【特別企画】1日限りの恋愛短編祭り!【投下スレ】
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#373 [◆j9RqQwYZbM]
何で気が付かなかったんだろう。
私が今まで恋をしていて不満だらけだった理由。それは、いつも相手に咲良を重ねて思っていたからだ。
咲良のような優しさや温もりを相手に求めては、拒まれていた。
そりゃあそうだ。
咲良の優しさは咲良にしか生み出せない。
こんな簡単なことに気が付くまで、随分時間がかかったものだ。
:08/09/15 00:30 :W52P :☆☆☆
#374 [◆j9RqQwYZbM]
ゆっくりと唇を離すと、咲良から花の良い香りがした。
どこか懐かしくて心があったかくなる香り。
「沙保…お前って本当に無茶苦茶だな」
ようやく自由になった口を咲良は不満そうに開いた。その顔はバラより赤くて、また私は笑った。
「無茶苦茶な私に愛を誓ったのは咲良だよ?
最後まで付き合ってもらうから」
私はそう言って微笑むと目を閉じる。
咲良の甘い香りに包まれるのを、心地良く感じながら。
:08/09/15 00:34 :W52P :☆☆☆
#375 [◆j9RqQwYZbM]
:08/09/15 00:36 :W52P :☆☆☆
#376 [◆vzApYZDoz6]
業務連絡
投票開始しました!
bbs1.ryne.jp/r.php/novel/3873/匿名でなら作家さん自身が投票するのもアリなんで、お好きにどうぞw
なお、24:00〜26:00はマージンタイムです!
投票はすでに受付開始していますが、この時間に投下された作品も投票対象になりますのでまだ投下してない方はお早めに!
:08/09/15 00:52 :P903i :☆☆☆
#377 [◆ZPM9124utk]
今から投下させて
頂きます。
題名は【歩道橋の上で】
:08/09/15 01:40 :F705i :☆☆☆
#378 [◆ZPM9124utk]
大学の授業が終わり
大学1年生の
立架絢が自宅への帰り支度
をしているところに
近くで話していた生徒
の声が聞こえてきた。
「ねーねー最近あの歩道橋
に男の人がずっといるの
知ってる?」
:08/09/15 01:41 :F705i :☆☆☆
#379 [◆ZPM9124utk]
「え、何それナンパ?」
「ん〜わかんない…。でも
超イケメンで〜女の子
ガン見してるらしいよ。」
「え〜どうしよ、
見てみたいな。」
絢は鞄に本を詰める手を
休ませて生徒達の話に
思わず聞き入って
しまっていた。
「誰か待ってるのかもね!」
「なーんかそれロマンチック!」
絢は生徒達の話が
一通り済むまで聞くと
鞄を提げコートを羽織り、
生徒達を尻目に
部屋を出て行った。
:08/09/15 01:43 :F705i :☆☆☆
#380 [◆ZPM9124utk]
…―今更あの人が
いる訳ないよね、うん。
だって一年も前の話だし…。
絢はそんなことを思いながら
大学を出て外の冷たい
風を受けコートの襟を
少し立てた。
『カランコロン』
絢は数ヶ月ぶりに聞くドアに
取り付けられたベルの音色
を少し懐かしく思った。
「いらっしゃいませ…
絢ちゃん!久しぶり!!」
コーヒーを淹れていた
短髪の青年の
店員が嬉しそうに絢に
声をかけた。
:08/09/15 01:45 :F705i :☆☆☆
#381 [◆ZPM9124utk]
「久しぶり、元気してた?」
絢も微笑みながら、
店員の近くのカウンター席
に腰を下ろした。
「元気元気!あの頃は
店に慣れなかったけど、
今はこの通り副店長だよ!!」
店長は誇らしげに
制服の胸ポケットに
付けていたネームプレートを
指した。
確かに「副店長」と印刷
されている。
:08/09/15 01:47 :F705i :☆☆☆
#382 [◆ZPM9124utk]
「たった一年で!
…変わるもんなんだね。」
「うん、一年は大きいよ。
あ、絢ちゃん何頼む?」
「それじゃあ紅茶を。」
メニューも見ずに即答した
絢に副店長は頷き、
淹れたコーヒーを他の店員に
渡すと、今度は紅茶を
淹れ始めた。
「絢ちゃんは、アイツが
いなくなった、ってだけで
何にも変わらないね。」
「…アイツって、」
「峰原悠二のこと。」
:08/09/15 01:48 :F705i :☆☆☆
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