【特別企画】1日限りの恋愛短編祭り!【投下スレ】
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#16 [◆BBhDve0Trg]
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中二の秋から中三の冬まで、俺には彼女がいた。
それが美穂。
告白したのは俺から。
美穂は、明るくて頭も良くて綺麗で・・・自慢の彼女だった。
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:08/09/14 13:14 :D904i :☆☆☆
#17 [◆BBhDve0Trg]
『・・・他に好きな人ができたの』
中三の冬、十二月の初め。
そう、ちょうど今頃の時期。
美穂が別れ話を切り出した。
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#18 [◆BBhDve0Trg]
美穂の進路希望は、県内で五本の指に入る進学校。
一方俺は、そことは比べ物にならない普通の県立高校。
美穂が好きになったのは、美穂と同じ高校を目指す進藤。
まぁ、よくある話。
その後、二人は無事志望校に合格し、進藤からの告白で付き合い始めた。
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#19 [◆BBhDve0Trg]
『・・・ごめんね』
別れる時、本当につらそうに美穂は言った。
きっと、俺のことを嫌いになったわけじゃない。
それはよく分かった。
なのに・・・
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#20 [◆BBhDve0Trg]
『もう、いーよ』
俺の口から出たのは、ひどく冷たい一言。
・・・あの時の美穂の泣きそうな顔が、瞼の裏に焼き付いて離れない。
何度も、何度も後悔した。
あの時、もっと優しい言葉をかけてやれたなら。
あんな顔、させずにすんだのに。
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#21 [◆BBhDve0Trg]
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「・・・ここか」
イブ当日、俺は中井に渡された紙を見て、店の名前を確認していた。
(・・・よし)
店のドアに手をかける。
「あれー?サンタ?」
声をかけられて、俺はドアに手を当てた状態で止まった。
(この気の抜けた声は・・・)
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:08/09/14 13:20 :D904i :☆☆☆
#22 [◆BBhDve0Trg]
俺はゆっくりと声のした方を向く。
・・・予想通り。
振り向くと、いや、正確には振り向いて少し下を向くと、中井が不思議そうな顔で俺を見上げていた。
「なに?サンタも遅刻?」
中井は何が楽しいのか、笑いながら言った。
「あぁ、電車乗り過ごして・・・てか中井も?幹事のくせに?」
「ほら!!早く入ろ!!」
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:08/09/14 13:21 :D904i :☆☆☆
#23 [◆BBhDve0Trg]
質問には答えずに、中井は俺を押し退けてさっさと店の中に入っていく。
(・・・おいおい)
呆れながら中井の後に続く。
その時、中井が俺の方を振り向いた。
そして、まるで俺の心を読んだかのように、へへっと笑ってみせた。
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:08/09/14 13:22 :D904i :☆☆☆
#24 [◆BBhDve0Trg]
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「あ、サンタ!!おせーぞー!!」
部屋に入ると、すでに全員揃っていた。
「わりぃ!!電車乗り遅れた」
言いながら俺は、空いていた席に座る。
視界の隅に、美穂と進藤が隣同士に座っているのが見えた。
俺はさりげなく視線をずらして、二人を視界からはずす。
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:08/09/14 13:23 :D904i :☆☆☆
#25 [◆BBhDve0Trg]
まともに見る勇気は、まだない。
「あ、優子おそーい!!てか幹事のくせに遅刻って!!」
トイレに寄っていた中井が、遅れて部屋に入ってきた。
「ごめーんー!!」
手を合わして謝る中井。
(ふ・・・言われてら)
中井は座る暇もなく、もう一人の幹事である三宅に引っ張られ前に出る。
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:08/09/14 13:24 :D904i :☆☆☆
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