「好き」と言いたい。2
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#102 [あんみつ]
 

俺たちはぎこちない。

もうずいぶん前から。

二人の間に流れる空気が、以前のそれとは違うことをお互いによく分かってる。

けどお互いに何も言わなかった。

時々一緒に帰って、たわいもない話をする。

そんな日々が続いていた。

原因が俺にあるのは痛いぐらい分かってる。

けど、もうどうすればいいのか分からない。

分かってるのは……もうダメなんだろうなってこと。

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⏰:09/08/09 09:14 📱:D904i 🆔:wmR599IM


#103 [あんみつ]
 

(……あ)

昇降口を出ると、前の方にねこの後ろ姿が見えた。

ねこの隣には、誰もいない。

夕日に照らされるその背中を、俺は目を細めて見つめた。

小さくて、どこか寂しげなその背中に、俺は駆け寄りたい衝動にかられた。

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⏰:09/08/09 09:16 📱:D904i 🆔:wmR599IM


#104 [あんみつ]
 

ねこを突き放したのは俺。

それがお互いのためだと思ったから。

けど……

ねこは今独りだ。

昔からこんな時、自ら駆け寄ってねこの隣を歩くのが俺の役目だった。

……今の俺にそんな資格はない。
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⏰:09/08/09 09:18 📱:D904i 🆔:wmR599IM


#105 [あんみつ]
 
俺の隣には佐古。

ねこを突き放したのは俺。

俺は佐古の彼氏。

ねこと俺は……幼なじみ。

……そうだろ?

なぁ、ねこ。

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⏰:09/08/09 09:20 📱:D904i 🆔:wmR599IM


#106 [あんみつ]
 

俺はぎゅっと手を握りしめた。

爪が手のひらに食い込んで、小さな痛みが走る。

我に返った俺は、隣に佐古がいないことに気づいた。

少し後ろを振り返ると、佐古が立ち止まっている。

「……佐古?」

呼びかけに答えず、じっと俺を見る佐古。

その目は今にも泣きそうだった。
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⏰:09/08/09 09:22 📱:D904i 🆔:wmR599IM


#107 [あんみつ]
 
それに気付いたのに、俺は足はその場から動かない。

風が吹いて佐古の髪がなびく。

「……別れてください」

その風に乗せて、吐き出すように佐古は言った。

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⏰:09/08/09 09:23 📱:D904i 🆔:wmR599IM


#108 [あんみつ]
――――――――


いつか、こんな日が来るんじゃないかって思ってた。


「別れてください」

何も言わない俺に、佐古はもう一度言った。

さっきまでの泣きそうな目じゃない。

真剣な目で俺を見る。
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⏰:09/08/09 09:24 📱:D904i 🆔:wmR599IM


#109 [あんみつ]
 
……あぁ、もう終わりなんだ。

「健二先輩が悪いんじゃない……私が弱かっただけ」

そう言うと佐古は、少し目を伏せた。

「佐古……ごめん」

俺はそれだけ言うのが精一杯だった。

「ちょっとー!謝らないでくださいよ!振ったの私なんですから」

佐古は笑いながら近づいてきて、俺の腕を叩く。
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⏰:09/08/09 09:27 📱:D904i 🆔:wmR599IM


#110 [あんみつ]
 
そして、言い終わると同時に、俺の腕を叩いていた手を力なくおろした。

「……最後に、もう一度だけ聞いてもいいですか?」

俺を見上げて佐古が言う。

「……なに?」

精一杯の優しさを込めて俺は聞いた。

「健二先輩にとっての一番って誰ですか?」

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⏰:09/08/09 09:28 📱:D904i 🆔:wmR599IM


#111 [あんみつ]
 

……一番?

俺にとっての一番?

佐古のでも洋平のでも

ねこにとっての一番でなく。

俺の……

俺にとっての一番は……


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⏰:09/08/09 09:36 📱:D904i 🆔:wmR599IM


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