宝物。
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#451 [みぉり]
「………………ない、よ」 


「………そうか」



顔を合わせる訳でなく、
互いに前を見つめたまま


交わす言葉の意味を
深く言わずとも
察してくれるありがたさ

⏰:08/12/11 03:15 📱:N905i 🆔:PD22MhZE


#452 [みぉり]
「よかったじゃん、たまにはそんな日がないと気持ちがパンクしちまうだろ」


「……うん、そうだよね」



苛立ちや嫉妬を感じないで
過ごせた今日はラッキー

……と気持ちを切り替えて
明日に備える

⏰:08/12/11 03:18 📱:N905i 🆔:PD22MhZE


#453 [みぉり]
そうやって
自分の気持ちと
バランスを取りながら
毎日を過ごしてる


だけどそれは
森くんがいるからこそ
できていることで


もしも
森くんがいなかったら
とっくの昔に
ギブアップしてると思う

⏰:08/12/20 13:30 📱:N905i 🆔:a3YejZ1.


#454 [みぉり]
ぼーっと空を見つめる森くんに
実は聞きたいことがあった



それは屋上の鍵のこと



凪から
代々、受け継がれていることは
聞いて知っているけれど


森くんはどうやって
鍵を手にしたんだろう

⏰:08/12/22 00:19 📱:N905i 🆔:lgMCcy3.


#455 [みぉり]
「………鍵、なんで持ってるの?」



直球ど真ん中



「へ?」



やや面食らった様子に
慌てて言葉を続ける

⏰:08/12/23 20:23 📱:N905i 🆔:u7GLEFZg


#456 [みぉり]
「ぃやっ……あの、その……屋上の鍵を…誰から受け継いだのかなぁって…思いまして………」


言葉は弱々しくなり
仕舞いには目線も下向きになってしまった


あぅ…
なんでこうも
考え無しにしゃべっちゃうかな



明らかに
突っ込まれたくなかったオーラが
全開な森くん

⏰:08/12/26 21:38 📱:N905i 🆔:Tbu/zhr6


#457 [みぉり]
自分の頭を
ふるふると振り払い

なんとか取り繕う言葉を
考えていると

森くんが口を開いた




「………知り合いから」

⏰:08/12/26 21:40 📱:N905i 🆔:Tbu/zhr6


#458 [サリー]
失礼します
>>300-500

⏰:08/12/27 08:18 📱:D905i 🆔:BF/LnpNk


#459 [みぉり]
>>サリーさん
アンカーありがとうございます

⏰:08/12/29 01:51 📱:N905i 🆔:MK6t9tec


#460 [みぉり]
>>457から

「えっ?」


パシッ


「いたっ……っつぅ〜」


顔をあげたのと同時に
森くんにデコピンをされてしまった

⏰:08/12/29 01:54 📱:N905i 🆔:MK6t9tec


#461 [みぉり]
「なんでデコピンすんのぉ……ぁいたた…」


涙目になりながら
ピリピリと痛みの残る額を
撫でつつ、森くんを睨む


しかし
当の森くんは
むすっと子どもみたいな顔で
私を見めている状態


……………え?
なんか……機嫌悪…い?

⏰:08/12/29 01:58 📱:N905i 🆔:MK6t9tec


#462 [みぉり]
ひとまず、額を押さえ
様子を伺いながら声を掛ける



「…なんか………怒ってる?」


「は?怒ってねぇよ」



そう言うくせに
不機嫌オーラが全開なのは
見て明らか



「…………うそだ」

⏰:08/12/29 02:36 📱:N905i 🆔:MK6t9tec


#463 [みぉり]
「ぁあ?」



ほらぁぁ!!
絶対、機嫌悪いぃぃ〜……



私の発言が火に油だったのか
口調がより険しくなる森くんに
思わず肩が竦んだけれど

これで怯むような
園田有希ではありませんことよ

⏰:08/12/29 02:40 📱:N905i 🆔:MK6t9tec


#464 [みぉり]
「じゃぁ、その態度はなに?」


「………別に、同じだし」



はぃっ!?おいおいおい……
いつもは、もっと声のトーンが高くて

何より、
そんな深く眉間にシワよせてないでしょうがっ!!

⏰:08/12/29 02:43 📱:N905i 🆔:MK6t9tec


#465 [みぉり]
誰が聞いたって
そんな事は通用しないのに
むすっと言い返す森くんが

小さな子どもみたいで
ちょっと、呆れて
おもしろい



って、おもしろがってちゃダメじゃん!

⏰:08/12/29 02:51 📱:N905i 🆔:MK6t9tec


#466 [みぉり]
「私……なんか変なこといった?」


ちょっと真面目に
森くんを見つめる


森くんは
何も言わず、動きもしない


……ってことは

きっと、私が言った言葉がきっかけなのよね多分

⏰:08/12/29 17:34 📱:N905i 🆔:MK6t9tec


#467 [みぉり]
……やっぱり、鍵のこと
触れられたくなかったのかな



「…………鍵を誰からかって聞いたから?」


「……」



またまた直球
だって回りくどいことは
好きじゃないから

⏰:08/12/29 20:41 📱:N905i 🆔:MK6t9tec


#468 [みぉり]
どんな小さな事でも
モヤモヤしたままなのは
嫌い


ちゃんと
その時その時に
解決しなくちゃ落ち着かない


「……黙ってちゃわかんないよ」


困りながら
でも無理に聞き出そうとしていることに
内心びくびくしながら
尋ねる

⏰:08/12/29 20:55 📱:N905i 🆔:MK6t9tec


#469 [みぉり]
そこからは、黙り込み我慢大会


口を開かず、
じっと森くんの様子を見つめる

⏰:08/12/30 02:57 📱:N905i 🆔:YQzwgtwg


#470 [みぉり]
━━━ーーー………
5分後


「…………鍵のことな」


諦めたようにため息を吐いて
口を開いたのは森くん


我慢比べは私の勝ちみたい



「うん、知り合いから引き継いだんでしょ?」

⏰:08/12/31 01:51 📱:N905i 🆔:Nxt9fjQQ


#471 [みぉり]
聞き返す私をちらりと見て
森くんはゆっくりと
仰向けになるように横になった



「…………知り合いってのがさ」

「ん?」



聞きながら
同じように体を横にする

⏰:08/12/31 02:58 📱:N905i 🆔:Nxt9fjQQ


#472 [みぉり]
互いの目に映るのは
真っ青な空と雲



「………あいつ」


゛あいつ゛



あぁ…例の………


「………幼馴染み?」

⏰:08/12/31 03:03 📱:N905i 🆔:Nxt9fjQQ


#473 [みぉり]
言ったきり
返事がなかったけれど



それが何よりの答え



森くんも
私と同じように
幼馴染みから鍵をもらったんだ


なんて偶然なんだろう
こんなことまで
同じだなんて………

⏰:08/12/31 03:06 📱:N905i 🆔:Nxt9fjQQ


#474 [みぉり]
「…………お前も…同じだろ」


「ん……ま、ね」



そのまま
黙って空を見上げる


互いの奇妙な偶然に
なんだか、
安堵感を抱きながら……

⏰:08/12/31 20:43 📱:N905i 🆔:Nxt9fjQQ


#475 [みぉり]
「………どっか行くか」


「ん……え?」



思わず体を起こして
横に目を向ける


゛よっ゛の掛け声で
森くんも体を起こした

⏰:08/12/31 23:24 📱:N905i 🆔:Nxt9fjQQ


#476 [みぉり]
「気晴らしってことで」


にかっと笑う森くん



そうだね
気晴らしも必要だよね



私も笑顔で頷いて
二人揃って、玄関まで歩く

⏰:09/01/01 03:22 📱:N905i 🆔:LnyKyn.2


#477 [みぉり]
その道すがら
放課後とはいえ
まだちらほらと校内に残る生徒達が

私と森くんを見ては
何か話をしている



………感じ悪いなぁ



なんて思いながら
なんて言われてるのは
想像がついていた

⏰:09/01/01 15:36 📱:N905i 🆔:LnyKyn.2


#478 [みぉり]
ちらっと横に目を向ければ
キレイに整った顔

誰もが目を止める
その容姿



……それに引き替え



至って普通の私
十人並のなかでも中の中

⏰:09/01/01 22:17 📱:N905i 🆔:LnyKyn.2


#479 [みぉり]
……いや、
今更、仕方のないことなんだけど
チラチラ見ていた私の視線に
気付いた森くんが
不思議そうに首を傾げている



「?…なんだよ、」


「なんでもないよ〜……男前だなぁと思って」

⏰:09/01/01 22:44 📱:N905i 🆔:LnyKyn.2


#480 [みぉり]
゛はぁ?゛と言いながら
先に靴を履き替えて、外に出てしまった

慌ててその後を追いかける


夕方近い時間なのに
夏前の空は真っ青で
その眩しさに
思わず目が眩んだ

⏰:09/01/01 23:21 📱:N905i 🆔:LnyKyn.2


#481 [みぉり]
「置いてくぞー」


森くんの声に
目を開いて再び並んで歩く


校門を過ぎて
近くの公園前を通り過ぎようと
して、隣姿がなくなった

⏰:09/01/01 23:45 📱:N905i 🆔:LnyKyn.2


#482 [みぉり]
「あ、れ?……森くん?」


キョロキョロ見回しても
見当たらない


えぇー??
どこにいったの?

⏰:09/01/02 00:18 📱:N905i 🆔:xuIQt6qU


#483 [みぉり]
……けど
私がここから変に動いちゃったら
余計に会えなくなりそう



………おとなしく待機しとこ


公園の柵に寄り掛かる
園内からは楽しそうなこどもの声



………っていうか、、、
どっか行こうって
言いだしたのは森くんなのに

勝手にいなくなるって
どぅなのよ

⏰:09/01/02 00:26 📱:N905i 🆔:xuIQt6qU


#484 [みぉり]
……なんて思ってはみるけど
人を待つのは慣れてる


「ゆぃちゃん待って〜」
「なぉと、遅いんだもん」


ふいに背後から聞こえた声
振り向くとそこには
小さな女の子がジャンクルジムを
上手にするすると登り
その後を必死に追い掛けて
もたつきながらも登る小さな男の子の姿

⏰:09/01/02 01:14 📱:N905i 🆔:xuIQt6qU


#485 [みぉり]
あらまぁ…可愛い


自然と笑みが零れて
姿勢を変えて中を見る


微笑ましい小さな二人に
懐かしい記憶が蘇る


『なっちゃん、危ないよ』
『ゆーちゃんは怖がりだなぁ』

⏰:09/01/02 01:51 📱:N905i 🆔:xuIQt6qU


#486 [みぉり]
いつもいつも
止めるのも聞かないで
無茶ばっかりの後ろ姿を
必死に追い掛けていた


置いていかれると
すぐ泣く私

いつからか、凪は
その度に色とりどりのビー玉を1つくれたっけ

⏰:09/01/02 02:08 📱:N905i 🆔:xuIQt6qU


#487 [みぉり]
………いつから
『なっちゃん』と呼ぶのをやめたんだったかな


小学校に上がって
凪が『ゆーちゃん』から『有希』に
呼び方を変えたから

なんか悔しくて変えたような気がする

⏰:09/01/02 02:12 📱:N905i 🆔:xuIQt6qU


#488 [みぉり]
あの時
変えなかったら今も『なっちゃん』と呼んでいたのかもしれない


今となっては、
どうにもならないことだけど


私の目の前にいる
小さな『なおと』くんも
いつか『ゆいちゃん』から
『ゆい』と
呼び方を変えてしまうのだろうか

⏰:09/01/02 02:17 📱:N905i 🆔:xuIQt6qU


#489 [みぉり]
「…そのままでいて欲しいなぁ」

ぽろりと口に出た言葉
たかが、呼び方ひとつだけど


それは小さなきっかけとなる


凪が泣く度にくれたビー玉で
いつも笑顔になっていた

⏰:09/01/02 02:22 📱:N905i 🆔:xuIQt6qU


#490 [みぉり]
だから、時々
わざと泣いたりして
凪が立ち止まって
私の手を引いてくれるのを
待っていた



けれど
大きくなるにつれて
泣く理由がなくなってきて


凪からビー玉をもらわなくなった
追い掛けるけど
手を引いてもらうほど
距離が空かないように
互いにあわせられるようになった

⏰:09/01/02 02:27 📱:N905i 🆔:xuIQt6qU


#491 [みぉり]
それで
今の距離感……といっても
すごくすごく近いけれど


お互いに心地がいい空気ができた


それはすごく自然なこと
当たり前の成長過程で生まれたもの

⏰:09/01/02 02:29 📱:N905i 🆔:xuIQt6qU


#492 [みぉり]
凪は時間にルーズになって
遊ぶときは
決まって私が待ちぼうけ


おかげで
時間を潰す術が身についた


人を待つのもお手のもの


…………ってなんか
悲しい自慢だなぁ

⏰:09/01/02 02:35 📱:N905i 🆔:xuIQt6qU


#493 [みぉり]
「わりぃ、待たせた」


突然、真後ろからの声


「ひゃぁっ」


慌てて振り向くと
そこにはヘルメットを携えた森くん

⏰:09/01/02 02:42 📱:N905i 🆔:xuIQt6qU


#494 [みぉり]
「びっくりしたぁぁ〜…」


回想から一気に現実へと
引き戻してもらったけれど

おかげで心臓はバクバク状態


「ごめん……そんなおどかすつもりじゃぁ……」

⏰:09/01/02 02:47 📱:N905i 🆔:xuIQt6qU


#495 [みぉり]
「いきなりは誰でもびっくりするよ」


一呼吸おいて
ジロリ睨んで、そう言うと

森くんはいたずらっこ顔で笑ってから
もう一度、謝った



………まぁ、
私も完全に油断して
森くんのことを
すっかり忘れていたのだけれど

⏰:09/01/02 02:57 📱:N905i 🆔:xuIQt6qU


#496 [みぉり]
「いきなりいなくなるし…何してたの?」


尋ねる私にズイっと
差し出したのはヘルメット


「かぶれ」


「へ?」


くるりと背を向けて
すたすたと歩く姿を慌てて追う

⏰:09/01/02 17:12 📱:N905i 🆔:xuIQt6qU


#497 [みぉり]
もー……


歩きだしてすぐ
壁沿いに止められているバイク


「……え、まさか」


いやな予感に
恐る恐る尋ねる


「そ、おれの」

⏰:09/01/02 20:31 📱:N905i 🆔:xuIQt6qU


#498 [みぉり]
言いながら颯爽(サッソウ)と
バイクにまたがり
ヘルメットを被る


ぽかんとする私に


「………早く乗れよ」


後ろを指す


「え?………乗るの…?」

⏰:09/01/03 01:48 📱:N905i 🆔:8WosmgyM


#499 [みぉり]
バイクなんて
乗ったことがないのに
と、思わず立ち尽くす


「……怖ぇの?」


ニヤっと笑う顔に
私の負けず嫌いが駆り立てられた

「のっ、乗るわよ!これくらい」

⏰:09/01/03 02:21 📱:N905i 🆔:8WosmgyM


#500 [みぉり]
ぱっと、後ろに乗る


「捕まらないと落ちるぞ」


ズイっと
私の両手を自分の身体にまとわせ
森くんはエンジンをかけた



えぇっ///
ちょちょちょっと…ッこれは恥ずかしい///

⏰:09/01/04 03:24 📱:N905i 🆔:SOMCr.4k


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