しゃにむに
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#31 [〇◆f9snfTF/yQ]
‐楽器屋GREEN HILL‐
少しさびれた風貌で、デカデカとギターの形をした看板にネオン管でGREEN HILLと書いたお店の前には大量のギターやベースが飾られていた。
秀『久々だなー』
亮介『だな。3年ぶりか。』
そんな話をしながら店内に入る秀と亮介と英二だったが、何より早くに店に飛び込んだのは正隆だった。
:08/11/14 00:56
:SH905iTV
:Vfl/OYn.
#32 [〇◆f9snfTF/yQ]
正隆『おっちゃん!ちわっす!』
元気よく正隆が挨拶をするとカウンターからひょっこり髭を蓄えた30代後半くらいのおじさんが頭を出した。
『よう!マサ。』
このおじさんがGREEN HILLの店主、長田さんだ。
長田さんは20代の頃、PunkROCKのバンドを組んでいて、本人いわくかなりヤバかったらしい。
長田『ん?今日は秀も亮介も一緒か!珍しいな!』
秀と亮介のそばにきて、二人の肩をポンッと叩いて話した。
長田『ん?このイケメンは?』
英二に気づいた長田は秀達に聞いた。
:08/11/14 23:51
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:Vfl/OYn.
#33 [〇◆f9snfTF/yQ]
ひとりぽつんと不安げに立っていた英二の肩に手を回して秀は紹介をした。
秀『こいつは俺らの友達で英二っていいます!』
英二『ども。』
ぺこりと会釈をした。
長田『おう。こいつらの本当の父親の長田だ。よろしくな!』
ガハハと下品な笑いをして手を差し延べ二人は握手をした。
長田の手はゴツゴツしていた。
:08/11/14 23:55
:SH905iTV
:Vfl/OYn.
#34 [〇◆f9snfTF/yQ]
正隆『あ゛ーー!!』
正隆の大声に四人はビクッとして声の方を見た。
正隆『お、おっちゃん!これ!!!!』
正隆は口をパクパクしながら慌てていた。
長田『ふぅ、さすがマサ、気付いたか。』
少しにやけた長田は正隆の方へ歩き、一本のベースを手にとった。
正隆はもちろん、四人の視線はそのベース一点だけに向いていた。
:08/11/19 01:03
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:QZxzw/P6
#35 [〇◆f9snfTF/yQ]
正隆『おっちゃんスティングレイは入荷未定って言ってたじゃんよ!』
正隆は興奮のあまり、喜んでいるのか怒っているのかわからない口調で言った。
長田『んまーな、つい昨日入荷したんだよ。』
"スティングレイ"は正隆がベースを始めた頃から憧れのベースだ。
:08/11/19 01:33
:SH905iTV
:QZxzw/P6
#36 [〇◆f9snfTF/yQ]
長田『弾いてみるか?』
正隆『もちろん!』
正隆は待っていましたと言わんばかりに返事をした。
長田もそうなるだろうと、用意していたすぐにシールドとアンプをつなぎ、そしてベースにつないで正隆に渡した。
:08/11/20 00:40
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:FiSCX2pQ
#37 [〇◆f9snfTF/yQ]
生唾を飲み、そして少し手にかいた汗をズボンで拭い、指で軽く弦を弾いた。
ボボー…ン
かなりボリュームが大きく店中に響いた。
気ままに楽器を見ていた亮介も秀も英二も、不意に音の鳴る方を見た。
:08/11/20 00:46
:SH905iTV
:FiSCX2pQ
#38 [〇◆f9snfTF/yQ]
ボーンボボボ…
ベベベン…♪♪♪
店に何の曲かはわからないがちゃんとした曲を弾いていた。
亮介『…………。』
秀『…………。』
英二『…………。』
長田『…………。』
長田も含め、四人は無言で正隆の弾くベースを聞いていた。
それに気づいた正隆は恥ずかしくなったのか弾くのを止めてジロジロと満足げにベースを見ていた。
:08/11/20 00:59
:SH905iTV
:FiSCX2pQ
#39 [〇◆f9snfTF/yQ]
長田『マサ、お前ベースうまくなったな!』
沈黙を破ったのは長田だった。
亮介『ほんとな、ちゃんとやってんだ。』
秀『うんうん、』
全くのシロートの英二はただ立ち尽くしていた。
英二『すげーな。』
正隆『…30万か。』
正隆がボソッとつぶやいたのを四人は聞き逃さなかった。
:08/11/20 01:14
:SH905iTV
:FiSCX2pQ
#40 [〇◆f9snfTF/yQ]
秀『うそだろ?』
半笑いで秀は正隆に問い掛けたが、正隆は真剣な顔でスティングレイを見つめていた。
正隆『長田さん!』
来た…。
長田はそう思った。
正隆は長田のことを
[おっちゃん]ではなく
[長田さん]と呼ぶときは無茶な、お願いをするときだけだ。
:08/11/20 01:19
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