短編集
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#6 [◆LOSh2yD9/c]
「え?直くんと一緒にいるの?」
直くんとは陽菜の彼氏で、あたし達より一つ年下だ。
もう付き合って一年は経ったと思う。
あたしも何度か逢っていて、一緒に遊んだこともある。
「グスッ………、うん…」
とうとう陽菜は弾かれた様に、声を出して泣き出した。
「え、え?えと、何がどうしたか良くわかんないけどさぁ…」
:08/09/21 02:57
:F906i
:☆☆☆
#7 [◆LOSh2yD9/c]
あたしはあたふたする。
え、どぉーしよ…
喧嘩、だよねぇ…
てか陽菜がこんな泣いてあたしに電話してくるなんて初めてじゃあ…?
あたしはどうしたもんかと考えていると、受話器の遠くの方で、直くんであろう声が聞こえた。その後直ぐ、声を荒げた陽菜の叫びが響く。
「…ッ、煩いなぁ!謝って済むもんじゃないんだよっ…!!」
:08/09/21 03:10
:F906i
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#8 [◆LOSh2yD9/c]
「陽菜っ!!…」
今度は直くんが声を荒げ、何かを叫んでいた。
ちょっ…話が聞こえん!
てか、そもそもこの喧嘩の原因は何だよ!!
と、陽菜に聞こうと口を開きかけた瞬間…
「別れる!!もう終わりだよっ陽菜たちは…!!」
ちょっちょっ、ちょっと待てー!!
おい話を勝手に進めるなぁー!
:08/09/21 03:20
:F906i
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#9 [◆LOSh2yD9/c]
てか何、あたしに電話して来たこと覚える?陽菜ちゃん。
別れ話をあたしに聞かせる為じゃないでしょ?
そうだよね?
てか昔から君はそーゆー所があるんだよね、まぁそこが好きだったりする訳で…
いや今はそんな場合じゃないだろ!
あたしは陽菜の突然の別れ宣言を受け、この一瞬の内にそりゃあもう様々なツッコミと言うか何というかをした。
そして今度はあたしが弾かれた様に声を荒げた。
:08/09/21 03:31
:F906i
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#10 [◆LOSh2yD9/c]
「ちょっと待ってよ!そんな簡単に決めていいの?!今から行くから、そこで待ってて!二人で!!」
「…う、うん」
突然のあたしの大声に、陽菜は少し驚いたようだった。
「で、今どこにいんの?」
「………ラブホ」
「………どこの」
「……ゲーセンの裏にある路地を曲がった所…」
:08/09/21 03:47
:F906i
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#11 [◆LOSh2yD9/c]
「…あぁ、あそこね」
「うん…今は、外にいるから…」
「わかった。じゃあ今から飛ばして行くから、道路も空いてるだろうし、十分弱ってとこかな。」
「うん…ごめんね」
「何で謝るの。いいから、そこで待っててね」
「うん…」
陽菜は落ち着きを取り戻した様だ。
:08/09/21 03:56
:F906i
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#12 [◆LOSh2yD9/c]
あたしは電話を切り、TVを消し、そのまま玄関へと向かった。
今日は仕事も休みで一日中家でゴロゴロしてたから、化粧もしてないし服も超寛ぎスタイルだったが、親友の一大事だし夜だし、まぁいいかと気にしないことにした。
歩きながらヘルメットと被り、キーを用意して足早にバイクへと向かった。
:08/09/21 04:08
:F906i
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#13 [◆LOSh2yD9/c]
―――――
――――
頬に当たる風が冷たい。
バイクに乗っているから余計そう感じるのか、あたしは何か羽織ってくれば良かったと思った。
信号が赤に変わる。
止まっても尚、風は冷たかった。
「…もう冬、かぁ」
あたしはポツリと呟いた。
:08/09/21 07:07
:F906i
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#14 [◆LOSh2yD9/c]
不意に、不安があたしを襲った。
あたしが行った所で、あの二人は仲直りするのだろうか。
あたしが行った所で、何が出来るのだろうか。
そんな不安は、信号が青に変わったことで、風と共に吹き抜けた。
…急ごう。
:08/09/21 07:27
:F906i
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#15 [◆LOSh2yD9/c]
思った通り道路は空いていて、ゲーセンまで思ったより時間がかからなかった。
そりゃそうだよな、真夜中だもん。
このゲーセンも結構古い付き合いで、良く暇潰しに遊んだもんだ。陽菜と。
最近はその中に直くんも加わっている時がある。
あたしはその時が一番好き。
…別に場所はゲーセンじゃなくても良いんだけどね。
:08/09/21 07:41
:F906i
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