【コラボ企画】秋のラノベ祭り投下スレ【withイラスト板】
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#348 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
「今日の空は百点っ!」
私は早朝の冷たい空気で肺を満たしつつ、空を仰いだ。
bbs1.ryne.jp/d.php/illust/1144/130私はこの空が好きだ。
曇り空でも快晴でもない、この空が。
透き通るような青さの中に水でぼかしたように白く霞む朝日の色。
絶妙な青空と雲の比率。
私の中ではなかなか巡り会うことの出来ない、文句なしで百点満点の澄み切った空。
:08/11/03 23:55 :SH905i :☆☆☆
#349 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
「今日は何だか良いことがありそうな気がするなぁ」
鼻歌などを鳴らしながら上機嫌な私は、たぶん周りから見たら「良いことがあったのかな」と思わせるほどの笑顔に違いない。
いや、もしかしたら本当に良いことがあったのかもしれない。
この空に出会ったこと自体が幸福なのではないか?
だとしたら私は幸せ者に違いない。
依然として鼻歌混じりに軽い足取りのまま歩く私の遥か前方に、一人の男性の姿が映る。
:08/11/03 23:56 :SH905i :☆☆☆
#350 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
「あっ!もしかしてあの後ろ姿は…うん、先輩だ!」
愛しい片想いの相手を見つけ、私は駆け出す。
不思議と、やはり足は軽くて、高揚した気分からかスキップになりそうなほどの感覚に包まれる。
空が運んできた幸福だろうか。
先輩の後ろ姿が大きくなっていく。
私は躊躇うことなく先輩の肩を叩いた。
:08/11/03 23:57 :SH905i :☆☆☆
#351 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
元気よく挨拶をすると、驚いたようにこちらを振り向く大好きな顔。
途端に輝くような笑顔に変わり、私の気分をより一層高揚させた。
恐らく先輩には訳がわからないだろうが、私は何の前触れもなく突然『青空』を語り始める。
「青空と雲の比率がポイントなんですっ!」
私の元気な声が早朝の冷たい空気に溶けていった。
…何か、良いことがあったような気がする。
そう、
私はこの空が好きだ。
:08/11/03 23:59 :SH905i :☆☆☆
#352 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
>>347-351イラストNo.55
『青空』です
訳のわからない話でごめんなさい!
次の方どうぞっ
:08/11/04 00:00 :SH905i :☆☆☆
#353 [向日葵]
Y005のイラストを使わせて頂きます。
タイトル「時間のぬくもり」
:08/11/04 00:02 :SO906i :1uZDS5G2
#354 [向日葵]
:08/11/04 00:03 :SO906i :1uZDS5G2
#355 [向日葵]
ねぇ、ほんの少しでいいの。
思い出して笑ってくれれば、それだけで嬉しいわ……。
―――――――――…………
「こんの……クソ親父ぃーっ!!」
どうして!?
私にその疑問がつきまとった。
私はすぐそばにあったクッションを親父に投げつける。
親父はそんなもの痛くもかゆくもないという風に大あくびをする。そんなだから、私の憤りの炎は大きくなる。
「今日がなんの日か忘れたってどういうことよ!」
「あのなぁサキ、人っていうのはどんどん老いぼれていくんだよ。それに比例して物忘れも激しくなる。オーケー?」
:08/11/04 00:04 :SO906i :1uZDS5G2
#356 [向日葵]
ぼりぼりと散髪に行かず伸ばしっぱなしの髪の毛をかき回す。
今日は珍しく親父の仕事が休みだし、丁度いいと思った私が馬鹿だった。
とどめとばかりに、持っていた学校鞄を親父のスネめがけて当ててやる。
これは効いたのか、親父はその場に声にならない悲鳴を上げてうずくまる。
「いってきますっ!!」
力任せに玄関の戸を閉めて、アパート階段をかけ降りる。
私のお母さんは、1年前に亡くなった。
もともと心臓が悪かったお母さんだけど、ニコニコ笑っていて大好きだった。
そんなお母さんが亡くなる前に言ったお願いがある。
:08/11/04 00:04 :SO906i :1uZDS5G2
#357 [向日葵]
それを……あの馬鹿クソ親父はぁーっ!!
―――――――――…………
学校が終わって、夕食の材料を入れたスーパーの袋を持った私は帰宅した。
居間から入ってくる風に気づいて覗いてみれば、ベランダに続く戸の戸口に親父が夕日を眺めていた。
「……ただいま」
「んー……」
私に背を向けたまま、親父はそう言った。
親父は確かに面倒くさがりだし、のんびり屋だし、根性曲がってる部分だってある。
:08/11/04 00:06 :SO906i :1uZDS5G2
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