*恋色ラプソディ*
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#1 [みい]
:08/07/01 00:57
:SH905i
:hXEia10M
#2 [みい]
※ラプソディ[狂詩曲]:
楽器曲の一形式。19世紀に流行した民族的色彩をもつ性格小品の一種で、きわめて自由な形式を持つ。
広辞苑参照
:08/07/01 01:00
:SH905i
:hXEia10M
#3 [みい]
「かーずさちゃーんっ♪」
「ああもうっ!暑苦しいっ!!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1曲目*ある夏の日
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
:08/07/01 01:02
:SH905i
:hXEia10M
#4 [みい]
ああー暑い……。
夏ってなんでこんなに暑いかね。日本は四季があって良い、なんて小学校の社会か理科の教科書に載ってた気がするけど、私からしたらそんなのただの綺麗事だ。
暑いものは暑い。冬になったらなったで、寒い寒いって文句言うんだろうなあ。
可愛くない屁理屈ばっかり考えていると、部屋の窓ガラスがコンコン、と音を立てた。
:08/07/01 01:06
:SH905i
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#5 [みい]
「かずさちゃーん、開けてやあ」
お決まりのアイツの声。
私は一つため息をつくと、カーテンを開いた。
汰紀(タキ)が自分の部屋の窓から、私の部屋の窓の柵に足を掛けている。
「アイス食べへん?」
そう言うと、勢いをつけて一気に私の部屋に入ってきた。
:08/07/01 01:08
:SH905i
:hXEia10M
#6 [みい]
隣ん家の汰紀とは幼なじみだ。小さい頃から私が汰紀の面倒見てあげてるって感じ。まあ、タメなんだけど。
「バニラと抹茶、どっちがええ?」
どうでもいいことをいちいち楽しそうに聞いてくる。
「抹茶」
私が極力短く答えると汰紀は、
「ほんまにっ!?僕バニラがよかったんよ〜!ぴったんこやな♪」
:08/07/01 01:09
:SH905i
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#7 [みい]
と嬉しそうに笑って、私に抹茶の棒付きアイスを差し出す。
17にもなって一人称は「僕」。「ぴったんこ♪」なんて、ぶりっ子の女が言うような台詞。
おまけに髪なんかさらさらの猫っ毛で、笑顔は下手したらそこらの女の子より可愛いかもしれない。
まあ確実に、私よりかは。
「今日もアホみたいに暑いやんなあ。もうだれてまいそうやわ〜」
:08/07/01 01:10
:SH905i
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#8 [みい]
汰紀はそんなことを言いながらも、私の横にぴったり座る。
「ちょっと。暑苦しいからもっとあっち行って」
しっし、と、まるで野良犬でも追い払うような仕草をすると、汰紀は頬を膨らませた。
「なんでよー?ええやん別に〜。こっちの方がなんや和むし♪」
そう言うと、汰紀は一層引っ付いてきた。
:08/07/01 01:12
:SH905i
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#9 [みい]
いつもならため息混じりに、「仕方ないなあ」って許してあげてしまう。
でも、今日は…
「止めてって言ってんでしょ!!」
…怒鳴ってしまった。
汰紀は溶けかけたアイスを持ったまま、きょとんと私を見ている。
私は今日、甘える汰紀を受け入れられるほどの余裕はないのだ。
:08/07/01 01:14
:SH905i
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#10 [みい]
汰紀は驚きながらも、謝って私から少し離れた。
かと思ったら、肩に汰紀の手が触れる。
「…かずさちゃん、何かあったん?」
「何もないっ!」
「嘘や。せやったら…」
そこまで言うと汰紀の口が止まった。代わりに、私の肩にあった汰紀の左手が動いて、
「何で泣いてるんよ?」
:08/07/01 01:15
:SH905i
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#11 [みい]
私の頬に伝った涙を拭う。
「……っ!!」
「ええよ?僕、なんでも聞いたるから。」
汰紀のその言葉に、私は関を切ったように話し始めた。
「昨日っ…ねっ…」
「うん」
「…先輩に…振られたっ…」
「………そっ、か」
:08/07/01 01:17
:SH905i
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#12 [みい]
2年も付き合ってた。来月の私の誕生日だって、一緒に祝おうね、って言ってくれた。
なのに。『好きな子が出来た』。こんな一言だけ残して、先輩は私を置いていってしまった。
「好きだったのっ…!私、先輩のことっ、すごく…」
「うん、知っとる。」
「今も好きなのっ!忘れようとしても、できない…っ」
「そやな。」
:08/07/01 01:20
:SH905i
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#13 [みい]
こんな事、汰紀の前で言いたくなかった。こんな姿、汰紀に見せたくなかった。
昔からいつだって、泣いてる汰紀を慰めるのが私の役目で。
私は泣き顔を見られたくなくて、必死に涙が流れるのを堪えた。後にも先にも、汰紀の前で涙を流すのはさっきの一回きりにしたかった。
それなのに、我慢に震える私を、急に温かいものが包んだ。
:08/07/01 01:22
:SH905i
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#14 [みい]
「泣いてもええんやで?」
私の頭上から、汰紀のくぐもった声が聞こえる。
「僕、見てへんから…。せやから、泣き?」
ああ、と思った。これが汰紀の優しさなんだ、と。
私は汰紀の胸に顔を押し付けて思いっきり泣きじゃくった。
その間、汰紀は何も言わずに、ただずっと背中をさすってくれていた。
:08/07/01 01:23
:SH905i
:hXEia10M
#15 [みい]
タンクトップの袖から伸びた、少し汗ばむ筋肉質の腕が背中に回されているのを感じて、汰紀もすっかり男の人になっていたんだなあ、なんて今頃気付いた。
「…ありがと。」
「はい、どういたしまして」
ひとしきり泣いたあと、小さく汰紀の胸を押すと、汰紀は微笑みながらゆっくり私から離れた。
「泣いたらスッキリした!!」
:08/07/01 01:25
:SH905i
:hXEia10M
#16 [みい]
私は今日初めて、汰紀に笑顔を向ける。汰紀もそんな私を見て、また微笑んだ。
「昨日、一人で泣いてたん?」
「なっ!うるさいなあ!!汰紀には関係ないでしょ!?」
ずばり図星だった私は、つい一秒前の笑顔なんて遠くへ追いやって、汰紀の肩をバシバシと叩く。
でも、汰紀はそんな私にニコニコしながらこう言った。
「一人で泣くのはなしやよ?」
:08/07/01 01:28
:SH905i
:hXEia10M
#17 [みい]
「へ?」
「一人で泣いたらあかんよってこと。泣きたなったら僕を呼びい?いつでも来たるさかい。」
そう言って、首を傾げて、分かった?って聞いてきて。
「よっ、余計なお世話だっ!!」
本当は、すごく、すっごく嬉しかったよ?心強かった。
照れ隠しに怒鳴ってみた。でも、汰紀には全部お見通しな気がする。だってその証拠に、ほら…また笑ってる。
:08/07/01 01:29
:SH905i
:hXEia10M
#18 [みい]
「あーっ!早く新しい彼氏作ろっ!」
話題を変えるために、わざと声を大きくしてみた。
「…僕なんかどうでしょ?」
「笑えない冗談止めてよね。」
このあと、汰紀が苦笑いしながら「冗談ちゃうかってんけどな…」なんて頭をかいたことを、私は知らない。
ある暑い夏の日。ゆっくりだけど、少しずつ何かが変わりつつある、そんな二人。
♪
:08/07/01 01:31
:SH905i
:hXEia10M
#19 [みい]
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ある夏の日」終わりです
なんか、、、短すぎたorz
読んで下さった方、ご意
見ご感想、よろしければ
お願いしますっ(>Д<)
>>1みい感想板
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
:08/07/01 01:36
:SH905i
:hXEia10M
#20 [わをん◇◇]
↑(*゚∀゚*)↑(∩゚∀゚)∩age
:23/01/01 20:40
:Android
:2rUS2lJ.
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