〜哀しき運命〜
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#350 [優]
ま先輩が言う
“奇跡”が起こったのは
それから数ヶ月後のことだった。
美『ありがとうございます!お気を付けて!!』
いつものように仕事をして
お客様を見送った。
上がりまであと一時間。
立ちっぱなしで
むくんでいる足を
気にしながらも洗ったタオルを
ハンガーに掛けていた。
:09/01/30 13:56
:SH905iTV
:☆☆☆
#351 [優]
カランカランー
先『いらっしゃいませ!!』
ドアが開く音とともに
先輩やスタッフの声が
元気よく聞こえる。
その声をこだまするように
あたしも入り口を見て
挨拶しようとした。
………ガシャンー
その瞬間持っていた
洗濯かごを床に落とした。
:09/01/30 13:59
:SH905iTV
:☆☆☆
#352 [優]
だって…………
……だって…
入ってきたのは
紛れも無く
ひろちゃんだったから…。
:09/01/30 14:00
:SH905iTV
:☆☆☆
#353 [優]
まるで時間が
止まったかのように
見つめ合った。
5年ぶりに見るひろちゃんは
背がすごく伸びて、
髪は明るい茶色に
所々金メッシュが入っていた。
先『………の……ん?……みのちゃん…!?』
美『あ!!はい、すいません!!』
あたしは慌てて
散らばったタオルと
洗濯かごを持って
スタッフルームに入った。
:09/01/30 14:05
:SH905iTV
:☆☆☆
#354 [優]
ガラガラー
先『…みのちゃん?』
美『…は、はい!?』
先輩はあたしを追いかけて
スタッフルームへと
入ってきた。
先『………彼が例の?』
あたしは返事の代わりに
黙ってうなづいた。
先『じゃあ、彼のシャンプーはみのちゃんが担当ね。』
:09/01/30 14:08
:SH905iTV
:☆☆☆
#355 [優]
何を思ったか先輩は
いきなりそんな事を言った。
美『だっ、ダメです!!無理です無理!!』
あたしは半泣きで
先輩に縋ったけど
鬼と化した先輩は
強制的にひろちゃんの
シャンプー担当を押し付けた。
先『決まったらさっさと戻る!!』
:09/01/30 14:13
:SH905iTV
:☆☆☆
#356 [優]
先輩はこう見えても
うちの店のチーフだから
チーフの言うことは
絶対であって、
おまけにあたしは入社して
一年の見習いの為
シャンプーしか
担当させてもらえなかった。
渋々戻り、恐る恐る
ひろちゃんの
座っている席に近づいた。
:09/01/30 14:15
:SH905iTV
:☆☆☆
#357 [優]
美『お、お待たせ致しました。シャンプーを担当させて戴きます鈴木です。あちらのシャンプー台へどうぞ〃』
雑誌を見て待っていた
ひろちゃんに
目を合わせないで言った。
ひろちゃんもさっきとは
打って変わって
あたしを見ようとしなかった。
美『椅子を倒しますね。』
そう言ってボタンを
押した時…
:09/01/30 14:18
:SH905iTV
:☆☆☆
#358 [優]
宏『久しぶりだな、みー…〃』
変わらない大好きな声で
ひろちゃんが言った。
思わず涙が出そうになった。
ひろちゃんは顔に
タオルがかかっているため
どんな表情をして
言っているのかもわからなかった。
美『…そー…だね〃』
宏『ここで働いてたんだな…。』
美『うん〃』
:09/01/30 14:22
:SH905iTV
:☆☆☆
#359 [優]
ひろちゃんの髪に
触る手が熱い。
全神経が
指先に集中しているような
感じだった。
偽りでも幻でもない
本物のひろちゃんが
今目の前にいる。
触れる手から伝わる
ひろちゃんの温度が
あたしの鼓動を早める…。
:09/01/30 14:24
:SH905iTV
:☆☆☆
#360 [優]
宏『みー、男出来たか?』
突然の質問にドキッとした。
美『…出来てないよ…〃』
宏『なんだよ、まだ独りもんかぁ〜〃』
“そう言うひろちゃんは?”
そう聞きたいけど
答えが怖くて
聞けない臆病なあたし。
:09/01/30 14:27
:SH905iTV
:☆☆☆
#361 [優]
宏『タバコ吸っていい?』
シャンプーが終わってから、
ひろちゃんが言った。
美『…う、うん。』
そしてタバコに火を
付けるとき見てしまった……
ひろちゃんの左手薬指に
キラキラと光るシルバーリング。
:09/01/30 14:30
:SH905iTV
:☆☆☆
#362 [優]
結婚………
したんだ…………?
:09/01/30 14:31
:SH905iTV
:☆☆☆
#363 [優]
それからどんな会話を
したとか正直覚えていない。
ただ覚えているのは…
特別な話をするわけでもなく
また会う約束を
するわけでもなく
ひろちゃんは
帰って行ったって事だけ…。
気が付けば
仕事が終わってから
店を出てとぼとぼと
街を歩いていた。
:09/01/30 14:36
:SH905iTV
:☆☆☆
#364 [優]
慎《みのちゃん!?よかった!やっと出た!ずっと電話してるのにでないんだもん。今どこ!?》
電話の相手は慎太郎だった。
美『………』
声が…
声が出なかった…。
慎《みのちゃん!?みのちゃん!?どうした!?》
美『…ひっく………〃』
ずっと流してなかった
涙が流れた。
:09/01/30 14:40
:SH905iTV
:☆☆☆
#365 [優]
慎《今すぐ行くからいつもの喫茶店で待ってて!!》
そう言うと慎太郎は
電話を切った。
あたしは喫茶店に向かって
歩きはじめた。
:09/01/30 14:42
:SH905iTV
:☆☆☆
#366 [優]
>>264☆訂正☆
ちょっと中身が抜けました

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
ピロロッー
鞄のなかのケータイが
鳴っていることに気づき、
取り出して電話に出た。
美『…はい?』
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
を始めに入れるはずでした

すいません

:09/01/30 15:18
:SH905iTV
:☆☆☆
#367 [優]
感想板です
もし良かったら
感想ください

bbs1.ryne.jp/r.php/novel/4202/
:09/01/30 15:21
:SH905iTV
:☆☆☆
#368 [優]
:09/01/30 15:24
:SH905iTV
:☆☆☆
#369 [優]
>>365あたしは泣きながら
喫茶店に向かっていた。
でも、歩いている時ふと
立ち止まった。
今、慎太郎に会って何を
話すのか…。
自分を好いてくれる慎太郎に
ひろちゃんの相談なんてしたら
可哀相なんじゃないか……
そう思って来た道を
戻ろうとした。
:09/01/30 16:34
:SH905iTV
:☆☆☆
#370 [優]
『みのッ!!!!』
突然呼ばれ、
腕をグイっと引っ張られた。
顔を見ると引っ張ったのは
息を切らして汗を流している
慎太郎だった。
あたしはそんな
慎太郎の姿を見て
また涙を流した。
慎『み、み、みのちゃん!?どーした!?』
慎太郎が焦ってあたしの顔を
覗き込んだ。
:09/01/30 16:39
:SH905iTV
:☆☆☆
#371 [優]
ねぇ、あたし
なんで慎太郎じゃ
ダメなのかな?
こんなに想ってくれて
こんなに大事にしてくれて、
嬉しくて涙が出る…。
……なのにあたしは
なんで慎太郎じゃダメなの…?
慎『何か…あったのか?』
慎太郎は泣いている子供を
宥めるような優しい口調で
聞いてきた。
:09/01/30 16:41
:SH905iTV
:☆☆☆
#372 [優]
美『…………』
慎『…みのちゃん?泣いてちゃわかんねぇよ…?どうした?』
優しくて…
男らしくて……
かっこよくて……
いつもあたしを
第一に考えてくれる慎太郎…。
ねぇ、ひろちゃん?
…もうあたし
流されてもいい…?
:09/01/30 16:45
:SH905iTV
:☆☆☆
#373 [優]
美『慎太郎くん……あたしと…………付き合って………?』
それが
あたしが
苦しんだ末に出した答え…。
:09/01/30 16:46
:SH905iTV
:☆☆☆
#374 [優]
慎太郎は黙って
俯いたままだった。
美『………』
あたしも黙っていると
掴んでいる手に力がはいって
強く、強く握られた。
慎『……俺で……いいの…?』
あたしは黙ってうなづいた。
グイッー
その瞬間、慎太郎に
抱き寄せられた。
:09/01/30 16:49
:SH905iTV
:☆☆☆
#375 [優]
慎『無理すんなって…〃俺は、いつまでもそばにいるから…離れたりしねぇから……だから無理してまで俺を見る必要ねぇから…〃』
慎太郎には
あたしの考えてる事が
お見通しだった。
なんでこんなに
優しいんだろう…。
なんでこんなに
あたしの事を考えて
くれるんだろう…。
:09/01/30 16:54
:SH905iTV
:☆☆☆
#376 [優]
美『あたし……辛い……。』
あたしだけが
辛いわけじゃない。
きっとあたしより
辛い恋をしてる人なんて
沢山いると思う。
だけど苦しくて、
どうしたらいいか
わからなくて慎太郎に
逃げてしまいたくなった。
慎『……ひろ?』
慎太郎の問い掛けに
黙ってうなづいた。
:09/01/30 17:10
:SH905iTV
:☆☆☆
#377 [優]
慎『そっかぁ…〃ひろはずりぃよな…。こんなに想われててさ………。』
美『………自分でも、なんでこんなに好きなんだろって……思う。なんで今更会っちゃったんだろう……。会わなかったらこんな想いしなくて良かったのに……。』
あたしがそう言うと
慎太郎はあたしの頬を
つねった。
慎『コラッ!そんなこと言っちゃダメ!…俺、泣いちゃうよ(笑)』
:09/01/30 17:22
:SH905iTV
:☆☆☆
#378 [優]
慎『5年も経った今更会うってことは、二人は“運命”なんじゃねーの??』
慎太郎はふて腐れながら
そう言った。
美『…そういえば会社の先輩もそんなような事言ってた……。』
慎『ケッ…。……一つだけ言っとく!!次、“付き合って”なんて言ったら今度こそ力付くでも俺のもんにするからな!!』
:09/01/30 17:26
:SH905iTV
:☆☆☆
#379 [優]
美『…うん〃』
慎『……つーわけでせっかくだから飯でも食いに行くかぁ♪もちろんみのちゃんのおごりで☆』
美『えー!?そこは慎太郎くんでしょー!?』
あたし達は結局、
あーだこーだ口論しながら
いつもの喫茶店に入った。
:09/01/30 17:35
:SH905iTV
:☆☆☆
#380 [あ]
:09/01/30 18:49
:SH706i
:☆☆☆
#381 [優]
:09/01/31 01:11
:SH905iTV
:☆☆☆
#382 [優]
数日後…あたしの家で
ちょっとした
お祝いのパーティーを開く
事になった。
…と言うのは、
雄ちゃんが結婚することに
なったから。
相手は何と!!
あの有実さん。
しかも出来ちゃった結婚だから
余計ビックリ(笑)
:09/01/31 01:22
:SH905iTV
:☆☆☆
#383 [優]
高校の時はあたしとの関係で
荒れた有実さんだったけど、
今はすっかり落ち着き、
母親らしくなっていた。
雄『美園もいろいろありがとなっ〃』
雄ちゃんはお酒を飲んで
真っ赤な顔をして言った。
美『なーに雄ちゃん〃あたしは何もしてないよ!?』
雄『いや、有実は美園のお陰で変わったって言ってんだよ〃……ホントにお前はいい妹だ!!』
:09/01/31 01:27
:SH905iTV
:☆☆☆
#384 [優]
だいぶ酔っているようで、
いつもは言わないような事も
ヘラヘラ言う雄ちゃん。
美『なぁーに言ってんの!!雄ちゃんらしくないよ??』
雄『いい妹だからこそ……可愛い妹だからこそひろから離れてもらいたかったんだよ、俺は。』
笑って返すあたしに
雄ちゃんはそう言った。
:09/01/31 01:30
:SH905iTV
:☆☆☆
#385 [優]
美『…えっ?』
何の話?
雄ちゃんは
何を言っているの…?
雄『俺は、ひろを好きになって傷付く美園を見たくなかったんだ…。だから美園に近付くなって言ったのにアイツ最後に美園を泣かしたろ?だからぶん殴った。』
ガタンー
あたしはそれを聞いて
立ち上がった。
:09/01/31 01:34
:SH905iTV
:☆☆☆
#386 [優]
美『…ッ…なんで!?なんでそんな勝手な事したの!?』
あたしはそう怒鳴って
リビングをでた。
ひろちゃんがあたしから
離れたのは雄ちゃんが
言ったから?
ねぇ、そうなの?
嫌いだからじゃないの…?
:09/01/31 01:36
:SH905iTV
:☆☆☆
#387 [優]
真相を確かめたい。
……もう一度……
もう一度会いたい………。
:09/01/31 01:37
:SH905iTV
:☆☆☆
#388 [優]
翌日、あたしは
駄目元でひろちゃんの家に
行った。
ひろちゃんの家って行っても
5年前に訪ねた
ところじゃなくて
ひろちゃんの実家に…。
今のひろちゃんの
住んでるところを聞き出しに…。
:09/01/31 01:40
:SH905iTV
:☆☆☆
#389 [優]
ピンポーンー
インターホンを鳴らすと
陽ちゃんが出てきた。
ガチャッー
陽『おぉ、みのちゃんじゃん!!どうしたの?』
美『あ、あのッ……。』
あたしが答える前に
陽ちゃんはあたしの言葉を
遮って言った。
陽『あ、もしかしてアレ取りに来た?』
:09/01/31 01:44
:SH905iTV
:☆☆☆
#390 [優]
アレってなに…?
しばらくすると
陽ちゃんは何やら奥から
段ボールを抱えて持ってきた。
美『えっ?何これ?』
段ボールを覗くと
中には綺麗にラッピングされた
包みが5個入っていた。
陽『あれ?ひろに言われて来たんじゃねーの?』
:09/01/31 01:51
:SH905iTV
:☆☆☆
#391 [優]
そう言われると同時に
包みを一つずつ開けた。
一つ目は大きなぷーさんの
ぬいぐるみだった。
二つ目は可愛いクローバーの
付いたストラップだった。
三つ目はハートに
ピンクの石が入った
ピアスだった。
:09/01/31 01:56
:SH905iTV
:☆☆☆
#392 [優]
四つ目は同じくハートの
石が入ったネックレス。
そして最後の一つが…………
あたしの
誕生石が入った
シルバーリングだった。
:09/01/31 01:58
:SH905iTV
:☆☆☆
#393 [優]
そして一枚の手紙が
入っていた。
《みー、誕生日おめでとう。
傷付けてごめん。
勝手な話だけど俺は
みーが大好きだよ。》
:09/01/31 02:00
:SH905iTV
:☆☆☆
#394 [優]
ねぇ、ひろちゃん?
何を想ってこの指輪を買った?
誰を想ってこの指輪を買った?
期待していい?
だってひろちゃんのしていた
左手薬指に光るシルバーリングと同じブルーの誕生石が
この指輪にもしっかりついていたから…。
ねぇ、わかってる?
ブルーの石はあたしの誕生石だよ?
:09/01/31 02:18
:SH905iTV
:☆☆☆
#395 [優]
陽『あれ…?もしかして俺、まずった?』
しばらく放心状態の
あたしを見て
陽ちゃんが言った。
美『……ひろちゃんの住所教えて…?』
あたしは今のひろちゃんの
住所を聞いて
陽ちゃんの元をあとにした。
:09/01/31 02:21
:SH905iTV
:☆☆☆
#396 [優]
ピンポーンー
教えてもらった地図を見て
ひろちゃんの
アパートを訪ねた。
でも、何度インターホンを
鳴らしてもひろちゃんは
出てこない。
あたしはポケットに入れて
持ってきたシルバーリングを
ギュッと握ってその場に
座り込んだ。
:09/01/31 02:27
:SH905iTV
:☆☆☆
#397 [優]
期待とわずかな不安が
入り交じった複雑な気持ちで
アパートの玄関の前に
座り込み、目を閉じた。
:09/01/31 02:32
:SH905iTV
:☆☆☆
#398 [優]
ふと我に返って目を開けると
どこか知らない部屋にいた。
『あ、起きた?あんなとこで寝てたら風邪引くよ?』
そう言って微笑んだのは
あたしの大好きな
ひろちゃんだった。
美『…ここ…?』
宏『…ああ、俺のアパート。…ビックリした〃家に帰ったら玄関先になんかいるんだもん〃』
ひろちゃんは
そう言ってクスクスと笑った。
:09/01/31 02:37
:SH905iTV
:☆☆☆
#399 [優]
美『あ、ごめんなさい…〃』
宏『ま、誰かにさらわれなかっただけよかったよ(笑)』
まいったな…。
勢いで来たはいいけど
何から話すか何も
考えてなかった…。
美『ハハッ〃だよねぇー……〃』
:09/01/31 02:41
:SH905iTV
:☆☆☆
#400 [優]
会話の切り出しに
困ったあたしは、
先輩の言ってた
“運命”ネタを
切り出しにすることにした。
美『ねぇ、ひろちゃん?…ひろちゃんは運命って信じる?』
宏『……運命かぁー……どうだろ…?』
ひろちゃんの反応は
イマイチな反応だった。
:09/01/31 02:53
:SH905iTV
:☆☆☆
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