【コラボ企画】秋のラノベ祭り投下スレ【withイラスト板】
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#203 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
「バグモンスターを造って…どうする気だ?」

「放つのさ。この世界にね。君も身を持って体験しただろう?こいつらの強さを!このバグモンスターの軍勢、約五百万体があればいくら君たちでもどうすることも出来まい!さぁ、どうする?君達に決定権はない。戦ってやられるか、戦わずしてやられるかだ。全面戦争と行こうじゃないか!」

男は両手を仰いで叫んだ。

⏰:08/11/03 16:42 📱:SH905i 🆔:☆☆☆


#204 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
「おい、いい加減やばいぞ!」

「全く…この僕が君なんかと背中を合わせて共闘することになるなんて…」

「うるせーな!俺だって本当はお前なんかに背中預けるのは嫌だっての!」


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背中を合わせに文句を言い合う二人の周囲じりじりと詰め寄る魔物の群れ。

⏰:08/11/03 16:42 📱:SH905i 🆔:☆☆☆


#205 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
「さて、どうするか…」

「見渡す限り魔物魔物…万事休すだな」

ガイアはまだ余裕があるのか、笑みを絶やさない。
ラルティスは体力的に疲労があるのか、歯を食いしばる。

「ライトニング!」

内部に轟音が響くと、光の束がいくつも地面に突き刺さっていく。
魔物たちを串刺しにしながら光は止まらずに降り注ぐ。

⏰:08/11/03 16:43 📱:SH905i 🆔:☆☆☆


#206 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
「クロスファイアストーム!」

再び聞き覚えのある声がすると、今度は巨大な炎の竜巻が追い撃ちを掛けるかのように魔物を一掃していった。
唖然としている二人の元に、苦もなく魔物を斬り捨てながら無表情の青年がやってきた。

「ガイア様、シンが足止めをしている間にお退きください」

⏰:08/11/03 16:44 📱:SH905i 🆔:☆☆☆


#207 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
「クーロン、おまえよく無事だったなぁ」

傷一つ負っていない部下を見て、感心の声を上げた。

「私はともかく。正直、シンは厳しい所でしたが増援が参りましたので」

「増援だと?」

ラルティスが訝しげに眉を寄せる。

「えぇ、あのお二方です」

クーロンが振り向くと同時に走り去る二つの影。

「…え?今の、まさか…」

見覚えのある姿。
ガイアとラルティスは顔を見合わせた。

⏰:08/11/03 16:45 📱:SH905i 🆔:☆☆☆


#208 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
強く弾かれたカイトの体は軽々と宙を舞い上がった。
空中で体を捻って体勢を立て直し何とか着地する。
体には致命傷といえるほどの傷はないが、ダメージは結構ある。

「…ちっ」

カイトの正面には巨大な魔獣が待ち構えていた。
人間の数倍はある巨体に、鋭い牙と爪。
特別な剣でなくては傷すら付かない強靭な鱗。
暗闇で光る赤い眼光は常人ならば怯むだろう。
太く長い尾に、大きな双翼持つドラゴンであった。

⏰:08/11/03 16:46 📱:SH905i 🆔:☆☆☆


#209 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
「さすがはドラゴン…といったところか」

カイトの感想に男は楽しげに笑った。

「その程度か?このドラゴンは四種類いるうちの最弱のドラゴンだぞ」

「馬鹿か。よく見ろよ」

カイトは小さく笑って皮肉を込めた。
指差す先にはドラゴンが。

「ご自慢の鱗が切り裂かれて、喉元から血が出てるぜ?」

⏰:08/11/03 16:46 📱:SH905i 🆔:☆☆☆


#210 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
言ってる間に、ドラゴンの傷はみるみるうちに癒えていった。

「最弱でも一応はドラゴンの眷属か。オート・リカバリーかよ…。それに…」

カイトは片膝を突いたまま、ダメージの回復を待つ。
カイトを囲うようにいくつもの巨大な影が揺らめく。

「いくら最弱のリトルドラゴンとはいえ、五体相手はきついっての…」

⏰:08/11/03 16:47 📱:SH905i 🆔:☆☆☆


#211 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
立ち上がろうとしたのもつかの間、けたたましい咆哮の次にドラゴンのブレスが五方向から襲う。

「くそっ…そりゃ怪我もするっつーの!」

大きく上に跳躍すると、岩を蹴りドラゴンとの間合いを取る、低い姿勢のまま着地して第二撃に備えた。
しかし次にきたのは攻撃ではなく、男性の声だった。

「カイト、交代の時間だ」

突然カイトとドラゴンの間に二つの影が立ち塞がった。

⏰:08/11/03 16:48 📱:SH905i 🆔:☆☆☆


#212 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
慌てて顔を上げると、そこには見たことのない二人がこちらに背を向けて立っていた。

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「な、何で…」

見たことはない。
だが、知っている。
聞き覚えのある懐かしい声。

「久しぶり…だな」

「助けにきたよ海斗」

五ヶ月前に失った…。

「本当に…父さんと姉ちゃん…?」

「そうだよ」と笑う姉の声をした女剣士。
信じられないが事実だ。

⏰:08/11/03 16:49 📱:SH905i 🆔:☆☆☆


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