宝物。
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#343 [みぉり]
かといって、この写真をはずそうと考えた事なんてない



はずすことがまるで、彼女達が不安に思う原因は有希であると認めているような気がして



本当に家族だと、単なる幼馴染なんだと信じて欲しいからこそはずすことがなんだか悔しくて



ずっとそのままにしてきた、有希の部屋にも同じような写真が壁一面にあることだって俺は知ってる

⏰:08/10/26 23:54 📱:PC 🆔:WmVD4FgU


#344 [みぉり]
同じ気持ちだと思ってた



俺が有希を想うように、有希も俺を『家族』のように想ってくれているんだと思っていた



俺が失恋すると必ず励ましてくれた有希、



『しょうがないなぁ、本当に』



そう言いながらもいつだって、俺と一緒にいてくれた有希

⏰:08/10/27 00:01 📱:PC 🆔:yXpYuQc2


#345 [みぉり]
それがこれからは叶わない



俺が、離れることを決めたのだから



俺が、有希を追い詰めているのだから



俺が、有希の気持ちに応える事は出来ないのだから



有希に本当の事を知られてしまうのが、何よりも怖いから

⏰:08/10/27 00:03 📱:PC 🆔:yXpYuQc2


#346 [みぉり]
壁に貼られた写真に手をかけると、一枚ずつ丁寧にはずしていく



一枚、一枚はずしながら、その思い出を噛み締めながら




「・・・・・・・・・・これで最後・・・・か」



思ったよりも大量に貼られていた写真をはずし、最後の一枚を手にとってベットに腰掛ける

⏰:08/10/27 00:07 📱:PC 🆔:yXpYuQc2


#347 [みぉり]
「・・・・・・・っ」



その写真は皮肉にも、俺が有希と真っ直ぐ向き合えなくなるきっかけとなった日に撮ったものだった





━━━━ーーーーー…………
半年前の夏休み半ば

⏰:08/10/27 00:21 📱:PC 🆔:yXpYuQc2


#348 [みぉり]
「・・・・・あちぃ」



夏休みの炎天下の中、俺の部屋のクーラーは故障中



扇風機をフル稼働させ、窓を大きく開けながらベットに腰掛け漫画を読んでいた




「凪ぃ〜、いる〜〜?」

⏰:08/10/27 00:24 📱:PC 🆔:yXpYuQc2


#349 [みぉり]
階段下から聞こえてくるのは、聞きなれた声



「おー、上ー」



起き上がって迎えにいくわけでもなく、変わらずに漫画を読んでいるとトタトタと足音が近づいてドアが開かれた



「うわっ、何この部屋〜・・・・・」



扉を開けるなり、その暑さに顔をしかめた有希がコンビニ袋を提げて俺の部屋に入ってきた

⏰:08/10/27 00:31 📱:PC 🆔:yXpYuQc2


#350 [みぉり]
「クーラー故障中なんだよ」


「えー・・・・」


嫌そうな顔をそのままに、俺が腰掛けているベットに背をもたれながら座る



俺は変わらずに漫画を読んだままで、有希はコンビニ袋をガサガサと漁りだした



「おみあげ」


「ん?おーサンキュー」

⏰:08/10/27 00:44 📱:PC 🆔:yXpYuQc2


#351 [みぉり]
お土産の言葉に顔を向けると、俺の一番好きなアイスを有希が差し出す



受け取って、ペリペリと包装紙を剥がしてアイスを口に頬張り、再び漫画を読もうとして、違和感



「・・・・・どうした?」


「え?・・・・・や、別にぃ」



有希が静かなんて、おかしい

⏰:08/10/27 00:53 📱:PC 🆔:yXpYuQc2


#352 [みぉり]
いつもは俺が話しを聞いてようが、聞いてまいがお構いなしに話しているのに



今は、体育座りで静かにアイスを食べているだけだ



斜め上から見下ろす顔は、明らかに元気がない



俺はそっと漫画を閉じて、有希の隣に座り直す

⏰:08/10/27 00:56 📱:PC 🆔:yXpYuQc2


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