【コラボ企画】秋のラノベ祭り投下スレ【withイラスト板】
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#304 [No.037(1/2)◆vzApYZDoz6]
子供の頃、何度も同じ夢を見た。
自分と同じくらいの女の子と遊ぶ夢。

知らない公園の砂場で、知らない家の庭で、知らないデパートの屋上で。
夢の中での彼女との遊びは、いつも楽しかった。

しかし、小学校に入って間もない頃を境に、ピタリと見なくなってしまった。
そしていつしかそんな夢を見ていた事も忘れ、何事もなく学生時代を送っていた。

ところが、高2になった最近に、またその夢を毎晩見るようになった。

夢の中の彼女はすっかり成長していた。
おっとりした仕草やセミロングの髪型は変わらないが、背丈も伸びてるし胸も膨らんでいる。
遊びの内容も追いかけっこやままごとなんかから、カラオケだったり買い物に行ったりと大人になっていた。

それを不思議に思いながらも少し楽しんでいたある日、父が転勤する事になった。

「さ、とうとうこの町ともお別れねー。しっかり目に焼き付けておきましょうか…」

「ああ…」

母さんと庭に立って、住み慣れた町並みに別れを告げる。

別に特別何かあるわけでもない、何の変哲もない住宅街だが、やはり自分が生まれ育った町にサヨナラするのは感慨深いものがあった。

⏰:08/11/03 21:00 📱:P903i 🆔:LUmIhgZI


#305 [No.037(2/2)◆vzApYZDoz6]
こうして俺は片田舎から、都心部郊外の住宅街に引っ越した。

引っ越した住宅街は最近できたらしい。
ニュータウンとでも言うのだろうか、できたばかりの家やマンションが数多く建ち並んでいた。

新しい家は思ったよりデカイ。母さんの話では一人部屋を貰えるらしいので楽しみだ。

とりあえず必要最低限の荷物を運び込んでから、近所の挨拶回りをすることにした。

向かって左隣の家から始めて、最後の家、つまりぐるっと回って右隣の家まできた。
インターホンを押して、挨拶に来た旨を伝えると、俺のお隣さんになる人が出てきた。

「はーい、こんにちh」
「どうも、新しく越しt」

「「!!??」」

なんという事だろうか。

間違いない。
出てきたのは、夢で何度も見た彼女だった。

「マジかよ…」
「うそ…」

驚いて2人同時に呟く。

「ああああの、今日からよろしくおおおお願いします!!」
「こここちらこそ、よよよろしくね!!」

そして2人同時にカミカミのご挨拶。
互いに顔を見合わせて、また2人同時に小さく笑った。

やっべー、現物超カワイイ。
俺の人生始まったわ。

⏰:08/11/03 21:11 📱:P903i 🆔:LUmIhgZI


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