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#162 [◆LOSh2yD9/c]
「…ん?」

ブランコや砂遊び場を抜け、あのベンチが見えてきた。

が、そこで俺は気付いた。

ニット帽をかぶった男?が座っているじゃねぇか!?


先客か…、仕方ない

他に空いてるベンチを探すか


そう思い、引き返そうとした瞬間、俺は先客を二度見した。

⏰:09/03/29 03:19 📱:F906i 🆔:☆☆☆


#163 [◆LOSh2yD9/c]
スケッチブックと何やら睨めっこしている様子。

俺は少し気になって、その先客に気付かれないようそっと近付いてみた。

少し距離を取って、背後から覗き込む。

「……!!」

スケッチブックに描かれている"それ"を見て、余りの上手さに俺は絶句した。

ニット帽は集中しているのか、俺に全く気付く様子もなく筆を進め始めた。


サササッと細かく丁寧に目の前の光景を忠実に描いている。

⏰:09/03/29 03:24 📱:F906i 🆔:☆☆☆


#164 [◆LOSh2yD9/c]
それは本当に素晴らしい物で、俺の目は釘付けになっていた。

「すげぇ…!」


俺はそう呟いてしまい、しまったと思った時には遅く、ニット帽は吃驚したように後ろを振り返った。

「…ん?!」


やべっっ

「いやっあのっすいません!たまたま見えて、凄く上手いから吃驚して…」

⏰:09/03/29 03:27 📱:F906i 🆔:☆☆☆


#165 [◆LOSh2yD9/c]
があああぁっ

何言ってんの俺〜

やべぇどーしよ勝手に見ちゃったからなぁ

マズかったかな…

でもこれは凄すぎるだろ、プロ級だぜ絶対!

色んな奴が見る価値あるって!!



そんなことを勝手に思っていたら、ニット帽は一瞬目を見開いた。

⏰:09/03/29 03:31 📱:F906i 🆔:☆☆☆


#166 [◆LOSh2yD9/c]
「…!!お前…」

「え…?」

「……いや」

俺がはてなマークを浮かべていると、ニット帽は眼鏡をクイッと上げて、前へ向き直ってしまった。


…何だ?

どうしたんだ?


俺がそこに立ち尽くしていると、そこへ突風が吹いて筆セットみたいな物が派手にばらまかれた。

⏰:09/03/29 03:33 📱:F906i 🆔:☆☆☆


#167 [◆LOSh2yD9/c]
とりあえず、俺も拾うのを手伝って、ニット帽に渡す。

「はい。これで全部か?」

「…あぁ、悪いな」


何か、そわそわしている感じで…

俺を見ようとしないって言うか…

何かこいつ、どこかで……?


「っあんた…!!?」

「………」

俺が言葉を発した瞬間、ニット帽はバッと顔を背けた。

⏰:09/03/29 03:34 📱:F906i 🆔:☆☆☆


#168 [◆LOSh2yD9/c]
「……まさか、」

俺はニット帽の前まで移動する。


「もしかして昨日の?!!」

俺がビシッと指を指して叫ぶと、ゆっくりとこっちを見上げ、一言。


「…………バレた?」

「っ…はああはぁぁ??!!!」


辺り一面、いや公園全体に俺の声は響きわった。

と、思う。

⏰:09/03/29 03:41 📱:F906i 🆔:☆☆☆


#169 [◆LOSh2yD9/c]
えええっ?!

な、何なにナニ???

何で、"奴"が此処にいるワケ?!

つか!そもそもフランスに戻ったんじゃ…?!

意味わかんねぇ!!!


俺が一人パニクっていると、奴はやれやれと言った感じで口を開いた。

「…まさか、またお前と逢うなんてな」

「……何であんたが…」

⏰:09/03/29 03:43 📱:F906i 🆔:☆☆☆


#170 [◆LOSh2yD9/c]
此処に?

つか、何故ニットに眼鏡?

…昨日のスーツ姿みたいのからは想像出来ない程似合ってないぞ!

しかも何でこんなに絵がクソ上手いんだ!!

コイツに言いたいことや聞きたいことは沢山あったけど、言葉にならない。

俺が呆然と突っ立っていると、奴は周りに散らばしていたスケッチセットを整理して、俺に座るよう促した。

「ま、座りなよ」

「あ、ああ…」

⏰:09/03/29 03:45 📱:F906i 🆔:☆☆☆


#171 [◆LOSh2yD9/c]
俺は少し遠慮がちに奴の隣へと腰掛ける。

げ、この位置は、まさに昨日と同じ!!

…ああっ!恥ずっ!!

もう、本当昨日から俺、ツイてない…

軽くイジメだぁぁ………!!


俺は俯く。

奴も黙ったまま動かない。

俺たちの間に、沈黙が流れる。

⏰:09/03/29 03:48 📱:F906i 🆔:☆☆☆


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