Fantasy Story
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#11 [英]



「…一体何が起こってんだ?」



兄貴は確かに存在していた。だって家に帰れば兄貴の部屋がそのままあるし、アルバムだって見れば家族で写ってる写真もあるんだから。


それなのに何で皆知らないって言うんだよ…!



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⏰:08/09/06 15:16 📱:W53T 🆔:0J8yRLx.


#12 [英]




わけわかんねぇ!そう溜め息と一緒に吐き目を閉じると、顔に陰がかかった。

空は青空。
雲ひとつ無く、とても良い天気だ。それに自分の周りに陰が出来るような物は何ひとつ無い。


……そう思いながら恐る恐る瞼を上げると、見知らぬ女の子のドアップが――



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⏰:08/09/08 01:06 📱:W53T 🆔:UFXEwrvI


#13 [英]





「……うわぁっ?!!」



驚きの声をあげるのと同時に勢い良く身体を起こした。すると女の子の顔と自分の額が大きな音を立てぶつかった。

額はズキズキと痛み、それはもう涙が滲むぐらい痛い。


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⏰:08/09/09 15:28 📱:W53T 🆔:veevqq1o


#14 [英]


「ご、ごめ――」
「ごめんなさい、驚かせてしまいましたね」


謝ろうと口を開くとそれは直ぐに遮られてしまった。
鼻を擦りながら女の子は申し訳なさそうにし、頭を下げて来た。

確かに驚いたけど、僕が起き上がったりしなかったらぶつかる事も無かったし…


「僕の方こそごめんね…鼻、大丈夫?」


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⏰:08/09/13 02:15 📱:W53T 🆔:s2jL32tk


#15 [英]


小首を傾げながら聞くと、女の子は赤くなった鼻を擦るのを止め、ふわりと笑った。


「私は大丈夫ですよ。心配してくれて有難う」


幼く可愛らしい外見には似合わぬ大人びた話し方。

まじまじと目の前に居る子を見て見れば…ピンク色の長い髪に、薄紫の瞳と何とも不思議色をもった姿だった。


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⏰:08/09/13 02:42 📱:W53T 🆔:s2jL32tk


#16 [英]
>>15
訂正。

不思議色ではなく、
不思議な色。


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⏰:08/09/13 02:44 📱:W53T 🆔:s2jL32tk


#17 [英]
>>15続きです。



染めてるのかな…でもこんな綺麗に染まるもんなのか…
目はやっぱカラコン?

それにこの服って…



髪や顔から下へ目を向けると、彼女は学校の制服ではなく…ファンタジーの映画や漫画に出てきそうな白のローブを羽織っているのに気付いた。
黄金色の刺繍がいくつも入っていて、それはとても綺麗だった。


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⏰:08/09/13 10:57 📱:W53T 🆔:s2jL32tk


#18 [英]


コスプレにしては良く出来てるし…でも、何だかコスプレとかじゃなく、本当に何かの物語に居るような……この世界の人間ではない気がした。



「…君は一体…」



――誰なの?
そう言おうと口を開けば、彼女は薄紫の瞳を楽しそうに細めた。


「さあ、誰でしょう――でも分からないままじゃつまらないですよね…」



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⏰:08/09/14 14:33 📱:W53T 🆔:7.B.APkA


#19 [英]
"
唇に人差し指を当て、小さく唸るかと思えば今度は唇を弧の形にし、更に言葉を続けた。


「貴方のお兄さんを“向こう”へ連れてった者…とでも言っときましょうか」

「?!」



……連れてったって…この子が兄貴を?
それに“向こう”って何処の事言ってるんだろうか…。


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⏰:08/09/15 14:55 📱:W53T 🆔:keVmWsYw


#20 [英]
"

「じゃあ…皆が兄貴の事忘れてるのも…」

「私がやりました。騒ぎになったら大変ですから皆さんの記憶を少々弄らせてもらいました」


人間にそんな事できるのか。…出来ないと頭で分かっているのに何故か彼女の言葉が本当の事に聞こえてくる。

でももし、これが本当の話なら兄貴は戻って来るかも――そう呟けば目の前にあるピンクの髪が揺れた。


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⏰:08/09/15 15:00 📱:W53T 🆔:keVmWsYw


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