【特別企画】1日限りの恋愛短編祭り!【投下スレ】
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#64 [◆67oIOf49hA]
「なぁに?」
「まだいたの?」
「だって、約束したんだもの」
「でもあなた、自分で言ったじゃない。もう無理だって」
待つのが無理なのじゃない。
私の体が無理なのだ。
私は短い一生を終えようとしている。
体はボロボロで、立っているのだってやっとだ。
前はあんなに近かった白い雲が、今ではこんなにも遠い……。
あなたが来ない日が続いた。
私の命が途絶える日が近づいてきた。
:08/09/14 14:10 :SO906i :☆☆☆
#65 [◆67oIOf49hA]
早く来て……。
せめて最後に一目だけ会いたいの……。
意識が薄れる中、近くにある建物の鐘が大きく何回も鳴り響いた。
必死にその方を見れば、そこからたくさんの人が出てくる。
そして、私は見た。
花びらが舞う中を、白い服で身を包んで楽しそうに笑っているあなたを。
隣にいる誰かと一緒に笑っているあなたを……。
でもいい……。
それでもいいの……。
もう一度会えた。
それが嬉しい。
:08/09/14 14:11 :SO906i :☆☆☆
#66 [◆67oIOf49hA]
あなたが幸せならそれだけでいいの。
ありがとう。
あの日、私に気づいてくれて。
寂しさに気づいてくれて。
温かな気持ちをくれて。
幸せに……。
どうか幸せに……。
ああ、もう時間だ。
いかなくちゃ……。
―――――――――…………
「あ……っ」
「どうしたの?」
「この前来た時は元気だったのに。ホラ、可愛い花だろう?1人ぼっちで咲いてたから気になったんだ」
:08/09/14 14:12 :SO906i :☆☆☆
#67 [◆67oIOf49hA]
「あらこれスズランじゃない。見つけたって事は、私達、幸せになれるのでしょうね」
彼女は微笑む。
彼は1輪の花を手にとった。
もうシャキリと立つことが出来ないしなったその花を見た彼は、どうしてか泣きたい衝動にかられた。
ふわりとやわらかな風が吹いた時、彼は確かに聞いた。
―ありがとう―
小さな小さな可愛らしい声は、やがて風とともに溶けていった……。
-end-
:08/09/14 14:13 :SO906i :☆☆☆
#68 [◆67oIOf49hA]
:08/09/14 14:14 :SO906i :☆☆☆
#69 [◆EOLHvvAOaU]
今から投下します
「雨のち…」
:08/09/14 14:18 :812SH :☆☆☆
#70 [◆EOLHvvAOaU]
シ
きっと…私達は……
私と雅也は
もうダメなんだ
そんな事を思い
携帯を握り締めながら
冷たい雨に打たれていた
雅也は雨が好きだった
あれ…?
でも、何で雨が好きなんだったっけ?
今となっては…もう思い出せない
:08/09/14 14:19 :812SH :☆☆☆
#71 [◆EOLHvvAOaU]
昔はきっと
答えられたはず…
私達…いつから
こーなってしまったの?
今日は本当なら5年記念日を祝うはずだったのに
私は雨に打たれながら
二人の終わりを
予感していた
:08/09/14 14:20 :812SH :☆☆☆
#72 [◆EOLHvvAOaU]
きっと二人に溝が出来始めたのは
私が雅也に
プロポーズしたあの日
……………………………
「ね…雅也。私達あと半年で5年だね?」
私はもう通い慣れた
雅也の部屋でくつろぎながら話を切り出す
:08/09/14 14:21 :812SH :☆☆☆
#73 [◆EOLHvvAOaU]
雅也は夢追い人で
漫画家を目指していた
その為今も
今度応募する為の原稿にペンを走らせながら
私の話しに相槌をうつ
「んー…」
そっけない返事…
いつからかな?
二人一緒にいるのに
一人みたいに感じる様になったのは……
:08/09/14 14:22 :812SH :☆☆☆
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