「=Cross」★☆
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#11 [神谷那智]
「沙羅、どうしたの?」
「あ、いや…ほら、早く入ろうぜ。」
いつの間にか玄関に着いていた。
さっきの男は誰だったんだろう、こんな時間に何をしていたんだろう。
そんな考えが頭をかすめたが、ありすに"早く行こ?"と、手を引かれそんな考えはどっかいってしまった。
暗い廊下、手から伝わる温もり。
不覚にもドキドキしてる自分に気付き煩悩を振り払うように頭を左右に振る。
二階の一番奥の古い音楽室のドアノブに手をかけた。
:08/09/22 22:30
:SO903i
:hWTHKvVo
#12 [神谷那智]
使われていない割に中は綺麗だった。
何個かのギターケースにドラム一セット。
真新しいキーボードにシンセサイザー。
まるで…
「軽音楽部が使ってるみたいだね。」
俺が言いたかったことをありすが言い、少し驚いた。
しかし、月明かりでしか見えないので少し足場に困る。
少し肌寒いと思ったらいつの間にか雨が降っていた。
一瞬、音楽室全体が照らされた。
次の瞬間とてつもない音が聞こえた、雷だ。
ありすは光った瞬間ビクッと震えて音と同時に…
「っひゃ!…」
抱きついてきた。
多分、いま俺の心臓の音は半端じゃない。
ありすに聞こえるんじゃないかと言う不安と体温が混ざり合い頭がおかしくなりそうだった。
感想板
bbs1.ryne.jp/r.php/novel/3934/
:08/09/22 22:33
:SO903i
:hWTHKvVo
#13 [神谷那智]
俺の心臓音が聞こえるんじゃないかと言うくらい音楽室は静かで、時が止まったようだった。
雨の音が微かに聞こえる中、俺はゆっくりと腕をありすの背中に回そうとした。
その瞬間―
パチッと言う音と共に部屋全体が明るくなった。
恐る恐る振り向くと…
勿論、そこには先輩たちが居た。
「おいおい南…
女連れ込むのは良いけど避妊はしろよ、避妊は。」
阪井先輩の言葉に、何てことを言うのかと思い反論する。
「ち、違います!
コイツはサックスの子で…」
「あ、見たことある…1−A宮本ありす。
警視総監"宮本賢士"、の娘。」
『…え?』
横見先輩の言葉に先輩3人は聞き返した。
:08/09/23 01:13
:SO903i
:GTlNTF0s
#14 [神谷那智]
「…何で私のこと…」
「先月、新聞に載ってたろ?
"連続通り魔を警視総監の娘が撃退"って見出しで。」
「あ…なるほど。」
そう、先月―
「…この道通り魔出るらしいよ?」
「お前なー…なにをワクワクして、って危ね!」
「はあー、はあー…
動くと余計に痛いぜえ?」
「まさか、連続通り魔!?」
「お、まずはそっちの可愛子ちゃんから殺るかあ…♪
…うらぁ!」
「殺らせるかよ!
…小手っ面!胴ー!」
「…沙羅、有難う…
けど、その傘わたしの。」
「げっ、ごめん!
なんでもするから許して…?」
「じゃあ…」
と、言うわけだ。
:08/09/23 03:06
:SO903i
:GTlNTF0s
#15 [神谷那智]
通り魔撃退した時のでありすの傘を折ってしまい、ありすのお願いで撃退したのは俺じゃなく"ありす"と、言う条件で許してもらったってわけ。
つまり、見出しにはありすが折れた傘を持ってピースしてた写真がドデカく載ってたってわけ。
「す、すいません…
私が沙羅に頼んで無理矢理来たんです。」
「いやいや!大歓迎だよ☆
ねっ、魁ちゃん?俺は佐倉優!よろしくねっ」
「まあ、良いが…
阪井が何もしなければな。」
:08/09/23 03:19
:SO903i
:GTlNTF0s
#16 [神谷那智]
横見先輩がギロリと阪井先輩を睨む。
俺は横見先輩の言ったその意味が良くわからなくて首を傾げた。
すると桜井先輩がこっそり耳打ちしてくれた。
「…阪井先輩、女の子だったら見境ないからさ。
気をつけた方が良いよ?
後、お前もな。阪井先輩少しその気があるみたいだから。」
確かに、見た目からは嫌と言うほど想像できる。
しかし、"その気"って…まさかホモ?
いやいや、まさかねえ(笑)
<A HREF=http://bbs1.ryne.jp/r.php/novel/3934/>感想板</A>
:08/09/23 03:20
:SO903i
:GTlNTF0s
#17 [神谷那智]
苦笑いをして阪井先輩を見るがそんな風にはみじんも見えない。
ありすを見ると、先輩たちが群がっていた。
「彼氏いるの?もしかして南?」
「一緒にジャズバンド組まない?」
「確か同じ学校だったよね?」
とか、ありすに質問(?)責めだ。
俺は困ってるありすを見かねて間を割って入った。
「先輩、ありすが困ってるじゃないっすか…」
「いや、良いよ。沙羅…
私、なんか嬉しいもん!黒騎士の先輩たちと喋れるの。」
:08/09/23 12:30
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:GTlNTF0s
#18 [神谷那智]
「…俺は横見魁。
好きに呼んでもらって構わない。」
「あ!魁ちゃん抜け駆けかよ!
俺は阪井弘希。可愛い子大好きだから☆」
と、阪井先輩はありすを引き寄せる。
ありすの頬は赤く染まったのを俺は見て、少しムカッときたのでありすを抱き寄せた。
阪井先輩はそれを見てニヤニヤしてたが俺はそんなの気にしない。
すると佐倉先輩が湿っぽい目で俺等をみていた。
「いいなあ…魁ちゃん、俺等もラブラブしようよ〜」
佐倉先輩そう言って横見先輩に抱きつく。
まさか、ここもホモか?と背筋が凍ったが…
「死ね。くっつくな。」
どうやら横見先輩は違うようだ。
まあ、確かにいくら美少女顔でも男じゃなあ、と思う。
取りあえず、皆の自己紹介は終わったので―
:08/09/23 12:36
:SO903i
:GTlNTF0s
#19 [神谷那智]
「俺のこと忘れないでくれよ〜…」
おーっと、桜井先輩のことを忘れていた(笑)
まあ、同中だったし必要ないけど。
「あ、桜井悟士先輩ですよね…?
中学校で同じで、パーカッションだった…」
ありすのその言葉に桜井先輩は一瞬固まって、ぎこちなく頷いた。
多分、覚えてくれているとは思わなかったんだろう。
取りあえず、やっと全員名前を知れたことなので…
『歓迎会、やりますか!』
阪井先輩のその一言で始まった。
歓迎会と言う名の"始まり"が―…
:08/09/23 12:36
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:GTlNTF0s
#20 [神谷那智]
:08/09/23 14:14
:SO903i
:GTlNTF0s
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