ギンリョウソウ
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#426 [向日葵]
目が合えば、やっぱり照れくさくて2人して笑ってしまう。

そこで初めて、要は椿が自分に対して心からの笑顔を向けてくれたと嬉しくなった。

そして必ず幸せにしてみせると、心に誓う。

⏰:08/09/07 03:01 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#427 [向日葵]
[第10話]

新幹線に乗った椿、美嘉、要の3人は少し前に起こった出来事を何回も思い出しながらぼんやりとしていた。

「すごかったなぁ……アレ」

美嘉が呟く。
それに椿がこくこくと頷く。

「あんな事、ドラマしかやらないと思ってた」

椿はまたこくこくと頷く。

―――――――――…………

それは4日程前から話は遡る。

[別荘へ行かないか?]

いつものように椿宅へ来た要は、抜糸してだいぶ治った手で椿と手を繋ぎ、庭を散歩していた。

⏰:08/09/07 03:06 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#428 [向日葵]
椿の腕は、抜糸までもう暫くはかかるが、だいぶ良くなっている。

[別荘ですか?]

[と言っても君の別荘だけどね。僕のはほとんど外国にあるし、前に社長にいつでも使ってくれと言われてたのを思い出したんだ]

椿も両手で足りる程しか行った事はない。
行ってみたいと単純に思うが……。

2人きりだろうか……。

[美嘉でも誘ったらどうかな?この前の1件では、色々と世話になったし]

この前の1件とは、聖史の事だ。
風のたよりに聞けば、彼はドイツの方へ行ったらしい。

⏰:08/09/07 03:14 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#429 [向日葵]
もう会う事はないのだろうか……。
それでも今は、距離を置きたいから、ホッとしているのは確かだ。

[で、行く?]

[ハイ、美嘉ちゃんも一緒なら行きます]

[“なら”って何?……椿、僕が君を襲うとでも思ってるの?]

[えぇっ……!?]

要と2人きりは気まずい。
だがそれは恋人同士の空気に慣れてない椿がただ困るだけで、こんな態度では要が気分を害してしまうのではないかと心配していたからだ。

しかし美嘉が来てくれるのならばその空気は幾分か無くなり、自分もいつもみたいに振る舞えるだろうと考えていただけだ。

⏰:08/09/07 03:18 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#430 [向日葵]
[私はそんないやらしい考えは……っ]

[いやらしいって、まるで僕がそうみたいじゃないかっ!]

些細なケンカは嫌いだ。
だから椿は余計に混乱する。

[そんな事思った事はないです……っ!要さまは素敵な紳士だと思い……]

ここまで言って、自分が恥ずかしい事を言っている事に気づいた椿は顔を背けて顔を赤らめる。

それには要もなんとなく黙ってしまい、恥ずかしい居心地の悪さを2人して感じる羽目になった。

[……とにかく……]

しばらくして、要が咳払いを軽くすると口を開いた。

⏰:08/09/07 03:24 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#431 [向日葵]
[行くならば、しっかり用意をしておいてくれ]

そうして美嘉に言えば、2つ返事で行くと言った。
美嘉は越も連れて行こうと言う。

それには椿も賛成だった。

近頃の彼女は、前よりもぼんやりし何より悲しそうだった。
どうやら原因は彼女の大切な人である柴にあるらしかった。

心配した椿と美嘉は、誘ってみると、越も行くと行った。

ここから今日の話になる。

駅についてコンビニでお菓子でも買おうと言っていると、例の彼が越を迎えに来てあっという間に連れ去ってしまったのだ。

⏰:08/09/07 03:30 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#432 [向日葵]
3人は驚きのあまりそこでしばらく立ち尽くす。
やがて動けるようになっても夢ごごちのようにフワフワしていた。

――――――――…………

「しかし彼女に彼氏がいたんだね」

買った水を飲みながら要が言う。
椿は首を傾げる。

「まだ恋人って訳ではないらしいのです。大切な人とは思ってるらしいですが……」

「まるでアンタ達みたいね」

ポテトチップスの袋をパーティー開けしながら美嘉が言う。

⏰:08/09/07 03:36 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#433 [向日葵]
「失礼な。僕たちは恋人だし、恋人同士以上に婚約者だ」

要は椿の肩を引き寄せ、前に贈ったお互いの指にはまった指輪を見せる。

「椿、迷惑なら今のうちに断りな」

「まだ言うか君は」

でも椿は美嘉のその言葉が、前と違って本気ではなく、茶化しているだけだと思えば嬉しくて密かに笑う。

窓の外を見れば、過ぎ行く景色が心を躍らせた。
いい天気だし別荘の周りは自然に溢れている。

きっといい思い出になるだろう。

⏰:08/09/07 03:41 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#434 [向日葵]
―――――――――…………

ついた別荘は2階建ての大きな建物だった。

中は木目調で、自然の暖かさがある造りになっている。

「ねえねえ椿、湖に行こうよ!キラキラ綺麗だよ!」

少し離れた所にあるのだ。

「行っておいで。僕は少し寝るよ」

と要は2階へ続く階段へ行く。
どうやら休みを貰う為、切り詰めて仕事をし疲れているらしかった。

「何かありましたら、電話してくださいね」

手を振りながら要は2階へと姿を消して行った。

⏰:08/09/07 03:47 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#435 [向日葵]
椿は美嘉と共に湖の近くまで歩いて行く。
周りに紅葉ももうすぐ終わる木が沢山あり、枯れ葉の茶色ささえ、なんだか愛おしく思える。

「椿、昔よくやったよね、これ」

一輪の花を、美嘉がブチリと雑に引っこ抜く。

「花占いですね」

「ちょっとやってみない?」

「でも何について占うんです?」

「私がやりたいのはまた違う花占いなの」

そう言って美嘉は花びらを1枚1枚今度は丁寧に取る。

⏰:08/09/14 01:57 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


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