【特別企画】1日限りの恋愛短編祭り!【投下スレ】
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#65 [◆67oIOf49hA]
早く来て……。
せめて最後に一目だけ会いたいの……。

意識が薄れる中、近くにある建物の鐘が大きく何回も鳴り響いた。

必死にその方を見れば、そこからたくさんの人が出てくる。

そして、私は見た。
花びらが舞う中を、白い服で身を包んで楽しそうに笑っているあなたを。

隣にいる誰かと一緒に笑っているあなたを……。

でもいい……。
それでもいいの……。

もう一度会えた。
それが嬉しい。

⏰:08/09/14 14:11 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#66 [◆67oIOf49hA]
あなたが幸せならそれだけでいいの。

ありがとう。

あの日、私に気づいてくれて。
寂しさに気づいてくれて。
温かな気持ちをくれて。

幸せに……。
どうか幸せに……。

ああ、もう時間だ。
いかなくちゃ……。

―――――――――…………

「あ……っ」

「どうしたの?」

「この前来た時は元気だったのに。ホラ、可愛い花だろう?1人ぼっちで咲いてたから気になったんだ」

⏰:08/09/14 14:12 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#67 [◆67oIOf49hA]
「あらこれスズランじゃない。見つけたって事は、私達、幸せになれるのでしょうね」

彼女は微笑む。

彼は1輪の花を手にとった。

もうシャキリと立つことが出来ないしなったその花を見た彼は、どうしてか泣きたい衝動にかられた。

ふわりとやわらかな風が吹いた時、彼は確かに聞いた。

―ありがとう―

小さな小さな可愛らしい声は、やがて風とともに溶けていった……。


-end-

⏰:08/09/14 14:13 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#68 [◆67oIOf49hA]
「幸せの象徴」

>>60-67

次の方どうぞ

⏰:08/09/14 14:14 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#69 [◆EOLHvvAOaU]
今から投下します
「雨のち…」

⏰:08/09/14 14:18 📱:812SH 🆔:☆☆☆


#70 [◆EOLHvvAOaU]
シ 
きっと…私達は……
私と雅也は
もうダメなんだ


そんな事を思い
携帯を握り締めながら
冷たい雨に打たれていた



雅也は雨が好きだった
あれ…?
でも、何で雨が好きなんだったっけ?



今となっては…もう思い出せない
 

⏰:08/09/14 14:19 📱:812SH 🆔:☆☆☆


#71 [◆EOLHvvAOaU]
 
昔はきっと
答えられたはず…


私達…いつから
こーなってしまったの?



今日は本当なら5年記念日を祝うはずだったのに


私は雨に打たれながら
二人の終わりを
予感していた
 

⏰:08/09/14 14:20 📱:812SH 🆔:☆☆☆


#72 [◆EOLHvvAOaU]
 
きっと二人に溝が出来始めたのは
私が雅也に
プロポーズしたあの日



……………………………



「ね…雅也。私達あと半年で5年だね?」


私はもう通い慣れた
雅也の部屋でくつろぎながら話を切り出す
 

⏰:08/09/14 14:21 📱:812SH 🆔:☆☆☆


#73 [◆EOLHvvAOaU]
 
雅也は夢追い人で
漫画家を目指していた
その為今も
今度応募する為の原稿にペンを走らせながら
私の話しに相槌をうつ



「んー…」



そっけない返事…
いつからかな?
二人一緒にいるのに
一人みたいに感じる様になったのは……
 

⏰:08/09/14 14:22 📱:812SH 🆔:☆☆☆


#74 [◆EOLHvvAOaU]
 
一緒に居ればいるほど
素敵な事が増えてく
そんな時代はもう終わってしまったのかな…?



私も、もう30手前…
正直結婚に焦りを覚えている
けど結婚の『け』の字も出てこない
だから決めた。



「ね、雅也…。
結婚…しよ?」
 

⏰:08/09/14 14:22 📱:812SH 🆔:☆☆☆


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