宝物。
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#201 [みぉり]
いつかまた、凪に彼女が出来て笑いながら私に報告してくる日が来る



その時は、笑って喜んであげたい



好きって伝えないんだから、誰も手にすることが出来ない”幼馴染”という立場だけは守りたい

⏰:08/08/23 03:04 📱:PC 🆔:s.l8mfkw


#202 [みぉり]
そう決意して、あかりに告げた



あかりは”わかった”と言いつつもきっと、どこかで納得できていないと思う




だけどね、それが私なりに凪を想う形なんだ

⏰:08/08/23 03:07 📱:PC 🆔:s.l8mfkw


#203 [みぉり]
━━――─・・・・・
凪side




なんで屋上なんて来てしまったんだろう



昼休みはいつも、あかりと有希がご飯を食べてるってことをどうして忘れてたんだろう

⏰:08/08/23 03:11 📱:PC 🆔:s.l8mfkw


#204 [みぉり]
昼休みは始まってぼーっとしていた屋上に有希とあかりが入ってきた時に立ち去るべきだった




けど・・・・動けなかった




有希の言葉に、二人の涙声に、動くことが出来なかったんだ

⏰:08/08/23 03:16 📱:PC 🆔:s.l8mfkw


#205 [みぉり]
いつの間にか、静かに寝息を立て始めた二人を残して立ち去ればよかったのに、それすら出来なかった




いや、一目でいいから会いたかったんだ




有希に

⏰:08/08/23 03:21 📱:PC 🆔:s.l8mfkw


#206 [みぉり]
俺はゆっくりとハシゴを登り、泣き腫らした顔で眠る二人にシャッターを切った



幽霊部員の俺だけど、カメラは大好きで暇さえあれば持ち歩いてるんだ



本当は不謹慎なのかもしれない、俺のせいで泣かせた二人を撮るなんて

⏰:08/08/23 03:25 📱:PC 🆔:s.l8mfkw


#207 [みぉり]
だけど・・・どうしても俺の中に残しておきたかったんだ




撮った後、始めからずっと一緒にいてくれた恭ちゃんにカメラを託して俺はゆっくりとその場から離れた

⏰:08/08/23 03:29 📱:PC 🆔:s.l8mfkw


#208 [みぉり]
向かう先は保健室



写真部副部長の特権である保健室の鍵で、校医不在の保健室で少し考えるために・・・


―――――・・・・・

階段を降りて、保健室前に立ち、自分の胸ポケットを漁って思い出した

⏰:08/08/23 03:31 📱:PC 🆔:s.l8mfkw


#209 [みぉり]
凪「鍵・・・・恭ちゃんに没収されたんだった」



俺が恭ちゃんにも内緒で保健室を使っていたせいで、

三井さんは誰かが勝手に保健室を使っているのではないかと疑っていると


恭ちゃんに言われ、保健室を使った後の片付けをしなかった俺の不注意のせいだとわかるや否や鍵を没収されてしまったのだ

⏰:08/08/23 03:35 📱:PC 🆔:s.l8mfkw


#210 [みぉり]
凪「はぁ〜・・・」


思いため息を吐き出して、ずるりと扉の前に座り込んだ


きっと恭ちゃんのことだから、俺の後を追ってきてくれる


そう思って待っていると案の定、聞きなれた足音が近づいてきた

⏰:08/08/26 02:27 📱:PC 🆔:o0sMbafY


#211 [みぉり]
顔を上げると、恭ちゃんがあまりに真剣な面持ちでいたから


つい、恭ちゃんの口真似なんかしてわざといつもの俺らしく話しかけた


恭ちゃんはふっと笑って自分の鍵で保健室を開けるのを


俺はどこかほっとした気持ちで見つめながら保健室へと入りソファに腰掛けた

⏰:08/08/26 02:31 📱:PC 🆔:o0sMbafY


#212 [みぉり]
息をついて、ふとカメラを見たくなり恭ちゃんにそれを頼んで受け取った


恭ちゃんは何も言わない、いや、俺が普段から考えられないくらい静かだからだろうか



そんなことを思いながら画像の履歴をゆっくりと探る


傍らの恭ちゃんが三脚を手にしてそれを磨いているのが視界の隅に写った


俺に変な気を使うわけでなく、いつも通りであろうとしてくれてるのがなんとなくわかる

⏰:08/08/26 02:37 📱:PC 🆔:o0sMbafY


#213 [みぉり]
画像を辿り、最後に行き着いたのはさっき屋上で撮った一枚



あかりと有希が寄り添って眠る姿ー・・・・



ズキンと胸が痛くなった



有希の言葉に、その決意に、その裏にある気持ちを思って・・・

⏰:08/08/26 02:41 📱:PC 🆔:o0sMbafY


#214 [みぉり]
凪「・・・・・ばかだよね」

恭「は?」


突然の発言に、恭ちゃんは顔をこちらに向けながら声を上げる

俺はソファの前にあるテーブルにカメラを置いた




恭「・・・・・・誰が?」

⏰:08/08/26 02:45 📱:PC 🆔:o0sMbafY


#215 [みぉり]
誰?誰に対してなんだろう今の俺の言葉


気づいたら呟いていただけ・・・・・



有希を追い詰めて、あかりを傷つけて、でも全部を隠し通そうとしてる俺?



こんな俺を想っている有希?

⏰:08/08/26 02:48 📱:PC 🆔:o0sMbafY


#216 [みぉり]
凪「・・・・・・・・・・さぁ」


恭「なんだよそれ(笑)」


恭ちゃんは俺の言葉に深く突っ込むわけでなく、茶化すわけでなく・・・三脚を戻すとそのままじっと俺を見つめているのがわかった


でも俺は目を合せる勇気はなくて、そのままただひたすらに床を見つめていたー・・・・・

⏰:08/08/26 02:50 📱:PC 🆔:o0sMbafY


#217 [みぉり]
ぐるぐると回る色んな想いが・・・・


恭ちゃんのあかりへの想い、あかりの恋愛への恐怖、悠里の修さんへの想い



有希の俺への想い、俺の・・・・想いは?



俺の想いはどこにあるんだろう

⏰:08/08/26 04:04 📱:PC 🆔:o0sMbafY


#218 [みぉり]
そんな自問自答の中、終業時間が迫ってきて恭ちゃんに声を掛けられた



だけど、もやもやしてる俺の何かが少し掴めそうな気がして中々立ち上がれない



なぜか、ふと頭を掠めたのは”公園”の記憶

⏰:08/08/26 04:09 📱:PC 🆔:o0sMbafY


#219 [みぉり]
恭ちゃんにもう一度、声を掛けられたのを機に俺はカメラを肩に掛けて保健室を出た



教室ではなく、今、俺が向かいたいその場所へ



後ろから何も言わずに着いて来てくれる恭ちゃんに、


俺は心の中で”ありがとう”と呟いた

⏰:08/08/26 04:12 📱:PC 🆔:o0sMbafY


#220 [みぉり]
━━――─・・・・・
有希side



あれから


あの金曜の夜から凪と話していない



いや、言葉は交わすけれど、表面的で他人行儀な挨拶程度

⏰:08/08/26 04:16 📱:PC 🆔:o0sMbafY


#221 [みぉり]
今は水曜日の3時間目の休み時間、


次の時間は選択授業の”古典”の最初の授業のため、


他クラスから何人かがうちのクラスに移動してる


ソワソワして、なんとなく独特な緊張感の漂う空気ではあるけれど


今の私には、そんなのは眼中にもなかった

⏰:08/08/26 04:26 📱:PC 🆔:o0sMbafY


#222 [みぉり]
今までだって何日も話さない日はあったというのに


”好き”と自覚して、余計に話さない事に敏感になってしまったみたいで


頭の中は”幼馴染”として、話しかけるその方法を探してる



「はぁ〜・・・」

⏰:08/08/26 04:27 📱:PC 🆔:o0sMbafY


#223 [みぉり]
最近のすっかり習慣になってしまったため息をついて、

そのため息をついてしまったことに自己嫌悪の独り言を呟きかけた瞬間



「お前・・・相変わらずため息ついてんのな」



どこかで聞いたような台詞で、これまた聞き覚えのある声が聞こえた

⏰:08/08/26 04:39 📱:PC 🆔:o0sMbafY


#224 [みぉり]
「え?」


机につっぷしていた私は聞こえた声に顔をあげた



「!!!!!!」



顔をあげたすぐ目の前に、綺麗な男の子の顔

⏰:08/08/28 00:51 📱:PC 🆔:vTIArKc2


#225 [みぉり]
ガタンッー・・・・



あまりの近さに、大きな音をたてて立ち上がってしまった




「んな驚くなよ(笑)」

⏰:08/08/28 00:58 📱:PC 🆔:vTIArKc2


#226 [みぉり]
「もももも森くんっ?!?!?!」


「よ、選択授業同じだったんだなぁ」



驚く私をよそに、そんなことを言いながら私の前の席に森君は座った



「えぇぇぇぇぇっ?!?!これっ、1年もー・・・っ」

⏰:08/08/28 01:08 📱:PC 🆔:vTIArKc2


#227 [みぉり]
「声がでけぇっ!・・・ったく、専門とLHR以外は2年って言ったろ?」



森君は眉間にシワを寄せながら、私の口を塞いだその手をゆっくりと下ろした



「ぷはぁ・・・だって、まさか本当に一緒になるなんて思わないじゃないっ!!」

⏰:08/08/28 01:13 📱:PC 🆔:vTIArKc2


#228 [みぉり]
驚きながらも、声のボリュームを抑えて席に座った


「それは確かに俺もびっくりした」


森君はしみじみと頷きながら、その顔がいたずらっこみたいに笑っていて


私はなんだか、拍子抜けしてしまった

⏰:08/08/28 01:20 📱:PC 🆔:vTIArKc2


#229 [みぉり]
「な、この授業って何人くらいが受けてんの?」



「んー…たぶん、30人くらい?」


「へー……何組と何組から集まってんの?」



「1、2、3組だよ」



「3組までか……ちっ」

⏰:08/08/28 15:06 📱:N905i 🆔:r8e4zP7c


#230 [みぉり]
舌打ちをしながら、森くんは不機嫌そうな顔で前を向いてしまった


一瞬のことに思わず、言葉を詰まらせ、はっと気づいたときはすでに森くんの背中が見えるだけ



・・・・・また突然、舌打ちしてるし

⏰:08/08/30 18:22 📱:PC 🆔:d12gzkEM


#231 [pω・ξ]
>>1-250

⏰:08/08/30 18:24 📱:D705i 🆔:yR7sQIIM


#232 [みぉり]
>>231 pω・ξさん☆

アンカーありがとうございます(≧▽≦)

⏰:08/08/30 23:35 📱:PC 🆔:d12gzkEM


#233 [みぉり]
>>230から



森くんの背中を軽く、睨みながらもチャイムと共に入ってきた先生によって



古典の授業へと時間は進んでいった



……とはいえ、初めの授業なので軽い挨拶と説明だけですぐに終わるだろうけど

⏰:08/09/01 17:20 📱:N905i 🆔:YPBJJQDs


#234 [みぉり]
案の定、古典のおじいちゃん先生は簡単な挨拶から始めて話したけどすぐに自由時間となった



他クラスは授業中なので室内でという条件付きだけど



私はといえば、ぼーっと窓の外を見つめてため息をつくことの繰り返し

⏰:08/09/08 16:50 📱:N905i 🆔:RvcaAA9E


#235 [みぉり]
本当……どうしたらいいんだろ……って、どうやって凪に話し掛けたらいいかを考えるべき?……でも、ちゃんと普通にできるのか私……



そんなことを考えながら、何度目かのため息をついた直後、



「……っだーっ!!!!!」



びくっ

⏰:08/09/08 16:56 📱:N905i 🆔:RvcaAA9E


#236 [みぉり]
突然、聞こえた声に驚いて前を向くと森くんが思いっきり眉間にしわをよせて私の方を向いて座っていた



「どどどーしたの??」



驚きの余りどもりながらも尋ねる


何よいったい!!めっちゃびっくりしたわっ!!

⏰:08/09/08 16:59 📱:N905i 🆔:RvcaAA9E


#237 [みぉり]
「どうしたのじゃねぇよ……背後で18回もため息つかれたら、イライラもするだろーが」



眉間のしわをより一層、深くして言う



「えっ!?そんなにため息ついてた!?」



自分でもそんなに多いとは思わず尋ね返してしまった

⏰:08/09/08 18:32 📱:N905i 🆔:RvcaAA9E


#238 [みぉり]
そんな私を森くんは呆れたような眼差しで見つめてくる


そんな目で見ないでよ〜・・・


「だって・・・そんなにため息ついてるつもりなんてなかったんだもん」


少しシュンとして、呟く私に森くんは眉間のしわを緩ませて、ふっと笑った

⏰:08/09/12 03:27 📱:PC 🆔:Q84UxIjY


#239 [みぉり]
「まぁ・・・ため息が出てるってことは・・・・あの幼馴染の事・・・まだ解決してねぇってことだろ?」


ドキッとした


そうだ、森くんに話したんだった・・・凪のこと


途中からは私が自分で勝手に話を進めてしまったのだけれど・・・



「・・・覚えててくれたんだね」

⏰:08/09/12 03:34 📱:PC 🆔:Q84UxIjY


#240 [みぉり]
「そりゃぁな、簡単に忘れたりする程まだぼけてないんでな(笑)」


森くんが茶化して言う言葉に自然と笑顔になった


なんか肩の力がふっと抜けた感じ・・・・だったけど


「・・・・で?」



急に真剣な眼差しで私に問う森くんに、悩みの種を打ち明けたくなった

⏰:08/09/12 03:42 📱:PC 🆔:Q84UxIjY


#241 [みぉり]
・・・・とは言え、どこから話していいのやら


よくよく考えてみれば、あの日は凪にきちんとバイトの事を聞けた訳ではないし


はっきりしたのは・・・・私の凪への想いだけ




「・・・・森くんの言った通りでした」


「?俺の?・・・・あぁ」

⏰:08/09/12 04:50 📱:PC 🆔:Q84UxIjY


#242 [みぉり]
一瞬、悩んだようなその顔はニヤリと笑って私の言葉の意を理解したことを示していた


「・・・・・自覚したんだ?」


勝ち誇ったようなその顔に少なからず、悔しさを覚えた


「う・・・したよ、しましたわよ」

⏰:08/09/12 04:53 📱:PC 🆔:Q84UxIjY


#243 [みぉり]
「ってことは・・・・ため息の理由も変わったんだな?」


・・・・この人って、どうしてこんなに頭の回転が速いのかしら


ほんの二言、三言の会話だけで、私の今の思いやため息の持つその意味までも感じ取っているのだから



「森くんって・・・・・・エスパー?」


「は?」

⏰:08/09/12 04:56 📱:PC 🆔:Q84UxIjY


#244 [みぉり]
「だって、大して話をした訳でもないのに・・・・全部、わかってるみたいだから」


思ったままをそう呟くと、森君はふっと悲しげに笑った



「エスパー・・・・みたいなもんかな。”幼馴染”への想いに関しては」


「え?それってー・・・・」
「ストップ、俺の話はまた今度な」

⏰:08/09/12 05:13 📱:PC 🆔:Q84UxIjY


#245 [みぉり]
どういうこと?と聞きたかったけど、森君がそれ以上の追求を止めたから


私もぐっと堪えることにした


「えぇー?・・・・今度はなしてよ?」


機会があれば絶対に聞きだすことを密かに決意をして呟いた


「ん、まぁ・・・・とりあえずはお前の話が片付いたらな」

⏰:08/09/12 05:17 📱:PC 🆔:Q84UxIjY


#246 [みぉり]
そう言った姿があまりに寂しげだった事が少しだけ気になったけど

そのまま金曜日の出来事と今の状況を話した


森君は終始無言で、視線はどこか遠くを捉えていた

⏰:08/09/16 20:46 📱:N905i 🆔:S1UCDP3g


#247 [みぉり]
「ー・・・ってなってて、今はろくに話もしてない、話たいけど・・・なんて言ったらいいのかもわかんなくて」



しどろもどろになりつつも、今の気持ちを素直に話す


「それに・・・・」


何よりも、凪にまたあの目で見られるのが怖い


”お前に関係ない”って突き放されるのが怖い

⏰:08/09/17 23:36 📱:PC 🆔:qo1DkXwU


#248 [みぉり]
金曜の夜の凪が、頭の中をよぎって思わず下を向いてしまった。


「お前さ・・・・幼馴染でいいのか?」


「え?」



その言葉に顔を上げると、森君が真剣な目で私を見つめていた

⏰:08/09/17 23:47 📱:PC 🆔:qo1DkXwU


#249 [みぉり]
「好きなんだろ?彼氏彼女になりたいって思わねぇの?」


「そんなこと・・・・」



凪の彼女になる?


私が?



「考えたことない」

⏰:08/09/17 23:50 📱:PC 🆔:qo1DkXwU


#250 [みぉり]
「・・・なんで?」


森君は眉間にシワを寄せながら、静かに問う



「だって・・・・凪は私を幼馴染としか思ってないから」



こんな想いは凪を困らせてしまうだけだもの


だから伝えない、伝えられない

⏰:08/09/17 23:58 📱:PC 🆔:qo1DkXwU


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