【コラボ企画】秋のラノベ祭り投下スレ【withイラスト板】
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#197 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
「…ふん、大したことないな」

カイトに喉元を一突きにされた魔物の喉から、血飛沫が舞う。
こいつらは硬い。
それに素早いし、攻撃力も相当なもんだ。
下手に剣で受け止めようとすれば力負けしそうになる。
おまけに体力も桁違いにあるときた。
少しでも隙を見せればやられるだろう。
だが、いくら素早くても捕らえられる。
後は簡単な話だ。切っ先を急所に突き立てて、絶命させればいい。

「…何匹いるんだ?」

⏰:08/11/03 16:37 📱:SH905i 🆔:☆☆☆


#198 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
両足を切り落とされた魔物が地に落ちると同時に、刀を額に突き立てた。
噴水のように鮮血が舞う。

「…強いな」

不意に声を聞いた。
カイトが視線を送れば、灰色のローブを身に纏った男がいた。
魔物たちが一斉に道を開ける。

⏰:08/11/03 16:37 📱:SH905i 🆔:☆☆☆


#199 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
眉をしかめるカイトに、男は続けた。

「長谷川啓一の息子か」

カイトは驚きの表情を隠せなかった。
父の名を知っているということはやはりここに来たのだろうか。

「お前、何でそれを…!」

男は笑った。

「残念だが、君のお父さんとお姉さんはここで倒れた。私の造り出したバグモンスターにやられてね」

「…どうりで強い訳だ。さて、まだあるんだろ?続きを聞かせてくれよ」

カイトは男を睨み付ける。

⏰:08/11/03 16:38 📱:SH905i 🆔:☆☆☆


#200 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
カイトの言葉を聞いた男は喉を鳴らしてほくそ笑んだ。

「強い?…なら、良いことを教えてやろう。君たちが今相手にしてるのはまだまだ弱いモンスター共だよ。この奥にはオーガ級の中型モンスターからドラゴン級の大型モンスターまで、大軍勢が棲みついている」

「ドラゴンだと?…お前は何を企んでいる?」

「滅亡さ。いや、破壊と言ってもいい。私は、バーチャルワールドを崩壊させるためにバグを引き起こしてるのだよ」

⏰:08/11/03 16:39 📱:SH905i 🆔:☆☆☆


#201 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
「…何のためにだ」

「…バーチャルワールド。確かにすごい発明だ。だが、それが開発されたことによってどれだけのゲーム会社が潰れたか。貴様にわかるか?貴様の親父もそうだ。このCOD開発部の責任者、開発部長だそうじゃないか。偉い身分になったものだ。あれ以来ここには侵入して来ないが、今頃は何をやっているのだろうなぁ」

この男はどうやら父の実状を知らないらしい。
そう思うとカイトの怒りは増してきた。

⏰:08/11/03 16:40 📱:SH905i 🆔:☆☆☆


#202 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
「そんなのは逆恨みじゃないか!」

「だが事実だ!だから私は誓った!復讐してやろうと!だが流石はバーチャルワールドと造った会社だけある。有能な人材が多いらしくてね。私が開発したプロテクトでバグワールド自体を破壊することは阻止出来たが、その他の所で思わぬ反撃を喰らってしまった。奴らの反撃で、体力や戦闘能力は高められても無敵のバグモンスターは造れなかった」

⏰:08/11/03 16:41 📱:SH905i 🆔:☆☆☆


#203 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
「バグモンスターを造って…どうする気だ?」

「放つのさ。この世界にね。君も身を持って体験しただろう?こいつらの強さを!このバグモンスターの軍勢、約五百万体があればいくら君たちでもどうすることも出来まい!さぁ、どうする?君達に決定権はない。戦ってやられるか、戦わずしてやられるかだ。全面戦争と行こうじゃないか!」

男は両手を仰いで叫んだ。

⏰:08/11/03 16:42 📱:SH905i 🆔:☆☆☆


#204 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
「おい、いい加減やばいぞ!」

「全く…この僕が君なんかと背中を合わせて共闘することになるなんて…」

「うるせーな!俺だって本当はお前なんかに背中預けるのは嫌だっての!」


bbs1.ryne.jp/d.php/illust/1144/47

背中を合わせに文句を言い合う二人の周囲じりじりと詰め寄る魔物の群れ。

⏰:08/11/03 16:42 📱:SH905i 🆔:☆☆☆


#205 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
「さて、どうするか…」

「見渡す限り魔物魔物…万事休すだな」

ガイアはまだ余裕があるのか、笑みを絶やさない。
ラルティスは体力的に疲労があるのか、歯を食いしばる。

「ライトニング!」

内部に轟音が響くと、光の束がいくつも地面に突き刺さっていく。
魔物たちを串刺しにしながら光は止まらずに降り注ぐ。

⏰:08/11/03 16:43 📱:SH905i 🆔:☆☆☆


#206 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
「クロスファイアストーム!」

再び聞き覚えのある声がすると、今度は巨大な炎の竜巻が追い撃ちを掛けるかのように魔物を一掃していった。
唖然としている二人の元に、苦もなく魔物を斬り捨てながら無表情の青年がやってきた。

「ガイア様、シンが足止めをしている間にお退きください」

⏰:08/11/03 16:44 📱:SH905i 🆔:☆☆☆


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