【コラボ企画】秋のラノベ祭り投下スレ【withイラスト板】
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#370 [8]
「…いいえ、あの崖を登って万が一真也さんの身に何かあったら私は…
ごめんなさい、ワガママばっかりで、」
揚羽の瞳が涙の膜でうっすらと滲んでいた
『お嬢様…』
「アゲハって呼んでくれませんか?」
『え?…』
:08/11/04 01:03 :W52SA :xpWYpMNU
#371 [8]
それから数日とたたぬ内に揚羽様の容体は急変し今に至る
真也はあの花を揚羽様に届ける為、崖の僅かなくぼみに指をかけ登っていた
下は真っ暗闇で地面を見ることはできない
ただ波の音だけが闇の中に響き渡っていた。
:08/11/04 01:04 :W52SA :xpWYpMNU
#372 [8]
花まであと数メートル、
登っていくにつれ体がどんどん重くなっていく。
腕がもう吊りそうだ
だが俺は諦めない。
俺はまだ揚羽様に、いやアゲハに想いを伝えていないんだ!
例えこの身に何かあろうと花をアゲハに!!
:08/11/04 01:05 :W52SA :xpWYpMNU
#373 [8]
腕に力を込め再び登りだした真也
先程までの体の痛みは気にはならなくなっていた。
そして遂に花に手を伸ばし、真也は花を手に入れたのだ。
『やった…やったぞ!!』
歓喜にわく真也
と、その刹那!
:08/11/04 01:06 :W52SA :xpWYpMNU
#374 [8]
ガラッ…
『う、うわぁぁぁぁぁ!!』
突如手を掛けていたくぼみが崩れ、真也は闇の中に落ちていく…
この高さから落ちれば間違いなく待っているのは死、
真也はその現実に身をゆだねる事しか出来なかった。
だがその時、
真也の周りを白い光が包んだ
「シン…ヤ…サン」
:08/11/04 01:08 :W52SA :xpWYpMNU
#375 [8]
「午前1時24分…
ご臨終です…」
『そ、そんな…揚羽、
アゲハァァァァ!!』
揚羽の両親はその夜まだほのかに暖かい娘を抱きしめ泣き続けた。
:08/11/04 01:09 :W52SA :xpWYpMNU
#376 [8]
夜が明け水平線から太陽が出てきた
『ん、ここは…』
真也は崖の下に倒れていた。
『そうか、俺は崖から落ちて…しかも助かったどころか怪我ひとつしていない。
それにあの光は…』
そう考えてる時に真也は手元にある花に触れた。
『! 急がなくては!!』
:08/11/04 01:10 :W52SA :xpWYpMNU
#377 [8]
:08/11/04 01:12 :W52SA :xpWYpMNU
#378 [8]
鮮やかな極彩色の羽が今日はなぜか狂おしい程に愛しかった。
真也の瞳から流れる一筋の涙
全てを悟ったかのように、真也は道の脇に花を挿し、一言
『ありがとう』と言い屋敷へと去っていった。
「アリガトウ…シンヤサン」
:08/11/04 01:14 :W52SA :xpWYpMNU
#379 [8]
>>363-378ありがとうございました!
短編初挑戦でダメダメかもしんないけど今を出しきりました。
次の方どうぞo(*´∀`*)o
:08/11/04 01:18 :W52SA :xpWYpMNU
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