【特別企画】1日限りの恋愛短編祭り!【投下スレ】
最新 最初 🆕
#334 [◆SjNZMOXdWE]
きっと空だって蝶が可愛くて仕方ないから、優しく見守るだけじゃ済まないだろ。

そんなこじつけを考えながら、日向のおでこにキスをする。

顔を見合わせるとまたも笑顔がこぼれてしまう。

「こんな‥俺でいいの?」


おでこをくっつけて、日向にだけ聞こえるくらいの声で話す。

まばゆい程の甘い笑顔で頷く日向は可愛過ぎて‥‥




時が止まったんじゃないかと思えるくらい、長い長いキスを交わした。

⏰:08/09/14 21:53 📱:SH706i 🆔:☆☆☆


#335 [◆SjNZMOXdWE]
いつも見上げればそこにあるあの空ように‥

永遠に君を見守り続ける。


‥甘ったるいこの感覚は、さしずめ花の蜜ってとこかな‥‥?




  □■■■■■■■■   HAPPY END
  ■■■■■■■■□

⏰:08/09/14 21:53 📱:SH706i 🆔:☆☆☆


#336 [◆SjNZMOXdWE]
【投下終了】

青虫は空に恋をし蝶になる

>>294-335

次の方どうぞ‥

⏰:08/09/14 21:55 📱:SH706i 🆔:☆☆☆


#337 [◆8HAMY6FOAU]
今から投下します!


タイトルは「踊り狂え、愛しきピエロ」です

⏰:08/09/14 22:17 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#338 [◆8HAMY6FOAU]
俺は彼女のことをあまり理解してなかったんだと思う。

「好きな人が出来たの」

そう告げる彼女の眼は、斜め右下を向いていた。
考えもしなかった事態に頭の中が真っ白になって、沈黙のパレードが彼女と俺の間を延々行進する。
いつまで経っても俺は、言葉を返せなかった。

⏰:08/09/14 22:19 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#339 [◆8HAMY6FOAU]
 

一人暮らしのアパートに帰って彼女の言葉を思い返すと、心臓を鷲掴みにされた気分になって情けなくも涙が溢れた。
ゴミや雑誌が散らかり放題の戦場みたいな部屋、その真ん中にだらしなく敷かれた万年床の布団に座り込んで、ただただ泣いた。
四年間恋人として過ごした女(ひと)との思い出が、鳴咽を漏らし泣きじゃくる俺の脳裏に浮かび上がっては消えていく。

⏰:08/09/14 22:20 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#340 [◆8HAMY6FOAU]
 
まだ俺たちが付き合いたての頃、大学の帰り道に寄ったスーパー。
慣れた手つきで夕食の材料を選んでは黄色いかごに入れていく彼女の後ろ姿を、俺は世界で一番の幸せ者だと思いながら眺めていた。

「ねぇ、野菜炒めでいいかな?」

俺がいくら我が儘を言っても、何時間と待ち合わせに遅れても、どれだけバイトの愚痴を零しても、彼女はいつも天使みたいに優しく頷いてくれる。
かわいくて、気が利いて、頭も良くて、その上料理も出来る彼女。
この時、俺はコイツと結婚しようと心に決めたんだった。

⏰:08/09/14 22:21 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#341 [◆8HAMY6FOAU]
 

なのに、どうして俺は。


一年も経つと俺は、彼女を放置するようになっていた。
約束を破るのも、電話に出ないのも、メールを返さないのも、日常茶飯事。
しかも最低なことに、そうやって彼女を放置している間俺は幾度となく他の女たちの嬌声を浴びていた。
映画俳優として有名になるのが夢だった俺は、オーディションに落ちる度に彼女を放置し、小さな役を貰う度に彼女を求める、そんな愚行を繰り返した。
理由はわかっている。
彼女の瞳に映るには、どうしても自信が必要だったんだ。
虚勢やら見栄やらを何もかも食い尽くしてしまうような、あの透明な視線が恐かったのかもしれない。

⏰:08/09/14 22:22 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#342 [◆8HAMY6FOAU]
 
実際、彼女は俺の浮気を見抜いていた。
一度二度バレてからはそれを隠そうともしなくなっていた俺に、彼女は訊く。

「遅かったね。また女の子と一緒だったの?」

そう言われるともう、開き直るしかなかった。
自分が間違っているなんてことは俺の中でも果てしなく明白で。
ただ、彼女の前では何故か自分の非を認めることが出来なかった。

「どうしてそういうことしちゃうの? 他に好きな人が出来たんなら、正直に言うべきだよ」

⏰:08/09/14 22:22 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#343 [◆8HAMY6FOAU]
 
違う、好きなんかじゃない。
俺が好きなのはコイツだけなんだ、信じてはもらえないだろうけど。
言い訳をすると、役者仲間が女癖の悪いやつばかりなのがいけなかった、俺は流されていた。

「自分を持たなきゃダメよ。あなたには才能があるんだから」

彼女は役者としての俺の才能を、絶対的に認めてくれていた。
どんなに小さな役しか貰えなくても今まで続けて来られたのは、その事実があったからだ。
彼女の支えが無かったら、俺は諦めていただろう。
しかしそんな恩を感じながらもどうしてか素直に甘えることは出来なくて、俺はその後も数えきれないほどの禁忌を繰り返す。

⏰:08/09/14 22:24 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


★コメント★

←次 | 前→
↩ トピック
msgβ
💬
🔍 ↔ 📝
C-BoX E194.194