【コラボ企画】秋のラノベ祭り投下スレ【withイラスト板】
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#194 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
一瞬で狼の背後に回り込めば、後ろから首元を一突きにした。
「…五体目」
圧勝ではなかった。
手が僅かに痺れている。
魔物の体が異様に硬いのだ。
斬れないことはない。
素早さでは自分が勝っている。
だが、防御力が遥かに高い。
「畜生め…」
ラルティスは舌打ちを落とした。
:08/11/03 16:35 :SH905i :☆☆☆
#195 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
「おらぁ!」
ガイアが横薙ぎの一撃を払えば、四体の魔物の体が綺麗に真っ二つにされた。
思ったよりも硬度がある。
こんなに防御力が高いモンスターはなかなかいない。
だが、ガイアの攻撃の前では大した問題ではない。
「ちょこまかと…動くんじゃねぇ!」
跳飛しながら体重を乗せて剣を振り下ろせば、地面に亀裂が入り岩盤が飛び散った。
破壊された地面からは土煙を上がり、全包囲の敵が消し飛んだ。
:08/11/03 16:35 :SH905i :☆☆☆
#196 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
「タフな野郎だ…」
腕を失っても立ち上がってくる魔物を見て脱力感を覚える。
硬さは大した問題じゃない。
だが、油断したらやられる。
ガイアは自嘲気味に小さく笑った。
「上等じゃねーか馬鹿野郎っ!」
:08/11/03 16:36 :SH905i :☆☆☆
#197 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
「…ふん、大したことないな」
カイトに喉元を一突きにされた魔物の喉から、血飛沫が舞う。
こいつらは硬い。
それに素早いし、攻撃力も相当なもんだ。
下手に剣で受け止めようとすれば力負けしそうになる。
おまけに体力も桁違いにあるときた。
少しでも隙を見せればやられるだろう。
だが、いくら素早くても捕らえられる。
後は簡単な話だ。切っ先を急所に突き立てて、絶命させればいい。
「…何匹いるんだ?」
:08/11/03 16:37 :SH905i :☆☆☆
#198 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
両足を切り落とされた魔物が地に落ちると同時に、刀を額に突き立てた。
噴水のように鮮血が舞う。
「…強いな」
不意に声を聞いた。
カイトが視線を送れば、灰色のローブを身に纏った男がいた。
魔物たちが一斉に道を開ける。
:08/11/03 16:37 :SH905i :☆☆☆
#199 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
眉をしかめるカイトに、男は続けた。
「長谷川啓一の息子か」
カイトは驚きの表情を隠せなかった。
父の名を知っているということはやはりここに来たのだろうか。
「お前、何でそれを…!」
男は笑った。
「残念だが、君のお父さんとお姉さんはここで倒れた。私の造り出したバグモンスターにやられてね」
「…どうりで強い訳だ。さて、まだあるんだろ?続きを聞かせてくれよ」
カイトは男を睨み付ける。
:08/11/03 16:38 :SH905i :☆☆☆
#200 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
カイトの言葉を聞いた男は喉を鳴らしてほくそ笑んだ。
「強い?…なら、良いことを教えてやろう。君たちが今相手にしてるのはまだまだ弱いモンスター共だよ。この奥にはオーガ級の中型モンスターからドラゴン級の大型モンスターまで、大軍勢が棲みついている」
「ドラゴンだと?…お前は何を企んでいる?」
「滅亡さ。いや、破壊と言ってもいい。私は、バーチャルワールドを崩壊させるためにバグを引き起こしてるのだよ」
:08/11/03 16:39 :SH905i :☆☆☆
#201 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
「…何のためにだ」
「…バーチャルワールド。確かにすごい発明だ。だが、それが開発されたことによってどれだけのゲーム会社が潰れたか。貴様にわかるか?貴様の親父もそうだ。このCOD開発部の責任者、開発部長だそうじゃないか。偉い身分になったものだ。あれ以来ここには侵入して来ないが、今頃は何をやっているのだろうなぁ」
この男はどうやら父の実状を知らないらしい。
そう思うとカイトの怒りは増してきた。
:08/11/03 16:40 :SH905i :☆☆☆
#202 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
「そんなのは逆恨みじゃないか!」
「だが事実だ!だから私は誓った!復讐してやろうと!だが流石はバーチャルワールドと造った会社だけある。有能な人材が多いらしくてね。私が開発したプロテクトでバグワールド自体を破壊することは阻止出来たが、その他の所で思わぬ反撃を喰らってしまった。奴らの反撃で、体力や戦闘能力は高められても無敵のバグモンスターは造れなかった」
:08/11/03 16:41 :SH905i :☆☆☆
#203 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
「バグモンスターを造って…どうする気だ?」
「放つのさ。この世界にね。君も身を持って体験しただろう?こいつらの強さを!このバグモンスターの軍勢、約五百万体があればいくら君たちでもどうすることも出来まい!さぁ、どうする?君達に決定権はない。戦ってやられるか、戦わずしてやられるかだ。全面戦争と行こうじゃないか!」
男は両手を仰いで叫んだ。
:08/11/03 16:42 :SH905i :☆☆☆
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