短編集
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#209 [◆LOSh2yD9/c]
「雨宮川が気に入ったら言って。まだ家にいくつか雑誌あるから」
「…は?」
……今、コイツは何と??
「あぁ、その人雨宮川慧弥っつーの」
一瞬、俺の思考は停止した。
「………」
「どうした?」
……はは、
どうしたもこーしたもねーよ!!?
:09/04/24 04:16
:F906i
:☆☆☆
#210 [◆LOSh2yD9/c]
雨宮川慧弥だと?
え、同姓同名ですか?
………んなワケねぇえええだろ??!
そんな珍しい名字早々いるもんじゃないし、名前まで一緒だし、やっば顔似てるし…
それに!!
思えば絵だってプロ並みに上手かった……
…いや落ち着け俺!
そんな偶然ってあるのか?
やっぱり他人の空似だろ、うん。
:09/04/24 04:18
:F906i
:☆☆☆
#211 [◆LOSh2yD9/c]
「湊?」
「…え?あっ!と、兎に角、雑誌ありがとう借りてくな!」
「?ああ」
俺は動揺を何とか隠しながらその場を去った。
―――結局
その日の講義は全く集中出来なかった。
休憩時間の合間に借りた雑誌を見て、改めて俺はパニクっていたからだ。
:09/04/24 04:20
:F906i
:☆☆☆
#212 [◆LOSh2yD9/c]
「嘘だろ…フランスで活躍中って……」
この"雨宮川慧弥"の作品が載っている最後のページに、簡単な写真付きプロフィールが紹介されていた。
その内容に俺は冷や汗が流れる。
顔も似てて
名前も同じ
所在地も同じ
絵が美味いのも同じ
既婚については書かれていなかったけど…
:09/04/24 04:22
:F906i
:☆☆☆
#213 [◆LOSh2yD9/c]
最早同一人物としか思えない!
寧ろそうじゃない方がオカシイじゃねーか!!!
「…やばくないか?」
「……絶対やべーだろ?」
「やばすぎるって!!」
俺そんなすげー奴と会話してたの?!
つか、俺あの人に失礼なことばっか言ってたし思ってたよな?!
てゆーかそんな有名な人を知らないこと自体失礼じゃねーか?!
:09/04/24 04:25
:F906i
:☆☆☆
#214 [◆LOSh2yD9/c]
しかも"今日公園来てくれ"とか俺命令(←違う)してなかったか?!!
あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙〜〜〜っっ!!
「マ゙ズイ゙ってえ゙え゙ぇ゙〜〜〜」
「……あのさ、お前さっきから何ブツブツ言ってんの?」
「俺もうあの人に合わせる顔がない……」
「は?」
「そうゆー訳だ!俺はもう帰る!!」
「はあ?!」
「じゃあな玲司!!」
「ちょっ…湊っ?!」
:09/04/24 04:27
:F906i
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#215 [◆LOSh2yD9/c]
俺は全力疾走した。
全力で駅に向かい、全力でチャリを漕ぎ、全力で家に帰った。
すれ違う人達はみんな怪訝な顔で俺を見ていたけど、そんなこと知ったこっちゃねぇ!!
俺は自室に着くとベッドにダイブして、乱れた息を整えるまで顔を伏せたままでいた。
「…忘れよう。そうだ、あれは夢だ……夢なんだ…」
気付くと俺は、意識を手放していた。
:09/04/24 04:39
:F906i
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#216 [◆LOSh2yD9/c]
……ん、
………眩しい…?
「……げっ!朝かよ?!」
俺は勢い良く起き上がった。
昨日あのまま爆睡してしまったらしい。
「……腹減った」
俺は眠たい目を擦り、リビングへ向かった。
そこには人の気配がなく、しんとしていた。
:09/04/24 04:43
:F906i
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#217 [◆LOSh2yD9/c]
テーブルを見ると、ラップがかかった皿とメモ用紙が置いてあった。
母さんは一度家に戻って来て、夕飯を作った後また仕事に行ったらしい。
そこには、"悪いけど朝は自分で作ってね"と書いてあった。
母さんが夜いないのはたまにあること。
仕方ない。
でも愛情を感じなかった時なんて一度もない。
「いただきます」
:09/04/24 05:04
:F906i
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#218 [◆LOSh2yD9/c]
昨日夜爆睡してて食べてなかったから、これを朝食にさせてもらった。
朝食を済まし、軽くシャワーを浴びて支度をした。
残念なことに今日も講義はあるからだ。
――…今日の講義は割と集中出来た。
やっぱり、今までのことは夢だったんだ!
そうに違いない!!
そして今俺と玲司はカラオケに来ている。
:09/04/24 07:42
:F906i
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