【コラボ企画】秋のラノベ祭り投下スレ【withイラスト板】
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#227 [No.005◆vzApYZDoz6]
「…ねぇパパ」
「どうした?」
「腕、組んでもいい?」
「ああ、いいぞ」

「…ねぇパパ」
「どうした?」
「進路決まったよ」
「そうか。勉強頑張れよ」

「…ねぇパパ」
「どうした?」
「こないだ彼氏できたんだ」
「そうか。今度きっちり紹介しろよ」

「…ねぇパパ」
「どうした?」
「だし巻き玉子、ちゃんと作れるようになったよ」
「そうか。今度作ってくれよな」

⏰:08/11/03 19:13 📱:P903i 🆔:LUmIhgZI


#228 [No.005◆vzApYZDoz6]
「…ねぇパパ」
「どうした?」
「こないだ、おばあちゃんに『お母さんに似てきた』って言われたんだ」
「そうか。それならお前は美人になるぞ」

「…ねぇパパ」
「どうした?」
「本当はね、ちょっと寂しかったんだ」
「そうか。俺は悲しかったけど寂しくはなかったぞ。お前がいるからな」

「…ねぇパパ」
「どうした?」
「今日はこのまま一緒にいてもいい?」
「ああ、いいぞ」


「…ねぇパパ」

「どうした?」



「……ありがと」

⏰:08/11/03 19:13 📱:P903i 🆔:LUmIhgZI


#229 [◆vzApYZDoz6]
>>227-228
『父娘』

こういう父娘愛が、あってもいいと思います。

⏰:08/11/03 19:15 📱:P903i 🆔:LUmIhgZI


#230 [No.006◆vzApYZDoz6]
「なあ」

「なぁにー?」

「水銀燈って何だ?」

「えっとぉ、ローゼンメイデンっていうアニメの登場人物なの。小馬鹿にしたような猫なで声で喋る子(Wiki情報)なんだって」

「それ+甘い感じがお前か…そんな感じで合ってんの?」

「そんなの分からないよ。私は、あなたに動かされているもの」

「いや、だって甘い感じの女なんて書いた事ねーしローゼンメイデンなんて見た事ねーし…まぁ大食いでもしてりゃ──」

「あっ、このシュウマイあと10人分おねがいしますぅ」

「あいよ! お嬢ちゃんよく食べるねぇ!」

「だぁって、おいしんだもん、このシュウマイ。生きててよかったぁ」

「あら嬉しいこと言うねぇ!ほら10人前だよ、たんとお食べ!」

「やったぁ♪ いただきまーすっ」

「──って、もう大食いやってたね。しかしカオスだなこりゃ、地の文が無いから誰が喋ってるのか分かりゃしねぇ」

「あれぇ?食べないの?」

「見てるだけでお腹一杯になりました」

「かわいそかわいそなのです☆」

「それはまた別のキャラだろ!」

⏰:08/11/03 19:16 📱:P903i 🆔:LUmIhgZI


#231 [◆vzApYZDoz6]
>>230
『中の人と対話、その1』

要するに作者が力量不足でノータリンなだけです。ごめんなさい。

⏰:08/11/03 19:17 📱:P903i 🆔:LUmIhgZI


#232 [No.007◆vzApYZDoz6]
体が沈む。
さっきから何度も何度も手を掻き回しもがいているが、浮き上がる気がしない。
確実に沈んでいる。

ここは何処だろうか。
遥か頭上で、小さく弱々しい光源が靄を湛えて揺れている。
体は無重力の最中にいるかのように浮わついていた。
見えない圧力が微かに全身の肌に伝わる。感触は酷く冷たく、水のそれに近い。
だが息苦しさはなかった。むしろ気持ちよくすらある。

脳は頭上の光を追えとしきりに叫んでいるが、体が底へ底へと導かれているようだった。

次第に脳も叫び疲れ、沈んでいく体に身を預けていく。
目がまどろみ、瞼が重くなり、意識が薄れていく。

「ねぇ」

透き通った女性の声。
閉じかけていた瞼を開くと、沈んでいく先の底に女が立っていた。

白装束を身にまとい、後ろ手に巨大な刀のようなものを持っており、異様な雰囲気を感じる。
何より肌が極端に白い。白すぎて青緑色に見えるくらい白い。

長い前髪で顔はよく分からないが、薄く微笑む口元も色がなく、生気が感じられない女だ。

⏰:08/11/03 19:18 📱:P903i 🆔:LUmIhgZI


#233 [No.007◆vzApYZDoz6]
「抗わなくていいの?」

数メートル先に見えている底から俺を見上げ、無感情に聞いてきた。

「ここは意識の大海。底まで沈むことは、意識の底辺に辿り着いた事…つまり『死』を意味するの」

ふふふ、と不気味に笑いながら、女は後ろ手の刀を担ぎ面にふりかぶる。

「そして私の役目は、底辺に辿り着いた人間の命を刈り取る事」

女との距離はすでに1メートルもない。
切迫する死を避けようにも、すでに俺の体が脳の拘束を振りほどいていた。

女は足を広げ、柄を握る手を静かに引き絞る。
俺の体はその所作に導かれるままに、女の正面に向かっていった。

「さようなら。罪深き人間」

意識の海底に足がつく。
同時に、女が俺の体を肩から袈裟懸けに斬り裂いた。

⏰:08/11/03 19:19 📱:P903i 🆔:LUmIhgZI


#234 [◆vzApYZDoz6]
>>232-233
『断罪する女』

自殺者を裁く女の子。
自殺は最も重い罪…

⏰:08/11/03 19:21 📱:P903i 🆔:LUmIhgZI


#235 [No.008(1/2)◆vzApYZDoz6]
「よぉ」

「……誰? どこにいるの?」

「お前の後ろだ」

「後ろ…? 誰もいないじゃないか」

「当たり前だろ。俺は、お前の『影』だ」

「影…?」

「ここはお前の精神世界だ。お前は青く、俺は真っ黒で長い。お前は今、心に深い闇を抱えている。だがそれは不変的なものではなく、変えようと思えば変えられるものだ」

「……つまりは僕次第、か……」

「言ってみろよ。俺にはお前が何を抱えているかまでは判らない」

⏰:08/11/03 19:22 📱:P903i 🆔:LUmIhgZI


#236 [No.008(2/2)◆vzApYZDoz6]
「……話したところで…君に何かできるのかい? この寂しさを救えるのかい?」

「甘ったれるなよ。さっきも言っただろう、変わるかどうかは他ならぬお前次第だ」

「判っているさ。でも、僕は君ほど強くなれそうにない」

「んなこたぁねーよ。俺はお前の影だぞ? 俺は、お前だ。俺にできることはお前にもできるんだよ。全てはお前次第だ」

「………」

「立ち上がれ。でなきゃ俺は…ひいてお前はいつまでも小さいままだ。前進しなくちゃ始まらないんだ。それでも不安なら一度後ろを向けよ。俺は、いつだってそこにいる」

「……そうだね。全ては僕次第なんだ…」

「たまに落ち込んだって誰も何も責めやしねーよ。だが、ずっとそのままじゃできることもできないんだぜ?」

「うん…思い出したよ。僕にはまだやることがあるんだ」

「1人でいたくなったらまた来な。ここにいるのはお前1人だが、独りぼっちじゃない」

「……ありがとう。もう起きるよ」

「そうしとけ。精々気張れよ」

「それじゃ」

「ああ。達者でな」

⏰:08/11/03 19:23 📱:P903i 🆔:LUmIhgZI


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