【特別企画】1日限りの恋愛短編祭り!【投下スレ】
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#36 [◆BBhDve0Trg]
 
あの時、傷つけてごめん。

優しくなれなくて、ごめん。


「・・・美穂」

「ん?」

美穂がきょとんとした顔で俺を見る。
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⏰:08/09/14 13:34 📱:D904i 🆔:☆☆☆


#37 [◆BBhDve0Trg]
 
(・・・あ)

言いたいことはいっぱいありはずなのに、いざとなると言葉が出てこなくて、俺は固まってしまった。

顔が赤くなるのが分かる。

そんな俺を見て、美穂は優しく微笑む。

「・・・一輝、私ね」

口を開いた。
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⏰:08/09/14 13:35 📱:D904i 🆔:☆☆☆


#38 [◆BBhDve0Trg]
 
「一輝のこと、本当に好きだったよ」

そう言って、美穂は少しうつむいた。

長い髪がさらりと揺れる。


・・・美穂に、こんなこと言ってもらえるとは思ってなかった。

俺も・・・今なら言えると思った。

もう、絶対に後悔したくない。

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⏰:08/09/14 13:36 📱:D904i 🆔:☆☆☆


#39 [◆BBhDve0Trg]
 

俺は冷たい空気を吸い込んだ。

今は、夜空の星でさえも自分を応援してくれている気がする。

(・・・よし)

「・・・俺さ、ずっと後悔してたんだ」

白い息とともに、吐き出すように言った。

美穂が、真剣な顔で俺を見る。
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⏰:08/09/14 13:37 📱:D904i 🆔:☆☆☆


#40 [◆BBhDve0Trg]
 
「最後に・・・美穂に冷たい言葉しか掛けれなかったこと」

美穂は、驚いたような顔をした。

「美穂のこと、好きだったのに・・・泣きそうな顔させた」

俺は目をつむって、頭を下げた。

「・・・あの時は、ごめん」

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⏰:08/09/14 13:38 📱:D904i 🆔:☆☆☆


#41 [◆BBhDve0Trg]
 

やっと言えた。

謝ったからって、傷つけた事実が変わる訳じゃないし、ただの自己満足かもしれない。

けど、言わずにはいられなかった。


「一輝・・・顔上げて」

美穂に言われて、俺はゆっくりと顔を上げる。

それを確認して、美穂は口を開いた。
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⏰:08/09/14 13:39 📱:D904i 🆔:☆☆☆


#42 [◆BBhDve0Trg]
 
「・・・よかった。私、一輝に嫌われたかと思ってたから」

美穂の言葉に、俺はブンブンと首を横に振った。

そんな俺を見て、美穂は微笑んだ。

「自分勝手だけと・・・一年以上付き合って、嫌われて終わるのって悲しいから・・・ずっと、聞きたかったの」

言った後、今度は美穂が頭を下げる。
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⏰:08/09/14 13:40 📱:D904i 🆔:☆☆☆


#43 [◆BBhDve0Trg]
 
「・・・今まで、本当にありがとう。一輝と付き合って、すごく楽しかった」

美穂が言った。


心が軽くなった気がした。

ずっと胸につっかえていたものが、すーっと消えていくのが分かった。

あぁ・・・美穂も同じだったんだ。

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⏰:08/09/14 13:41 📱:D904i 🆔:☆☆☆


#44 [◆BBhDve0Trg]
 

「・・・美穂」

美穂が顔を上げる。


俺も、ずっと言いたかったことがある。

あの時言えなかった言葉。

今度こそ、伝えたい。


美穂の顔を見て、自然に笑えた。

「俺も・・・今までありがとう・・・幸せになってな!!」
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⏰:08/09/14 13:42 📱:D904i 🆔:☆☆☆


#45 [◆BBhDve0Trg]
 
ずっと言いたかった言葉。

それを聞いて、美穂は大きくうなずいた。

そして、照れたように笑う。

「今日、来てよかった。一輝と話せてよかったよ。・・・優子に感謝しなきゃな」

「へ?中井?」

俺が言うと、美穂はしまったという風に口を押さえた。
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⏰:08/09/14 13:43 📱:D904i 🆔:☆☆☆


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