愛の在り処
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#131 [果樹]
「まなちゃん顔怖いってー」
「うるさい」
逞のヘラヘラした笑いに嫌気がさす。
「武藤さん。ちょっといいですか?」
「え?はいっ」
:08/11/04 04:35 :P902iS :☆☆☆
#132 [果樹]
いきなり名前を呼ばれて私は立ち上がる。
見ると一ノ瀬慶がドアの近くでおいでおいでをしている。
「まなちゃんもイッチー信者?」
とアホなことを言う逞を放って私は一ノ瀬の元に行った。
:08/11/04 04:35 :P902iS :☆☆☆
#133 [果樹]
――――・・・
「ついてきてください」
と言われて着いた先は英語科準備室。
またお手伝い?
と思い眉間に皺がよる。
「ちょっと待っててください」
:08/11/04 04:36 :P902iS :☆☆☆
#134 [果樹]
そう言って一ノ瀬慶は一人でなにやら机周りをゴソゴソと探り始めた。
「あった!はいあげます」
そういって手渡されたビニール袋の中には、ねずみのオモチャや猫じゃらしみたいなものが見えた。
なにこれ?
と顔で表す私。
:08/11/04 04:36 :P902iS :☆☆☆
#135 [果樹]
それを察知したのか一ノ瀬慶が言葉を続ける。
「モアのオモチャですよ。ペットグッズを見ていたらモアのことを思い出してつい買ってしまいました」
照れたように一ノ瀬慶が笑う。
:08/11/04 04:37 :P902iS :☆☆☆
#136 [果樹]
それにしてもこんなにたくさん。
自分の猫でもないのに・・・。
「気に入りませんか?」
「ううん。ありがとう」
私はモアの遊び道具が入ったビニール袋を抱える。
:08/11/05 16:54 :P902iS :☆☆☆
#137 [果樹]
それを見た一ノ瀬慶は照れているのか嬉しいのか頭をかきながら笑った。
「それをみている間モアのこと考えていたらモアに会いたくなりましたよ」
そんなに昔のことでもないのに懐かしそうに一ノ瀬慶が言う。
:08/11/05 16:55 :P902iS :☆☆☆
#138 [果樹]
だからだろうか?
あんな言葉がポロリと出てしまったのは。
「会いに来る?」
「いいんですか?!」
すごい食い付きに思わず笑いが溢れる。
:08/11/05 16:55 :P902iS :☆☆☆
#139 [果樹]
「フフッ・・いいよ」
年上なはずの一ノ瀬慶は無邪気すぎて年上には見えなかった。
――――・・・
学校を一緒に出るのはまずいからと電話番号を交換して私は家で待機になった。
:08/11/05 16:56 :P902iS :☆☆☆
#140 [果樹]
モアはさっきから一ノ瀬慶に買ってもらったオモチャに夢中になっている。
「楽しい?モア」
声をかけるがコロコロ転がるボールに夢中になって一向に側に来ない。
諦めて私はソファに横になる。
:08/11/05 16:57 :P902iS :☆☆☆
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