愛の在り処
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#112 [果樹]
椅子を引き、うなだれるように私は席についた。
ホームルームが始まるまでの暫しの休息だ。
「まーなちゃーんおっはよー!」
軽快な声が聞こえて振り向けば、やっばり声同様に金髪頭の軽い奴がたっていた。
「・・・おはよ」
「暗いよ〜もっと元気よくさっ!ね?」
:08/10/14 11:04 :P902iS :☆☆☆
#113 [果樹]
朝から煩い奴・・・。
私の机の周りで煩いくらいに騒ぐこの男は、佐々木逞(ささきたくま)。
一週間前にうちのクラス転校してきた奴で、転校初日から何故か私に付きまとっている。
「・・・佐々木くん」
「佐々木ってなんて堅苦しい呼び方じゃなくて逞でいいよ。まなちゃん!」
:08/10/14 11:05 :P902iS :☆☆☆
#114 [果樹]
逞のこの軽いノリが私をイラつかせるのだ。
「じゃあ逞。あのね・・・煩い」
私はにっこりと最上級の笑顔で逞に文句を言う。
そして私はそのまま机に突っ伏した。
それでも逞は相変わらずで、「まなちゃんのいけず〜」とかほざいていたが、あえて放っておいた。
:08/10/21 09:56 :P902iS :☆☆☆
#115 [我輩は匿名である]
おもろいな
更新待っとるし
:08/10/21 16:26 :SH903i :jDCAaFqs
#116 [果樹]
匿名さん
ありがとうございます!
話がまとまり次第更新します☆
:08/10/26 08:25 :P902iS :☆☆☆
#117 [果樹]
「席につけー。ホームルームやるぞー」
丁度いいタイミングで、先生が教室に入ってきたので逞は渋々自分の席に戻って行った。
「えー今日は大学の方から教育実習生がきてるから紹介するぞ」
間伸びした声の担任の衝撃発言。
:08/10/30 02:31 :P902iS :☆☆☆
#118 [果樹]
「キャアアアァ!!」
教室中に女子の甲高い叫び声にも似た声が木霊する。
机に突っ伏していた私は、何が起きたのか分からずただただその甲高い声に驚く。
「静かにー!」
担任はもううんざりした様子で、声を張り上げる。
:08/10/30 02:32 :P902iS :☆☆☆
#119 [果樹]
「今日から英語を教えてもらう一ノ瀬慶先生だ。みんな仲良くするように」
軽い睡魔に襲われていた私は、教育実習生の名前を聞いて思わず椅子から立ち上がる。
「ん?何だ?どーかしたのか武藤」
音に反応した担任が首を傾げてこちらを見る。
:08/10/30 02:33 :P902iS :☆☆☆
#120 [果樹]
「へ?あ・・・いえ何でもないです」
私は、ドクドク鳴る心臓を抑えながら静かに腰を下ろす。
その間も私は教育実習生から目がそらせないでいた。
あの目、あの髪、あの声。
間違いない。
:08/10/30 02:34 :P902iS :☆☆☆
#121 [果樹]
――――・・
「先生!一ノ瀬先生!」
「はい?」
私が呼ぶと一ノ瀬慶は首を傾げて振り向いた。
「えっと・・・A組の?」
「武藤愛実です」
:08/10/30 02:35 :P902iS :☆☆☆
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