宝物。
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#648 [みぉり]
「ふーん。・・・・座ったら?」


その声に促されるように、テーブルのすぐ近くにちょこんと正座しする。



「ん、熱いから気をつけろよ。・・・砂糖はこの中」



トレイの上の可愛らしい小さな容器を私側に寄せて



森くんは、ソファに深く腰掛け直して紅茶を口に運んだ。

⏰:09/07/12 01:21 📱:PC 🆔:px1IlGdI


#649 [みぉり]
「・・・・・あの・・・・楓ちゃんが森くんの幼なじみ?」


カップには手を伸ばせず、じっと森くんを見上げるように聞く



心なしか、心臓がドキドキしているのが自分でもよくわかる



カチャンと、静かにカップを置いた森くんは再び、遠い目で私に視線を向けた

⏰:09/07/12 01:25 📱:PC 🆔:px1IlGdI


#650 [みぉり]
「楓は、生まれた時から・・・・いや、生まれる前からの幼なじみ。」


じっと、黙って森くんを見つめていると、森くんは投げ出したアルバムを開いてゆっくりとページをめくり始めた



「楓の親と、うちの親が仲良くてさ。ずっと家族ぐるみで仲がいいんだ・・・・で、生まれる前からずっと一緒にいたわけ・・・・・俺が中2までは」



声のトーンが少し下がった

⏰:09/07/12 01:46 📱:PC 🆔:px1IlGdI


#651 [みぉり]
「ここからの話は・・・・・あんまいい話じゃねぇけど・・・・聞くか?」



森くんの問いかけに、コクンとしっかり頷く



だって、今までは私の話ばかり聞いてくれていた森くんが



自分の話をしようとしてくれてるんだもん



きちんと聞きたい、そう思ったから

⏰:09/07/12 01:50 📱:PC 🆔:px1IlGdI


#652 [みぉり]
━━――――………
陽臣side


久しぶりに見るアルバム
無邪気に笑う自分と楓がひどく懐かしく感じた



「楓は俺の1つ上、園田と同い年。・・・・・といっても、誕生日が1週間しか違わないってのもあったし、子どもの時は年の違いなんて気にしたことなかった」



話ながらページをめくる
幼少期、小学校・・・・学年を超えた行事が多かったせいか
ほとんどの写真に一緒に写っている

⏰:09/07/12 16:23 📱:PC 🆔:px1IlGdI


#653 [みぉり]
毎日が楽しかった


いつも一緒にいられることが『特別』だなんて気づかなかった



だから



自分の気持ちに気づいたとき



たった1週間の年の差が、悔しくて悔しくて仕方なくなった

⏰:09/07/12 18:38 📱:PC 🆔:px1IlGdI


#654 [みぉり]
「楓が中学に入って、
途端に毎日がつまらないと感じるようになったんだ・・・・
なんでつまらないのかって、その理由が
ずっとわからなくて
毎日もやもやした気持ちだったのを覚えてる」



中学入学式の写真を開き、じっと見つめた


俺が楓を好きなんだと気づいたのは、この日だったー・・・・・

⏰:09/07/12 18:48 📱:PC 🆔:px1IlGdI


#655 [みぉり]
「入学式の日はなんでか、すごく嬉しくてな。
親を急かしながら学校へ向かったんだ。
桜がキレイに咲いていて、立ち止まってその並木道を見上げていたらー・・・・・」



『はる〜〜っ!!!』



並木道の終わりにある中学校の門から、大きく手を振りながら立つ楓が満面の笑顔を向けていた

⏰:09/07/12 18:55 📱:PC 🆔:px1IlGdI


#656 [みぉり]
「・・・・柄にもない言い方だけど、本当に心臓がドキっとすることがあるんだなって思ったよ(笑)・・・・・・そのまま門に向かって駆け出したとき、感じたんだ」


パタンと静かにアルバムを閉じて、すっと本棚の下段に戻す



「あぁ、これから毎日楽しくなるって。楓がいなかったから毎日つまらなかったんだって」


ふぅっと息を吸い込んだ


「楓を好きだと、気づいたんだ」

⏰:09/07/12 19:45 📱:PC 🆔:px1IlGdI


#657 [みぉり]
少しの沈黙


園田に視線を向けると、じっと俺を見つめる姿があった


まっすぐに俺を見据えて、その続きに耳を傾けようとしてくれているのがよくわかる



・・・・・・・誰かに、この話をする日が来るなんて思ってなかったのにな



そんな想いにかられながら、続ける

⏰:09/07/12 20:03 📱:PC 🆔:px1IlGdI


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