【コラボ企画】秋のラノベ祭り投下スレ【withイラスト板】
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#190 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
「ラルティス、シンなら大丈夫だ。多分クーロンが一緒のはずだ」

ラルティスは我に返ったように辺りを見渡す。
確かにクーロンの姿もない。
部下を気にするあまり状況判断も鈍るとは…。
ラルティスは姿勢を低くした。

「すまない。もう大丈夫だ」

ガイアとカイトは顔を見合わせると頷いて深呼吸をする。

⏰:08/11/03 16:31 📱:SH905i 🆔:☆☆☆


#191 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
「さて…と、やりますか」

ガイアは口元に笑みを含みながら、黒い刀身に赤いオーラを纏う両刃刀…魔剣リベリオンを構える。

「見たことないモンスターだが、手応えだけはありそうだぜ」

その横で鋭い眼光を放つラルティスは体勢を維持したまま、素早く抜刀した。
細身で白い刀身に蒼いオーラが纏う片刃刀…聖剣ルシファーを。

「部下を探してるんだ。容赦はしない!」

⏰:08/11/03 16:32 📱:SH905i 🆔:☆☆☆


#192 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
二人に背を向けたまま、カイトも紅い刀身に紅いオーラを放つ日本刀を構える。

「妖刀、鬼斬り極文字…」

カイトが小さく呟くと、三人は地面を強く蹴った。
魔物も三人が動きを見せると一斉に臨戦体勢を作る。
背筋に響くような咆哮を上げながら、魔物が襲い掛かった。

⏰:08/11/03 16:33 📱:SH905i 🆔:☆☆☆


#193 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
低い姿勢のままラルティスは疾走した。
黒い残像を残しながら地面を駆る。
斬撃を繰り出せば、勢いの乗った強烈な一撃は魔物の胴体を難無く貫いた。
そのまま素早く身を返し、剣を引き抜くと同時に第二撃が別の魔物に狙いを定める。
円を描くように体を捻って一閃を決めれば、周囲にいた三体の魔物の体が同時に真っ二つになった。
背後から牙を持った黒い狼が襲い掛かる。

「四体。そして…」

⏰:08/11/03 16:33 📱:SH905i 🆔:☆☆☆


#194 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
一瞬で狼の背後に回り込めば、後ろから首元を一突きにした。

「…五体目」

圧勝ではなかった。
手が僅かに痺れている。
魔物の体が異様に硬いのだ。
斬れないことはない。
素早さでは自分が勝っている。
だが、防御力が遥かに高い。

「畜生め…」

ラルティスは舌打ちを落とした。

⏰:08/11/03 16:35 📱:SH905i 🆔:☆☆☆


#195 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
「おらぁ!」

ガイアが横薙ぎの一撃を払えば、四体の魔物の体が綺麗に真っ二つにされた。
思ったよりも硬度がある。
こんなに防御力が高いモンスターはなかなかいない。
だが、ガイアの攻撃の前では大した問題ではない。

「ちょこまかと…動くんじゃねぇ!」

跳飛しながら体重を乗せて剣を振り下ろせば、地面に亀裂が入り岩盤が飛び散った。
破壊された地面からは土煙を上がり、全包囲の敵が消し飛んだ。

⏰:08/11/03 16:35 📱:SH905i 🆔:☆☆☆


#196 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
「タフな野郎だ…」

腕を失っても立ち上がってくる魔物を見て脱力感を覚える。
硬さは大した問題じゃない。
だが、油断したらやられる。
ガイアは自嘲気味に小さく笑った。

「上等じゃねーか馬鹿野郎っ!」

⏰:08/11/03 16:36 📱:SH905i 🆔:☆☆☆


#197 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
「…ふん、大したことないな」

カイトに喉元を一突きにされた魔物の喉から、血飛沫が舞う。
こいつらは硬い。
それに素早いし、攻撃力も相当なもんだ。
下手に剣で受け止めようとすれば力負けしそうになる。
おまけに体力も桁違いにあるときた。
少しでも隙を見せればやられるだろう。
だが、いくら素早くても捕らえられる。
後は簡単な話だ。切っ先を急所に突き立てて、絶命させればいい。

「…何匹いるんだ?」

⏰:08/11/03 16:37 📱:SH905i 🆔:☆☆☆


#198 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
両足を切り落とされた魔物が地に落ちると同時に、刀を額に突き立てた。
噴水のように鮮血が舞う。

「…強いな」

不意に声を聞いた。
カイトが視線を送れば、灰色のローブを身に纏った男がいた。
魔物たちが一斉に道を開ける。

⏰:08/11/03 16:37 📱:SH905i 🆔:☆☆☆


#199 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
眉をしかめるカイトに、男は続けた。

「長谷川啓一の息子か」

カイトは驚きの表情を隠せなかった。
父の名を知っているということはやはりここに来たのだろうか。

「お前、何でそれを…!」

男は笑った。

「残念だが、君のお父さんとお姉さんはここで倒れた。私の造り出したバグモンスターにやられてね」

「…どうりで強い訳だ。さて、まだあるんだろ?続きを聞かせてくれよ」

カイトは男を睨み付ける。

⏰:08/11/03 16:38 📱:SH905i 🆔:☆☆☆


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