【コラボ企画】秋のラノベ祭り投下スレ【withイラスト板】
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#156 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
「ガイアとラルティスは大丈夫なのか?」
相変わらず仲のよろしくない二人に問えば、同時に頷いた。
「90%。問題無しだ」
「僕は88%。こんな奴と一緒の空気を吸ってなければもう少し好調だったかな」
微笑みを絶やさないラルティスも皮肉を忘れていない。
:08/11/03 16:06 :SH905i :☆☆☆
#157 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
ガイアのレベルは98、ラルティスは97、カイトは95だ。
ガイアとラルティスはこの世界で知らぬ者はいないほどの有名人。
CODにはギルドというチームを結成出来るシステムがある。
今、CODを二分して対立している二大ギルドのギルドマスターがこの二人なのだ。
ギルド構成員の人数は五百人以上、更に傘下ギルドがゴロゴロといる。
そのそれぞれの全ギルドメンバー数千人のトップに立つのがガイアとラルティスだ。
:08/11/03 16:07 :SH905i :☆☆☆
#158 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
ガイアのギルドは『黒き騎士団』
通称、黒騎士にはその印として腕に両前足を上げた黒い馬の紋章がある。
ラルティスのギルドは『ラファエル聖十字軍』
正義を志す神の使徒を思わせるギルドだ。
対立してる故に、仲は悪い。
カイトの頼みでパーティを組む訳でないなら、とっくに斬り合いが始まっているだろう。
:08/11/03 16:08 :SH905i :☆☆☆
#159 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
「お前、今すぐリベリオンの錆にしてやろうか?」
眉を寄せ青筋を浮かべたガイアが背の両刃刀に手を伸ばす。
「面白い。君の魔剣より僕の聖剣ルシファーの方が上だと言うことをはっきりとさせてやろう」
ラルティスは腰を低くして白鞘の聖剣に手を掛けた。
:08/11/03 16:08 :SH905i :☆☆☆
#160 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
「ちょこまかと逃げ回る臆病者が。少しは俺の太刀を受けてみろよ」
ガイアが鎖の巻き付いた魔剣をゆっくりと引き抜く。
「馬鹿の一つ覚えみたいに刀を振り回すだけの攻撃重視な奴に言われたくないね。速さこそ全てだ。いくら強い一撃でも君の鈍い攻撃に当たらなければ良いだけの話さ」
相変わらず姿勢を崩さないことからして、ラルティスはすでに戦闘の体勢になっているのだろう。
:08/11/03 16:09 :SH905i :☆☆☆
#161 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
「速さしか能がねぇのか」
「君も攻撃しか能がないだろう。瞬殺というのを体験してみるかい?」
「攻撃は最大の防御ってのを思い知らせてやるよ」
ピリピリと張り詰めた空気に似合わないため息が一つ落ちた。
「待てお前ら。今日は俺に付き合う約束だろ?」
カイトはやや呆れ顔で二人の間に体を滑り込ませると剣を収めるように促した。
:08/11/03 16:10 :SH905i :☆☆☆
#162 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
ガイアは小さく舌打ちをすると魔剣を元の位置に戻し、ラルティスは大人しく柄から手を離し低い姿勢から立ち上がった。
今日はカイトのために集まったのだ。
CODの中でもまだまだ希少で、全体のユーザーの一割にも満たないLv90超えのトップクラスのメンバーが三人も集っているのだ。
よほどのことでなければ有り得ない光景だ。
「今日こそ行くんだな、バグワールドに」
「あぁ」
:08/11/03 16:10 :SH905i :☆☆☆
#163 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
バグワールド。
カイトが聞き込みを続けて五ヶ月。
ようやく耳にした有力で確かな情報だ。
父と姉はここに二人で向かったという目撃情報を最後に、消息を絶っている。
五ヶ月前の、あの日に。
「何か解るといいな。親父さんのこと」
「…あぁ。わざわざすまないな」
街の入口まで辿り着くと、再び二人に向き直る。
:08/11/03 16:11 :SH905i :☆☆☆
#164 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
「ガイア、ラルティス。恐らく敵は…強い。話では親父のレベルは上限の100だと聞いた。姉も。だが、二人はやられた。Lv100が二人でも勝てない相手が居る未知の場所だ。無事に帰って来れる保証もなければ、本体の安全さえも保証出来ない。正直、俺の戦いに二人を巻き込んでしまって後悔している。やめるなら止めはしない、本当に一緒に行ってくれるか?」
ガイアは口元を歪めて小さく笑って見せた。
「馬鹿野郎。危険なのは承知済みだ。俺は黒騎士のギルドマスターだぜ?親父さんがLv100でも、俺より強いとは限らないだろ」
横にいたラルティスはわざとらしい大きめの声で「あーあ」と漏らした。
:08/11/03 16:12 :SH905i :☆☆☆
#165 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
「ここで僕が辞退して、ガイアがやられれば、晴れてこの世界を統一出来るから面白いと思ったんだけどね。でも、ガイアが帰って来ちゃえば僕は臆病者扱いだ。メンバーに会わす顔がないよ。ガイアが行くなら僕も行こう」
ラルティスの理由に思わず頬が緩みそうになった。
しかし、これでメンバーは決定した。
:08/11/03 16:13 :SH905i :☆☆☆
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