【コラボ企画】秋のラノベ祭り投下スレ【withイラスト板】
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#327 [No.047、048◆vzApYZDoz6]
「来たわ」
「あら、結構カッコいい人…じゃ、行くわね」
「頑張って!」
「魔泡使いの腕を見せてあげるんだから。いっけー、モコモコクリーム!」
ボボボボボ…
「よーし、モコモコクリーム設置完了!」
「オッケー。この両刃剃刀の威力は凄いわよ! 食らえ、シェイビングスラッシュ!!」
シュババババッ
「……髭剃り、完了!」
「最後よ、パワーズリキッド!」
バッシャー
「クリーム洗浄、完了!」
「お仕事、終わりっと」
:08/11/03 21:44 :P903i :LUmIhgZI
#328 [No.047、048◆vzApYZDoz6]
:08/11/03 21:46 :P903i :LUmIhgZI
#329 [No.049◆vzApYZDoz6]
「うーん…」
若い男が、鏡に向かって唸っていた。
顎や頬、鼻、額など、あらゆるところを手で擦っている。
そこへ、若い女がやって来た。
「どうしたの?」
「いや…肌がちょっとざらついてる気がして」
「いいんじゃないかな…男の子なんだし」
「男だって肌荒れには気を使うもんだぜ。…あっ、そうだ」
「なに?」
「顔用パック貸してくれね?」
:08/11/03 21:47 :P903i :LUmIhgZI
#330 [◆vzApYZDoz6]
:08/11/03 21:48 :P903i :LUmIhgZI
#331 [No.050◆vzApYZDoz6]
気が付けば辺りはすっかり暗くなっていた。
今もやまない雨が降りだしてからどれくらい経っただろうか。
既にびしょ濡れで、重くなった服のせいで動く気力も湧かない。
だが、それでも彼は待ち続けた。
彼女と交わした約束を、果たすために。
(急病なんだろうな。きっとそうだ)
だが彼は彼女に連絡はしなかった。
:08/11/03 21:48 :P903i :LUmIhgZI
#332 [No.050◆vzApYZDoz6]
:08/11/03 21:49 :P903i :LUmIhgZI
#333 [No.051(1/2)◆vzApYZDoz6]
D−34:Δ
本日、未確認の惑星が発見された。
惑星の大気、地質、水質等を調査した結果、良好な環境を持つ惑星だったと推察される。
また惑星の7割ほどが水に覆われており、生命が現存する可能性は極めて高い。
惑星をTE01と名付け、慎重に調査を進めていく。
D−41:γ
TE01惑星の調査の結果、これまでに確認された生命体はおよそ300種類。
だが依然として新種の生命体は発見され続けており、この数字はほんの一部に過ぎないとみられている。
高知能生命体はまだ確認されていない。
しかし、多様な文明機器が発見されている事から、高度な知能を有した生命体が存在した可能性は高い。
何らかの原因により絶滅してしまったのかもしれない。
それにしても、文明が発展していたと思われる地域ほど、大気・地質・水質ともに汚染度が高いのが気になる。
:08/11/03 21:51 :P903i :LUmIhgZI
#334 [No.051(2/2)◆vzApYZDoz6]
L−08:Σ
高い知能を持つ生命個体が発見された。
我々には理解できなかったが、どうやら言葉を話せるようだ。
同行していた宇宙語学者によると、FK38星の言語とほぼ同じとの事。
我々はすぐさま同惑星に調査団の派遣を依頼した。10日後に到着する。
その間に簡単な質問をした。
その結果、やはり高知能生命体は絶滅してしまった事が判明した。
今回発見された個体はその生き残りらしい。
彼女(性別は雌性らしい。以降はこの個体をこう呼ぶ)によると、絶滅を免れた生き残りは他にもいるようだ。
とりあえず、これらの生命体にはTE−xと名付ける。
それにしても、TE−xと我々は外見が非常に酷似しているのが気になる。
もしかすると、我々と似たような進化をたどってきたのかもしれない。
L−18:Δ
調査団が到着した。
早速、生き残り達に質疑応答をしてもらった。
結果、絶滅の要因は、TE−x同士の大規模な争いによるものらしい。
彼女は、こう言ったそうだ。
『私達は、同じ種族で争うことでしか発展できない』と。
その結果絶滅する事になろうとは、皮肉なものである。
ところで、TE−xについて気になる事がある。
私は一度故郷に帰り、太古の文献から調べてみるつもりだ。
その事を明日、隊長に報告する。
(調査手記はここで終わっている)
:08/11/03 21:52 :P903i :LUmIhgZI
#335 [◆vzApYZDoz6]
:08/11/03 21:54 :P903i :LUmIhgZI
#336 [No.052◆vzApYZDoz6]
彼女は自分の運命を呪った。
今日は彼との待ち合わせがあるのに、なぜ自分がこんな目に合わなければならないのか。
窓から見える雨の勢いは依然として衰えず、やむ気配すら見せない。
この降り頻る雨の中、彼はまだあの場所で待っているのだ。
彼のためにも、何としてもこの状況を打破する必要があった。
周囲には武器になりそうな物もあるが、壁の向こうにいる者と自分とでは素早さが違いすぎる。
いや、恐怖に手がすくんで武器を握ることすらままならないだろう。
幸いは、向こうは恐らくまだ自分の存在に気付いていない事。
こちら側に出口は無いので、向こうが去っていくまで息を潜めて待つしかなかった。
(あーもう! なんでドアノブにゴキブリがいるのよ!)
殺虫剤を買っておけばよかったと後悔する彼女だった。
:08/11/03 21:55 :P903i :LUmIhgZI
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