らせながら、涙を流した。

その涙に我に返ったようにハッとした要は、優しく椿を包む。

「ゴメン……ゴメン椿……」

謝られれば、切なくなった椿は更に涙を静かに流した。

「何……してるの?」

体を起こして、ドアの方を見れば、美嘉が目を見開いて戸口に立っていた。

「アンタ……椿に何してるの……?何してるのよぉっ!!」

美嘉は駆け寄って要を力一杯突き飛ばした。

⏰:08/08/12 01:48 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#221 [向日葵]
>>212

誤]ひやりて
正]ひやりと

⏰:08/08/12 01:56 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#222 [向日葵]
>>213

誤]なんとかく
正]なんとなく

⏰:08/08/12 01:58 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#223 [向日葵]
要がベッドから落ち、転んでいる隙に、美嘉は椿に駆け寄り抱き締める。

「虐めるのに飽きたら今度は体の要求!?アンタ最低だよっ!」

要はしりもちついたまま口を閉ざしている。
うつむいてるのと、ベッドと床の高さがあるのとで、その表情は分からない。

「み、美嘉ちゃ……違うんです……っ。要さまは何も……」

「椿、庇う必要なんてないのっ!さっき聞いたけど、聖史兄ちゃんも婚約者に立候補してるんでしょ!?なら、コイツなんか、候補から外せばいいんだっ!」

口が止まらない美嘉はよほど頭にきているらしい。
椿の言葉を遮り、要を責める。

⏰:08/08/15 00:59 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#224 [向日葵]
「確かに……」

要はゆらりと立ち上がる。

その時、椿は見た。

あの怪我した手から、また血が滴り落ちているのを。

要に近づこうとしたが、抱きかかえている美嘉の腕がそれを止めた。

「その方が、椿は幸せかもね……」

前髪の隙間から、寂しげな要の目が見える。
今にも、泣き出してしまいそうなくらい、悲しそうに椿を見つめ、自嘲する。

「要さま……っ」

「今日は、帰るよ……椿」

⏰:08/08/15 01:03 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#225 [向日葵]
よろよろと、要は椿の部屋を出て行った。
ドアの閉まる音が、広い部屋に響き渡る。
そしてその音が、更に椿を切なくさせ、涙がまた流れ始めた。

「椿、大丈夫……?恐かったね……」

優しく抱き締め、頭を撫でる美嘉。

恐かった訳じゃない。
いや、確かに恐かったが、「止めて」と言えば、要は簡単に止めてくれた。

椿の事を、上辺だけで、何かの作戦で「好き」と言ったならば、強引にでも求められていただろう。

それなのに……。

「ゴメン……」

⏰:08/08/15 01:08 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


★コメント★

←次 | 前→
↩ トピック
msgβ
💬
🔍 ↔ 📝
C-BoX E194.194