「好き」と言いたい。2
最新 最初 🆕
#112 [あんみつ]
 




『健二!』




.

⏰:09/08/09 09:37 📱:D904i 🆔:wmR599IM


#113 [あんみつ]
 

「……あ」

その瞬間気付いた。

誰にとってのでもない、俺にとっての一番を考えた時、真っ先に頭に浮かんだのは……ねこの顔だった。

「やっと気付きましたか?」

そんな俺の心を見透かしたかのように佐古が言う。

頷く俺を見て佐古は微笑んだ。
.

⏰:09/08/09 09:38 📱:D904i 🆔:wmR599IM


#114 [あんみつ]
 
「……私きっと、根宮先輩の隣にいる健二先輩を好きになったんです。根宮先輩の隣にいる健二先輩が、一番かっこよかった」

独り言のように言って、佐古は再び俺の腕を叩く。

「今ならまだ近くにいるはずですよ!」

「……佐古」

叩きながら佐古はうつむいた。
.

⏰:09/08/09 09:40 📱:D904i 🆔:wmR599IM


#115 [あんみつ]
 
「だからっ……早く……」

小さくなる佐古の声。

力が弱くなる佐古の手。

「っ……早く行って!!」

最後に佐古は、力強く俺を押した。

.

⏰:09/08/09 09:43 📱:D904i 🆔:wmR599IM


#116 [あんみつ]
 

……最後まで傷つけてばかりで、ごめん。

けど、佐古と付き合って見つけたものはたくさんあった。

だから……


「ありがとう」

そう言って俺は走り出した。

後ろは振り向かなかった。

.

⏰:09/08/09 09:44 📱:D904i 🆔:wmR599IM


#117 [あんみつ]
――――――――


ずっと、ずっと一緒にいた。

絶対に失したくない、大切な存在。

これからもずっと、ずっと変わらないと思ってた。


.

⏰:09/08/09 11:27 📱:D904i 🆔:wmR599IM


#118 [あんみつ]
 


俺は走った。

何度もねこと歩いた学校から家までの道を。

郵便局の角を曲がって、庭に大型犬のいる家の前を通り過ぎる。

通い慣れた道。

あの背中を探して、走った。


.

⏰:09/08/09 11:29 📱:D904i 🆔:wmR599IM


#119 [あんみつ]
 

『健二には……関係ない!』


『……ごめん、ね』


『佐古さん大事にしてあげなよ!』


ねこの声が表情が、頭に浮かんでは消える。

.

⏰:09/08/09 11:30 📱:D904i 🆔:wmR599IM


#120 [あんみつ]
 


なんで気付かなかったんだろう。

あの時も、あの時も、昔からずっと。

俺の一番は、ねこだった。

考えてみれば簡単なこと。

俺にはねこ以外いないのに。

ねこの存在だけで、世界はこんなに違うのに。


.

⏰:09/08/09 11:31 📱:D904i 🆔:wmR599IM


#121 [あんみつ]
 

ねこの家の前に着いて、一か八かでチャイムを押してみる。

が、案の定返事はない。

そりゃそうだ。

俺の足なら、ねこが家に着く前に追いついたはずなんだ。

「……はぁ……くそっ」

(……どこ行ったんだよ)

俺は息を休める暇もなくまた走り出した。


.

⏰:09/08/09 11:33 📱:D904i 🆔:wmR599IM


★コメント★

←次 | 前→
↩ トピック
msgβ
💬
🔍 ↔ 📝
C-BoX E194.194