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#179 [◆LOSh2yD9/c]
俺は、やっぱりまだ未那のことを引きずっているということを。
奴は、送られてきた荷物の整理をした後ずっとここで絵を描いていたから奥さんとは逢えていないということを。
「そういえば、お前はこの近くなのか?」
「え?あぁ、そうだなバイクで十五分くらい?」
「ふーん」
「あんたも近いの?」
「車で三十分くらい?」
「わ、わざわざ?近くはないんだね」
:09/04/10 04:34
:F906i
:☆☆☆
#180 [◆LOSh2yD9/c]
「…近いんじゃない?」
…車だからだろ!
「じゃあ今日は車?」
「ああ。…と言うか、歩きでも然程変わらないと思う。此処まで来る道が入り組んでるし、昨日がそうだったから」
「ええっ?何で…」
「ふらふら歩いてたら此処に辿り着いた」
「………」
…俺と同じか
そりゃそうか。偶然って恐ろしいぜ…
:09/04/10 04:40
:F906i
:☆☆☆
#181 [◆LOSh2yD9/c]
「ま、こんな荷物持って歩くのはごめんだしな」
「あぁ…」
そんなこんなで俺たちは会話を弾ませ、気がついたら日も暮れていた。
ベンチから見える景色はとても美しい。
オレンジ色の夕日が水面に反射し、ゆらゆらと揺れている。
ちょっとした隠れスポットだと思った。
……に、してもだ。
:09/04/10 04:43
:F906i
:☆☆☆
#182 [◆LOSh2yD9/c]
こんなロマンチック(と言えるだろう)な場所に男二人肩並べてる俺らって…
あ゙あ゙ぁ゙あ゙〜〜〜
痛すぎる!!!
頭を抱えたくなる衝動に駆られていると、隣からボソッと声が聞こえて来た。
「綺麗だな」
「え?あ、ああ…」
「こういう風景、好きだ。昼間は日の光を浴びてキラキラ輝いていた」
「そうですね。俺地元なのにこんな場所があったなんて知りませんでしたよ」
:09/04/10 04:55
:F906i
:☆☆☆
#183 [◆LOSh2yD9/c]
「…思えば、もう随分と描いていない…」
「……?」
言葉の意味を理解出来ずに首を傾げていると、奴は心ここに在らずと言ったように遠くを見つめていた。
「…そろそろ帰るか。お前ももう帰れ」
「え?」
少しの沈黙の後、突然奴が発言し、自分の持ち物を片付け始めた。
「一睡もしてない上に時差ボケも加わってんだ、流石に眠いし怠い。お前も似たような物だろう?」
「あ、ああ…」
:09/04/10 05:05
:F906i
:☆☆☆
#184 [◆LOSh2yD9/c]
「じゃ、またな」
奴は片付けを済ますと早々に立ち上がった。
「ま、待って!!」
げ!
な、何引き止めてんだ俺?!
「…何?」
奴は座っている俺を見下ろす。
いや、奴は立っていて俺は座っているんだからそーなるのは普通なんだけど…
:09/04/10 05:09
:F906i
:☆☆☆
#185 [◆LOSh2yD9/c]
コレどーしよ俺!
この状況はキマズイぜ俺!!
『考えるよりも先に行動しちゃったぜ』
的な状態だぜオイイイイ!!!
「あ…あのさ、アンタ、明日も此処に来るの?」
「………」
「絵の続き、描きに…とか?」
「あー…、たぶんな」
:09/04/10 05:13
:F906i
:☆☆☆
#186 [◆LOSh2yD9/c]
「俺も来てもいい…ですか?」
「…ああ」
「そ、そっか…わかった。じゃあ、また」
「…じゃーな」
そう言って薄ら笑いを浮かべると、奴は去って行った。
……アイツ、また俺を馬鹿にしやがったな
まぁ、確かに俺は変だった。うん
キョドりすぎ
:09/04/10 07:52
:F906i
:☆☆☆
#187 [◆LOSh2yD9/c]
…だってよ、なんか、このまままた別れるのは嫌だと思ったから
もっと色んな話をしてみたいと思ったから
もう二度と逢わないだろうと思っていた人間にまた逢ったんだ
なんか、興味がある
"奴"と言う一人の人間に
そしてあの絵に、何故か…引き込まれるんだ
「あ!!名前聞きそびれた…」
一人残ったベンチで、(結構)重要なことを聞き忘れていたことに気付いた俺だった。
:09/04/10 17:40
:F906i
:☆☆☆
#188 [◆LOSh2yD9/c]
―――翌朝
あれから俺は、帰宅して夢の世界に直行したので今日の目覚めは頗る良いのだが、隣で歩いているコイツは頗る機嫌が悪いようだ。
「あーだりぃー」
「お疲れ。まぁ、お前にしては偉いじゃん?褒めてやるよ」
「てめぇ…!!」
ギロリと玲司が睨み付けてくる。
ふん、昨日のお返しだ!
:09/04/18 07:55
:F906i
:☆☆☆
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