ギンリョウソウ
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#45 [向日葵]
「好きになってもらわないと、なんだか好きになれそうにないんだよね、君。だから君から好きになって欲しいんだよ」
にっこり笑って、酷い事を言う。
まるで椿に何を言っても平気だと馬鹿にしてるようにも見えた。
しかし椿は、何も動じていないかのように微笑んだままだった、が、その微笑みは要への抵抗のようでもあったのだ。
椿はまだ、要の要求に首を縦に振っていないからだ。
それには彼も気づいている。
:08/06/10 23:42
:SO903i
:☆☆☆
#46 [向日葵]
椿にだって、気持ちはあるのだ。
あまりに理不尽な事には、簡単にイエスと言いたくはない。
「ま……、好きになってもらえるよう毎日君の顔を見に来るよ。そしたら段々好きかもって思うかもね」
「そうですね……」
椿の返事は、要にとって「やれるものならやってみろ」と聞こえた気がした。
だから余計意地になる。
絶対好きにさせてみせると。
そう決意を固めて、椿の部屋をあとにした。
:08/06/10 23:45
:SO903i
:☆☆☆
#47 [向日葵]
1人残された椿は要がいなくなると同時に笑顔を消していた。
何も思ってないフリをするのは、この顔が一番。
だが今は1人だ。
あんな言葉を言われて傷ついてない訳がない。
[好きになれそうにないから]
自分がどれだけ魅力がないのか、つきつけられた気がした。
ましてや、将来共に過ごすであろう婚約者に……。
大きな窓から、空高くのぼっている月を見つめた。
何を言われても、要の前で動じてはいけない。
全ては父の為。
そう思い望んで、承諾した事だ。
:08/06/10 23:50
:SO903i
:☆☆☆
#48 [向日葵]
だから……文句を言ってはいけない。
言える立場じゃない。
携帯の着信音が鳴りだした。
美嘉からだった。
通話ボタンを押す。
<もしもし椿?あれから大丈夫だった?美嘉頭に血が上ってて冷静になってなかっ……。……椿?>
椿は静かに涙を流していた。
こんな自分でも、心配してけれる誰かはいる。
大丈夫。不安になる事なんてない。
そう思うのに、突き刺ささった言葉のトゲは、思ったよりも痛かったのだった。
:08/06/10 23:56
:SO903i
:☆☆☆
#49 [向日葵]
:08/06/10 23:58
:SO903i
:☆☆☆
#50 [向日葵]
[第2話]
今日は体育大会だった。
しかし椿は体の事もあり、1日見学。
友達である美嘉や越の華麗な活躍に感嘆し、一方で上昇する気温にぐったりとしたダルさを感じている。
「椿水分ちゃんと取りなよ」
リレーで一仕事終えた美嘉と越が心配そうに椿を覗き込む。
椿はなんとか微笑み、大丈夫だと意思表示する。
:08/06/11 00:01
:SO903i
:☆☆☆
#51 [向日葵]
>>44×椿がの事
○椿の事
間違いだらけですいません

:08/06/11 08:13
:SO903i
:☆☆☆
#52 [向日葵]
「次は応援合戦だから着替えなきゃね」
「その前に自販機行かない?美嘉喉かわいたー!」
「うん。椿は?」
越の問いに椿は待っていると答える。
2人が自販機がある場所へと向かって行くのを見てから、他学年の競技に目を向けた。
皆暑そうに、それでも楽しそうにはしゃいでいる。
自分の体さえ丈夫なら、お祭好きの美嘉と共に勝った事に喜んだり、負けた事に悔やんだり出来るのに……。
そよ風が、彼女の背中の真ん中辺りまである漆黒の髪を切なげに揺らす。
:08/06/15 01:15
:SO903i
:☆☆☆
#53 [向日葵]
そんな椿が儚げな少女に見え、周りの男子がため息をつきたくなるように感じながら見つめているだなんて事は、彼女は知らない。
「野々垣さん」
2人の男子が、話しかけてくる。
「体弱いのに日の下にいて大丈夫?」
「ハイ。日傘もさしてますし、平気です……」
「なんなら一緒に日陰に行かない?」
「え……あの、いいです……」
日傘をギュッと握り、少し引くように体をずらすと、1人の手が細く白い椿の腕を掴んだ。
:08/06/15 01:20
:SO903i
:☆☆☆
#54 [向日葵]
息をのみ、かすかに震える。
しかし男子2人はそんな事おかまいなしに椿を連れて行こうとする。
「野々垣さん細すぎ!やっぱり行こうよ」
「わ、私、友達を待ってますんで……っ」
「まぁいいじゃん。トイレに行ったとか思うって」
嫌……っ!
ギュッと目を瞑った時だった。
後ろから肩を抱かれ、引き寄せられる。
「嫌がってるって分かんない?」
この声は……と、チラリとだけ視線を後ろに向ける。
:08/06/15 01:25
:SO903i
:☆☆☆
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