ギンリョウソウ
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#650 [向日葵]
「これからは、俺、いやいや、私達共々、仲良くしましょうね」

「はい、よろしくお願いします」

ジューンブライドという、結婚式の魔法。
幸せになれると椿は思った。

空を見上げれば、梅雨時なのに空は青く、天にいる母も祝福してくれてる気がした。

そして思う。

きっと母も、幸せな花嫁だったのだろうと……。

⏰:09/03/15 03:07 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#651 [向日葵]
[第15話]

高校も卒業し、椿は要宅に住む事になった。

家を出る時はやっぱり寂しかった。
何せ18年間この家にいたのだから。

要は好きな時に帰る事を許してくれた。
でも椿は、出来るだけ要のそばで仕事を手伝いたいと思ってるので、あまり帰らないようにしようと心を決めていた。

そんな日々も慣れてきた、1年後の事だった。

「椿、こんな事言っていいかわかんないけど……太った?」

思わず持ちかけていたカップを、ショックで落としそうになる。

⏰:09/03/15 03:12 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#652 [向日葵]
今日は授業がないからと、美嘉が遊びに来て、今は仲良くお茶していた。

「え…………、ええっ!?本当ですか……っ!?」

「まあ椿はそれでやっと標準だけどね。前と比べて、すこーしふっくらしたかなってくらいよ。気にする事ないって!」

言ったのは美嘉なのに、美嘉は気にしないかのようにお茶を飲む。

「でも椿、綺麗になったよねなんか。やっぱりエステとか行くから?」

「僕がいるからに決まってるじゃないか」

二人がいる部屋に、要が入ってきた。

⏰:09/03/15 03:17 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#653 [向日葵]
少し伸びた前髪をかきあげた要は、背伸びをしてこちらへ歩いてくる。

「アンタと椿の美貌がどう関係あんのよ」

テーブルの上にあるクッキーをひょいとつまみ、口に入れた要は、椿の隣に腰かける。

「そりゃ僕が愛情をそそいでるから」

「やっぱりアンタって馬鹿なんだね」

真顔で言い合う。
相変わらずのやりとりに、椿はクスクスと笑い声をあげる。

「だいたいアンタが言うといやらしく聞こえる」

⏰:09/03/15 03:25 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#654 [向日葵]
「まあ君の想像に任すよ」

「否定無しだと生々しいからやめて」

椿はまた笑う。

「お仕事は終わりましたか?」

椿も手伝っていたが、美嘉が来たので許しをもらって抜けさせてもらった。

「うん。一段落したよ。だから来たの」

「そろそろ美嘉も帰るよ。邪魔しちゃいけないだろうし」

かばんを持った美嘉は立ち上がった。
見送る為、二人は玄関まで美嘉と一緒に行く。

⏰:09/03/15 03:30 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#655 [向日葵]
「じゃあね椿、またメールするよ。あんまり要の好き勝手させちゃ駄目だかんねっ」

「み、美嘉ちゃん……っ」

顔を赤くする椿に、美嘉はニヒッと笑って帰って行った。

ドアが閉まると同時に、椿は「うっ」と唸って胸元を押さえた。

異変に気づいた要が、椿の顔を覗き込む。

「椿?どうした?」

「あ……。いえ、なんでも」

「そう?」

⏰:09/03/15 03:34 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#656 [向日葵]
良ければ感想お願いします(●´∀`●)

*感想板*

bbs1.ryne.jp/r.php/novel/3992/

⏰:09/03/15 03:36 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#657 [向日葵]
要は歩いて行ってしまった。
椿はその後ろ姿を見ながら気持ち悪い部分を自分でさする。

さすっても、気分の悪さは優れない。
近頃、体が丈夫になった気がして、はしゃぎすぎていたのが負担になっていたのだろうか。

「よ、お姫さん」

後ろから声がするので、椿は振り返る。
そこには、赤茶色した髪の毛を後ろで結った、白衣を着た女の人がいた。

「明智先生」

「明智(あけち)」と呼ばれるその人物は椿ににこって笑いかける。

⏰:09/03/21 02:47 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#658 [向日葵]
本名、明智 英美(ひでみ)は、葵家の専属医師だ。

要宅には仕事部屋があり、週に何回か来る事になっている。
もちろん、別の場所にある病院の医師でもあり、かなり優秀らしい。

「ん?んん?」

明智は椿の顔をじろじろ見る。
見られている椿は落ち着かず、困惑する。

「お姫さん、なんか雰囲気が違うね」

今日は美嘉も明智もなんなのだろうと、椿は首をひねる。

「もしかして……」

明智が呟く。

⏰:09/03/21 02:53 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#659 [向日葵]
「先生……?」

「お姫さん、王子さま呼んで、ちょっと外の私の病院まで来て」

深刻な雰囲気に、椿は不安を隠せなかった。

――――――――――…………

「へ……?」

椿と要は診察室の中で口を揃えて呟き、目をまんまるくさせた。

「だからね、もう一回言うよ。お姫さんのお腹に、もう一つ命が宿ってる」

つまりは。

「こ、子供っ!?」

要が声をあげる。
椿も目を見開き、口を笑みの形にした。

⏰:09/03/21 02:58 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


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